この記事の要点
定ひずみ三角形要素(CST要素)は変位を一次式で仮定するため要素内でひずみが一定となるFEM要素であり、計算が単純で実装しやすいが応力精度が低い。
CST要素は「固い(剛性が過大)」という特性があり、精度を確保するにはメッシュを細かく分割する必要があるため、実務ではより高次の要素(二次三角形要素や四辺形要素)との使い分けが重要だ。
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有限要素解析を勉強する第一歩として、「定ひずみ三角形要素」の変位関数について勉強しましょう。
初めに、変位u,vの2成分を3つの頂点(i,j,k)に関するパラメータα1,α2…を含む一次関数で表示できます(最も簡単な変位場)。また、変位関数を以下のように定義します。この式は定義ですので深く考えないようにしましょうね。
要は変位をこのような一次関数で表すことが重要です。
図のように節点は3つ存在するので、下の式がそれぞれ3つずつ存在することがわかります。
ここで、係数α1,α2…は未知係数です。この要素は、要素内の変位が線形(一次関数になってますね)よって、線形三角形要素とも呼ばれます。
さて、ひずみと変位の関係は以下のように表すことができました。
この式にさっきの、変位関数u,vをそれぞれ代入します。x,yについてそれぞれ偏微分すると、最終的にひずみの値は以下のように表します。
このように、変位を一次関数で定義したときの歪は定数となることから「定ひずみ三角形要素」と呼ばれます。
歪の値が一定なので、当然、応力の値も一定となります。つまり要素内で応力は変化しません。
よく、三角形要素は「固くなる」と言われますが、これは三角形要素内で歪が一定であり、対象とするモデルのメッシュを粗くすると計算精度が悪く、応力が高めに現れるためです。
よって定ひずみ三角形要素を用いる場合はメッシュを細かくする必要があるわけです。
混同しやすい用語
定ひずみ三角形要素(CST)vs 線形ひずみ三角形要素(LST)
定ひずみ三角形要素(CST: Constant Strain Triangle)は変位を1次関数で仮定し、要素内でひずみが一定となる最も単純な2次元要素である。
線形ひずみ三角形要素(LST)に対してCST要素は計算が単純だが精度が低く、LSTは節点数が多く精度が高い代わりに計算コストが増える。
メッシュ密度 vs 要素次数
メッシュ密度を高くする(要素数を増やす)方法はCST要素の精度不足を補う手段の一つで、h法(h-refinement)と呼ばれる。
要素次数を上げる方法(p法)に対してh法はCST要素のまま細分化するため単純だが、大規模モデルでは計算量が膨大になるトレードオフがある。
| 条件 | 値 |
|---|---|
| 節点1座標 | (0, 0) |
| 節点2座標 | (1, 0) |
| 節点3座標 | (0, 1) |
| 節点変位(x方向) | u1=0、u2=0.001m、u3=0 |
形状関数 N1=1−x−y、N2=x、N3=y の場合、x方向ひずみ εx は:
εx = (∂N1/∂x)u1 + (∂N2/∂x)u2 + (∂N3/∂x)u3 = (−1)×0 + 1×0.001 + 0×0 = 0.001
定ひずみ三角形要素(CST)ではひずみ εx・εy・γxy はすべて要素内で一定値となる。
答え:εx = 0.001(要素内で一定)。これがCSTの「定ひずみ」の意味。
| 要素 | 節点数 | ひずみ分布 | 精度 |
|---|---|---|---|
| CST(定ひずみ三角形) | 3節点 | 要素内で一定 | 低い(粗メッシュで誤差大) |
| LST(線形ひずみ三角形) | 6節点 | 要素内で線形変化 | 中程度 |
| Q4(4節点四辺形) | 4節点 | 双一次変化 | CSTより高い |
Q. 定ひずみ三角形要素(CST)の名前の由来は?
A. Constant Strain Triangle の略。要素内でひずみが一定(Constant)になる三角形(Triangle)要素であることから命名。
Q. CSTと比較してより高精度な三角形要素はどれか?
A. 6節点三角形要素(LST:Linear Strain Triangle)。中間節点を追加することでひずみが線形変化でき、精度が向上する。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験でFEM要素の種類が直接問われることは少ないが、「三角形要素は固くなる傾向がある」「メッシュを細かくすると精度が上がる」という概念は構造設計の実務知識として押さえておきたい。
定ひずみ要素の「固い」特性を理解するには、仮定する変位関数の次数とひずみの定数性の関係を整理しながら学ぶことが効果的だ。