この記事の要点
ゼロメンバーとはトラス構造の軸方向力が0の部材のことで、T字部またはL字部に着目して「節点まわりの鉛直・水平方向別のつり合いを確認する」だけで見つけられる。
ただし、T字・L字部でも節点に外力や反力が作用している場合はゼロメンバーにならないため、力の有無を必ず確認してから判断することが重要。
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トラス構造の軸方向力0の部材(ゼロメンバー)は下図に示すT字部あるいはL字部の赤色の部材です。
軸方向力0の部材(ゼロメンバー)の見つけ方は「T字部あるいはL字部に着目 ⇒ 節点まわりの鉛直、水平方向別の力のつり合いを確認する」だけです。
軸方向力0の部材を見つける場合、まずはトラス部材が「T字(3つのトラス部材によりT字を構成する部分)」
あるいは「L字(2つのトラス部材によりL字を構成する部分)」の部分に着目します。
さらに、T字、L字を構成する部材と節点に作用する外力または反力を取り出して描きます。
下図をみてください。節点に外力は作用していません。
節点周りの力のつり合いを考えるとき
・外力
・反力
・部材力
を鉛直方向、水平方向別に整理するだけです。上図のT字部材の場合、外力と反力はゼロなので「部材力同士がつり合う」必要があります。
ところが、鉛直方向の部材は1だけなので、力のつり合いがゼロになるためには、部材力もゼロになるしかありません。
つまり、鉛直方向または水平方向に部材が1つのみで、かつ、節点に鉛直または水平方向の力が作用してないとき、
当該部材は軸方向力0の部材(ゼロメンバー)となります。
次にL字部分を考えます。考え方は同じです。節点には鉛直方向の反力のみ作用しており、水平方向の力は作用していません。
さらに、水平方向の部材は1つのみで、水平方向の力のつり合いを考えると、水平部材の軸方向力は0にならないと力がつりあいません。
以上、トラス部材のT字部あるいはL字部を見つけて、力のつり合いを整理するだけで簡単にゼロメンバーが分かります。
ただし注意点としては、T字部、L字部だとしても節点に力が作用している場合は、ゼロメンバーにならないことです。
下図をみてください。節点に鉛直方向の外力が作用しているため、N1+P=0より「N1=-P」となります。
L字部分でも同様です。支点に水平反力が作用していれば、水平部材の部材力は水平反力と釣り合うため、ゼロメンバーでは無いです。
混同しやすい用語
ゼロメンバー(軸方向力0の部材)
トラス構造において軸方向力(軸力)がゼロになる部材のこと。T字部またはL字部で節点に外力・反力が作用していない場合に発生する。
ゼロメンバーは「無意味な部材」ではなく、荷重が変化したときや座屈防止のために配置されることがある。軸力がゼロであっても構造的役割を持つ場合がある点がポイント。
圧縮材・引張材(軸方向力が生じる部材)
軸方向に圧縮力または引張力が生じているトラス部材のこと。節点に外力・反力が作用し、力のつり合いから求めた軸力が正(引張)または負(圧縮)の値を持つ。
ゼロメンバーは軸力=0であるのに対し、圧縮材・引張材は軸力が0でない部材。T字・L字部でも節点に力が作用していればゼロメンバーにならず圧縮材・引張材として設計が必要。
ゼロメンバー(軸方向力0の部材)を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 見つけ方 | T字部またはL字部に着目し、節点周りの力のつり合いを確認する | 計算不要で視覚的に判断できる |
| 成立条件 | 当該方向の部材が1本のみで、節点に外力・反力が作用していない | T字・L字でも外力があれば非ゼロ |
| 役割 | 荷重変化時や座屈防止のために配置されることがある | 軸力ゼロでも構造的役割を持つ場合あり |
今回は、トラス構造の軸方向力0の部材(ゼロメンバー)の見つけ方について説明しました。
軸方向力0の部材(ゼロメンバー)の見つけ方は「T字部あるいはL字部に着目 ⇒ 節点まわりの鉛直、水平方向別の力のつり合いを確認する」だけです。
トラス構造の詳細、トラスの部材力の求め方は下記が参考になります。
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試験での問われ方|管理人の一言
一級建築士試験ではトラス問題でゼロメンバーを素早く見つけることで計算量を減らせるため、「T字・L字に着目して外力・反力の有無を確認する」手順を自動化できると時間短縮に直結する。
ゼロメンバーを最初に特定してから節点法・断面法に進むと解くべき未知数が減り、試験中に計算ミスを防ぎやすくなる。まず図を描いてT字・L字を探す癖をつけよう。