建築学生が学ぶ構造力学

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構造計算のおすすめ書籍7選|若手設計者が実務で使いやすい本

この記事の要点

構造設計の仕事を始めた頃、「どの本で計算方法を覚えればいいか」の答えが見つからなかった

同僚に聞いても人によって推薦書が違い、自分で試しながら使える本を絞り込んでいった経験がある。

構造計算の本には「理論系」と「実務ツール系」がある。

理論系は概念理解に強いが計算手順が省かれていることが多く、実務ツール系はすぐ使えるが背景が薄い。

両方を使い分けることが上達の近道だ。

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構造設計の書籍は目的や習熟度に合わせて選ぶことが大切です。

僕は建築の構造設計の仕事をしています。

入社したころは右も左もわからず、色々な本を読みました。

今回は「分かりやすかった」「面白かった」「買った良かった」と感じた本を、いくつかご紹介します。

構造設計者を目指すあなた、若手の構造設計者の方に、是非参考になればと思います。


なお、下記も参考になります。

若手設計者のキミに伝えたい、すぐに分かるRC造(鉄筋コンクリート造)の書籍7選

鋼構造(鉄骨造)のおすすめ書籍7選|若手設計者・大学院生向け厳選リスト

建築の構造設計

構造力学本の名著「建築の構造」の姉妹本です。実践的な例題が多く、手計算で構造設計の考え方を学べます。計算プログラムで解くことが多い昨今だからこそ読みたい本です。

建築の構造設計

メリット

・実践的な例題が多く、手計算で構造設計の考え方が学べる

デメリット

・単位系が古い

・洋書を翻訳したもので、日本の構造設計の手法とやや異なる


古い本なのでSI単位系では無いのと、洋書を翻訳しており日本の構造設計とやや異なります。ただ力学は万国共通です。計算の考え方は大きく違いません。手計算に馴染みがない若手の方へ、よりおすすめしたいです。

建築の構造設計


読んだ感想は下記をご覧ください。

「建築の構造」の姉妹本。実践的な例題を手計算で確認できる、建築の構造設計

初めての建築構造設計―構造計算の進め方

正統派の構造設計を学べる書籍です。イラストが多く、分かりやすいです。入社1年目に、この本を買いました。

メリット

・構造設計の実務について、実際の流れに沿って説明している

・文章とイラストのバランスが丁度良い。

デメリット

・小さい文字も多いので、少し読みづらい。

・構造計算の実務について学べるが、理論の記述はあっさりしている。


とても丁寧に書いてあるので、若手設計者の方は助かると思います。文字は小さいですが、その分イラストが豊富なので、分かりやすいですよ。

初めての建築構造設計―構造計算の進め方 (建築のテキスト)


なお、構造力学の知識は、ある程度持っている方を対象としています。姉妹本として下記もあるので不安な方はセットで購入しても良いですね。

改訂版 初めての建築構造力学

フリーソフトで学ぶ建築構造計算―Building Editor

フリーソフトを使って建築構造計算が学べる本。ソフトの使い方はもちろん、構造計算の基本から用語の意味、質問集まで書いてあります。普通、構造計算ソフトは有料なので、構造計算の実務を学びたい人におすすめ。

メリット

・フリーソフトを使って構造計算を学べる

デメリット

・構造設計者は会社で有償ソフトを使っているのでフリーソフトが不要


構造設計者の方は、そもそも有償ソフトを使っています。よって、本書の良い点は半減かと思います。学生や構造設計者以外の方で、構造計算を学びたい方におすすめします。

フリーソフトで学ぶ建築構造計算―Building Editor

直感で理解する! 構造設計の基本

手書きイラストと、分かりやすい文章で構造設計の基本が学べる本です。数式が少なく読み物に近いので、すらすら読める面白い本です。

メリット

・数式や計算が少なく、構造設計の基本をまとめた本

・手書きのイラストがわかりやすい。

・随所に、筆者独自の構造設計の考えが纏められていて面白い

デメリット

・数式や計算方法が少ない。

・やや説明が専門的で、ある程度構造設計、構造力学を理解していないと読めない


実務に関連した話が多いので学生には読むのが難しいかもしれません。実務を経験した方なら、簡単に読み進められると思います。若手構造設計者、意匠設計者の方にもおすすめですね。

直感で理解する! 構造設計の基本


実際に読んだ感想は下記をご覧ください。

若手構造設計者に必要な「直感力」が身につく本

構造デザインの歩み―構造設計者が目指す建築の未来

構造設計が学べる本では無いですが、1990年~2006年までの構造設計の流れが、実例を通して説明されています。先進的な構造デザインによる建築物が沢山あるので、モチベーションアップにもいいですね。

構造デザインの歩み―構造設計者が目指す建築の未来

メリット

・これまで設計された優れた建築物の「構造デザイン」に着目した本

・構造設計に対するモチベーションを上げることができる

・構造設計の楽しさ、素晴らしさに出会える

・優れた建築物の構造設計で、何が工夫されたのか説明されている。

デメリット

・説明が専門的。


実務者向けの本なので、説明は専門的です。ただ、写真もあるので悩みすぎることは無いです。若手からベテランの構造屋さんなど、幅広い世代の方が読んで面白い本です。

構造デザインの歩み―構造設計者が目指す建築の未来

現場必携 建築構造ポケットブック 第5版増補

構造設計で必要な計算式、公式、図表などがまとめられた本。ポケットブックなので持ち運び易いです。手元に置いておくと便利です。構造屋さんは、本書を持っている人が結構多いと思います。

メリット

・ポケットサイズなので持ち運びやすい

・構造計算で必要な数学の公式、数値、断面性能、構造力学が1冊にまとめられている

・手のかゆいところに届くような細かい数式まで解説あり

・構造設計者なら、ほとんどの人が持っている必読本

デメリット

・理論の説明は特にないので、理解できない場合は別途参考書が必要


上記の通り、理論の説明は特になしです。実務中、公式の理論を紐解くことは無いと思うので、問題ないでしょう。

現場必携 建築構造ポケットブック 第5版増補

今さら聞けない建築構造の基本攻略マニュアル

構造設計の仕事をしていると、意匠や設備から色々な質問を受けます。そんな「よくある質問」をまとめた1冊。意匠、設備の方こそ読んでもらいたい本です。

メリット

・日頃、意匠設計者や設備設計者から頻繁に受ける構造的な問題をピンポイントにベテラン構造設計者が解説した本

・構造的な実務の悩みについて分かりやすく解説している。

デメリット

・学生には難解なので不向き


本書は実務の内容が濃いので学生には不向きです。将来を見越しての購入はアリです。また、構造設計者向けというより、意匠や設備の方にこそ読んで頂きたいです。毎度、構造設計者に質問する手間が省けるかも。

今さら聞けない[Q&A] 建築構造の基本攻略マニュアル

建築2次部材の構造計算 意匠設計者でもスラスラわかる

意匠設計者向けに、二次部材の構造計算が学べる本。二次部材といっても小梁や間柱ではなく、「手すりの支柱」や「吊りボルト」など、意匠設計者が決める部材のこと。この本を読めば、建築2次部材のことで、構造屋さんに聞くことも無くなるかも。

メリット

・意匠設計者でもわかるように、豊富なイラストで建築2次部材の構造計算が学べる

・手すりの支柱、吊りボルトなど、普段構造設計者に相談しないけど、耐久性が気になっている部分についての計算法が勉強できる

・構造設計とは直接関係ないが、構造的に注意すべき意匠材の勉強ができる

デメリット

・建築2次部材と書いてあるが、小梁、スラブなどの2次部材とは違うので購入には注意が必要。


構造設計者向けの本では無いです。意匠設計者や設備設計者の方に読んで頂きたい本ですね。

意匠設計者でもスラスラわかる 建築2次部材の構造計算

混同しやすい用語

構造計算と構造設計

構造計算は建物の安全性を数値で確認する計算作業のことです。

構造設計は、構造計算を含む建物の骨組み全体を設計する業務全般を指します。

入門書と参考書

入門書は初学者が基礎から学べるようにわかりやすく書かれた書籍です。

参考書は特定のテーマを詳しく解説した書籍で、ある程度の前提知識が必要な場合があります。

試験での問われ方|管理人の一言

構造計算の書籍は種類が多く、どれを選べばよいか迷いがちです。

この記事では管理人が実際に読んで良かった本を厳選しているので、参考にしていただければ幸いです。

構造設計の書籍を整理した表を示します。

書籍名特徴おすすめ対象
建築の構造設計実践的な例題と手計算で学べる中級者
初めての建築構造設計イラスト多用・実務の流れに沿った構成入社1〜3年目
直感で理解する!構造設計の基本数式に頼らず力の流れを視覚的に解説若手設計者全般

まとめ

今回は、僕が読んだ構造計算や構造設計の本で、「良かった」と感じたものを一部紹介しました。是非、参考にして頂ければと思います。

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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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