この記事の要点
Bマトリクス(ひずみ-変位マトリクス)は有限要素法において節点変位{d}からひずみ{ε}を求める行列で、{ε}=[B]{d}と表され、定ひずみ三角形要素ではBの各要素は節点座標から定まる定数行列となる。
導出手順は、①変位場u,vをα1?α6の一次関数で表す→②節点座標を代入してAマトリクスを構成→③ひずみ-変位関係に代入→④[B]=[∂N][A]?1として得られ、節点座標を代入すれば具体的なBマトリクスが求まる。
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定ひずみ三角形要素の剛性マトリクスを求める準備段階として、歪と変位を関係づけるBマトリクスを求めましょう。
変位u,vの2成分を3つの頂点(i,j,k)に関するパラメータα1,α2…を含む一次関数で表示できます(最も簡単な変位場)。変位関数の定義は、
u=α1+α2x+α3y
v=α4+α5x+α6y
次に節点座標を代入すると、
上の式を節点変位ベクトル≡{d}=[A]{α}と略記し、[A]をAマトリクスと呼びます。
また、{α}=(α1, α2, α3, α4, α5, α6,)Tは一般化変位と呼ばれます。
{α}について解くと、
{α}=[A]-1{d}
また、
a1=x2 y3-x3 y2 b1=y2-y3 c1=y3-y2
a2=x3 y1-x1 y3 b2=x3-y1 c2=x1-y3
a3=x1 y2-x2 y1 b3=x1-y2 c3=x2-y1
さらに、歪と変位の関係式は
ここで、変位関数の定義は次のように書き換えることが出来ます。
この式を歪と変位の関係に代入すると
εx=[0 1 0 0 0 0] [A]-1{d}
εy=[0 0 0 0 0 1] [A]-1{d}
2εxy=[0 0 1 0 0 0] [A]-1{d}+[0 0 0 0 1 0] [A]-1{d}
これを纏めると、
ここで、[B]をBマトリクスと呼びます。
また、マトリクス要素の節点座標で表すと、次のような式で示すことができます。
あとは、具体的な節点座標を代入すれば、実際の[B]を求めることができますね。
混同しやすい用語
AマトリクスとBマトリクス
Aマトリクスは節点変位ベクトル{d}と一般化変位{α}を結ぶ行列({d}=[A]{α})であり、節点座標を変位関数に代入することで得られる正方行列である。
Bマトリクスはひずみ{ε}と節点変位{d}を結ぶ行列({ε}=[B]{d})で、[B]はひずみ-変位関係式と[A]の逆行列の積として求められ、定ひずみ三角形要素では要素内で定数となる。
一般化変位{α}と節点変位{d}
一般化変位{α}=(α1,α2,…,α6)Tは変位関数の係数であり、物理的な変位そのものではなく計算上の補助変数である。
節点変位{d}は各節点の実際の変位値(u1,v1,u2,v2,u3,v3)Tであり、有限要素解析の未知変数として求める対象となる。
| 条件 | 値 |
|---|---|
| 要素の種類 | 定ひずみ三角形要素(CST) |
| 節点座標 | 節点1:(0,0)、節点2:(a,0)、節点3:(0,b) |
| 要素面積A | ab/2 |
形状関数 N1=1?x/a?y/b、N2=x/a、N3=y/b の場合、Bマトリクスは:
[B] = (1/(2A)) × [ ?b 0 b 0 0 0; 0 ?a 0 0 0 a; ?a ?b 0 b a 0 ]
各列は節点変位成分(ux1, uy1, ux2, uy2, ux3, uy3)に対応。{ε}=[B]{u} でひずみベクトルが求まる。
答え:Bマトリクスは形状関数の空間微分から構成される3×6(2次元CST)の定数行列
| 行列 | 式 | 役割 |
|---|---|---|
| Bマトリクス | {ε} = [B]{u} | 変位→ひずみの変換 |
| Dマトリクス | {σ} = [D]{ε} | ひずみ→応力の変換(材料構成式) |
| 剛性マトリクス[K] | [K] = ∫[B]?[D][B]dV | 力→変位の関係 |
Q. Bマトリクスの役割とは?
A. 節点変位{u}から要素内のひずみ{ε}を求める変換行列。{ε}=[B]{u} の関係で使われる有限要素法の基本行列。
Q. CSTのBマトリクスが定数行列になる理由は?
A. CSTの形状関数は1次多項式のため、空間微分(∂N/∂x等)は定数となる。そのため要素内でひずみが一定(定ひずみ)となる。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験の出題では有限要素法の詳細な数式よりも「BマトリクスはひずみとFEM節点変位を結ぶ行列」という役割と位置づけを問われることが多い。
定ひずみ三角形要素ではBが定数行列(要素内でひずみ一定)になる特性は、この要素の長所・短所を理解するうえでの鍵となるポイントである。