建築学生が学ぶ構造力学

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有限要素法の概要

この記事の要点

有限要素法(FEM)は、連続体の解析領域を有限の要素に分割し、各要素で単純な近似関数を解くことで全体の応力分布・変位などを数値的に求める手法だ。

FEMは形状が複雑な場合やボルト接合部など解析的に解けない問題に特に威力を発揮するが、あくまで近似計算であるため、弾性力学の基礎を理解した上で利用することが重要となる。

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・まず、はじめに
学校によりますが、大学3,4年では弾性力学という授業は聞き慣れないと思います。

この内容は、今まで勉強した構造力学や材料力学を土台に学習していく分野です。

さらに言えば、構造力学や材料力学で習った公式やフックの法則は、元々は弾性力学から考えられたものです。

まだまだ構造力学に不安がある人は、 ここは後回しにしても良いでしょう。



・弾性力学とその学問体系
構造力学では主に2次元での物体を勉強してきましたね。

弾性力学では3次元に拡張して力のつり合いや、 ひずみと変位の関係などを考えていきます。

本来なら、3次元→2次元→1次元と勉強していく方が自然ですね。

しかし3次元で理解するのは時間も必要ですし、ある程度、知識の土台が無いと難しいです。

よって1次元→2次元→3次元と学校では学習します。



実は弾性力学も大本は固体力学という学問の一部です。

さらに、固体力学と流体力学(例えば水理学)も連続体力学という学問の一部と考えることができます。

私たちが必死で勉強している「構造力学」も「連続体力学」の一部だったんですねー。

 

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有限要素法について

・有限要素法(FEM)とは
FEM(Finite Element Method)とは対象とする領域を有限の要素 に分割し、一つ一つの要素について比較的単純な関数を解くことで 全体の挙動を明らかにしようとする数値解析の手法です。日本語では 有限要素法ですね。 FEMを使えば物体に加わる応力の分布や、主応力等を示せば、 その方向まで定量的にコンター図で示すことができるのです。

・鉄板の引張載荷を考えてみよう
例えば鉄帯板の単純引張載荷を考えてみましょう。 この場合、両端から徐々に引っ張っていくと板のおよそ中心部分に 応力が集中しやがて破断します。このような挙動は、FEMを 利用することなく、頭の中でイメージできると思います。 では、2つの円孔を有する帯板で単純引張載荷を施した場合は どの部分に応力が集中するか判断できますか? このような形が線形でない場合や、ボルト接合部など 対象とする形や境界条件等が複雑な場合、FEMは威力を発揮 するのです。

・解析は万能ではない
ただ、FEMという便利な解析方法も、所詮は近似計算を行っている にすぎません。解析というものは 万能ではありません。あくまで理想状態でシュミュレーションしてい るだけなのです。しかし、解析を行うことでお金のかかる実験 回数を減らすことや、安全側の設計を行うことが可能となっています。 また、FEMの基礎を学ぶ前に弾性力学を勉強しましょうね。

混同しやすい用語

有限要素法(FEM)vs 解析解

解析解は数学的に厳密に求まる式による解。

FEMは領域を要素分割して数値的に近似計算する手法。

FEMは形状や境界条件が複雑で解析解が存在しない場合に使う。

近似計算なので要素の分割が細かいほど精度が上がる。

弾性力学 vs 材料力学 vs 構造力学

材料力学は梁・柱などの部材を1次元的に扱う学問。

弾性力学は3次元の連続体の応力・ひずみ・変位を扱う学問(材料力学の一般化)。

構造力学は建築・土木構造物全体の力学的挙動を扱う学問。

FEMはこれらすべての数値解法として利用される。

コンター図(等高線図)vs ベクトル図

コンター図(等値線図)は応力値など連続的な量を色や線で分布表示するFEM出力の一形式。

ベクトル図は力や変位の方向と大きさを矢印で示す。

FEMの結果解釈ではどの表示形式が何を示すかを理解することが重要。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。

2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。

著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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