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ラーメン構造というのは建築物によく用いられる構造形式です。なぜかというと、建築とは「空間」をつくることに等しいからです。古くは外敵から身を守るために壁を造り、雨をしのぐために屋根をかけたと言われています。
現在の建築物も、それとほぼ同じ用途といっていいのです。そういった、「ある広さや空間」を造るためにラーメン構造というのは大変都合が良いのです。ブレース構造ですと、入口や窓が制限される可能性だってあります。アーチ構造だと、高いところや低い場所がまちまちで、どうも住みにくい。
さて、前置きが長くなりましたが、以上のようにラーメン構造の応力を理解することは建築構造を学ぶ上で必須です。皆さんはこれまで「梁」という部材の応力や反力を求めてきました。これからは、柱と梁の部材を計算する必要があります。
でも、大丈夫です。基本的な概念や計算根拠はほとんどかわりません。まずは、このページでラーメン構造の応力を感覚的に理解しておきましょう。
ラーメン構造とは、柱と梁を剛に接合して、長期荷重については梁で負担して柱へ伝達、地震時の荷重については、柱にせん断力が負担され、そのせん断力が柱頭と柱脚に曲げモーメントとして作用します。さらに柱の曲げと釣り合うために梁へと応力が伝達されるのです。ラーメン構造で、少し注意して頂きたいのが、柱と梁の接合部は「剛接合」と呼ばれる接合方法をとるのですが、これは完全固定端とは少し意味合いが違います。梁の端部応力は、あくまでも柱と梁の曲げ剛性の違いによって分担されます。
さて、下図のように分布荷重が作用した場合の応力はどのようになると思いますか?
このような応力状態になりますね。特徴としては、梁端部の応力と柱頭の応力は必ず「同じ=釣り合う」という結果になります。これは初めて言われるとピンとこなくて悩むものですが、頑張って考えているうちに理解できるようになります。要するに節点では応力は必ず釣り合います。梁からの応力を柱へ伝えるためには梁端部の応力と全く同じ応力が柱頭に伝わる必要があるのです。
これが、もし応力が釣り合わなかったとしたら、梁か柱のどちらかが回転してしまいます。
次に、「梁端部の応力は、柱と梁の曲げ剛性によって分担される」ことを説明したいと思います。まず、先ほどのラーメン構造を考えます。さて、梁端部の曲げモーメントと中央の曲げモーメントはラーメン構造ではどのくらいの比率で分担されているのでしょうか。
実は、これは柱の曲げ剛性(断面二次モーメントと柱の長さ)、梁の曲げ剛性に関係してきます。例えば、下図のように柱が極端に大きくて曲げ剛性の高い部材を用いたとします。すると、これは、両端固定の梁と同じとみなすことができます。
中々、イメージがつかみにくいと思いますが、例えば「柱は鉄骨、梁は糸」を想像してください。糸の中央に物をつるします。すると、糸自体は曲げ剛性が0であるために、曲げモーメントを全く負担せずに、たわみます。しかし、糸と鉄骨をしっかりと接合していれば、中央に作用させた荷重は全て梁の端部が負担するのです。
次に、例えば、梁が大きな曲げ剛性で柱にほとんど曲げ剛性が無い場合を想定します。すると、今度は梁の曲げ剛性がとても大きいために、曲げモーメントをほとんど梁が負担してしまいます。これは、両端ピンの状態と全く同じになります。
さて、以上のように両極端のラーメン構造を見てもらいました。実はこの2つを知っているだけでとても役立ちます。特に実務では構造計算をやる前に必ず構造設計者の「予測や仮定」があります。例えば、構造計算する前でもラーメン構造のスパンと高さ、部材の断面がわかりさえすれば、先ほどの理論で端部の応力がどの程度負担できるのか予測できます。
その予測の元、実際に計算を行いその仮定が正しかったことを検証できるのです。学生の皆さんでも計算間違いが無いか見直すことがあるかと思います。そういったときに、例えば梁の曲げ剛性の法が柱よりも大きいのに、なぜか端部の曲げモーメントが吊りあがって大きくなっている等、矛盾があれば、自分の計算ミスを疑うべきです。
そういう便利な使い方もできますので、皆さんしっかりと勉強しましょう!
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