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トラス構造の利点とは?なぜ強い・軽い、有名建築と身近な例を解説

この記事の要点

トラス構造の最大の利点は「軽さと強さの両立」だ。

三角形の剛性を利用した構造で、各部材は原則として軸力(引張・圧縮)のみを負担し、曲げが生じない。

同じスパンの梁と比べると、同等の耐力を約1/3〜1/5の重量で実現できる。

なぜトラスは強いかというと、三角形は形が変化しない安定な図形だからだ。

長方形は平行四辺形に変形できるが、三角形は対角線がある限り形を変えられない。

この性質が高い剛性の源になっている。

体育館・工場・橋梁など長スパンが必要な構造に多用される理由がここにある。

大スパンの空間構造に適しており、一般的なスパンでは梁構造やラーメン構造の方がコストと施工面で有利である。

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トラス構造の利点は「軽量かつ耐力が大きいこと」等です。なぜトラス構造は軽量かというとトラス構造は部材を三角形になるように組み、


さらに、節点はピン接合とすることで、各部材には「概ね軸力のみ」生じます。軸力のみ生じる部材は変形が小さく、かつ、生じる応力度も小さいです。


つまり、トラス部材は荷重に対して部材断面を細くすることが可能で、トラス構造の軽量化につながります。


今回はトラス構造の利点、なぜ強い、有名建築、身近なものについて説明します。トラス構造の詳細は下記が参考になります。

トラス構造とは?強さの理由・メリット・デメリット・計算法を解説

トラス構造の利点は?

トラス構造の利点は「軽量かつ強いこと(外力に対して効率的な部材断面とできる)」等です。


下図をみてください。トラス構造は三角形になるよう部材を組み、部材の接合部はピン接合とすることで、トラス部材に「概ね軸力のみ」生じるよう設計されます。

トラス構造の利点

直感的に理解頂けるはずですが、部材を「曲げる」のと「単純に引っ張る(あるいは圧縮する)」のでは、どちらがより変形が大きいでしょうか?

曲げモーメントと軸力の違い

当然、部材を曲げる方が変形は大きくなります。つまり、部材を単純に引っ張る方が変形は小さいのです。


また、梁に集中荷重Pを加えて曲げる場合、梁を集中荷重Pで軸方向に引っ張った場合を比較します。


同じ荷重Pを加えても梁を曲げる場合は曲げモーメント、せん断力が生じる分、変形は大きく、応力度も大きくなります。


一方、軸力のみ生じる梁では、梁の断面積Aと荷重Pによる軸応力度σ=P/Aのみ生じます。これは


・同じ荷重が作用しても、軸力のみ作用する部材の方が、より効率的な部材断面とできる


ことを意味します。


つまり、おおむね軸力のみ生じるトラス部材は、曲げモーメントやせん断力が作用する部材と比べて「細く」できる、すなわち、トラス構造は軽量化できるのです。


また、梁の曲げモーメント、たわみの公式から明らかなように「曲げモーメントはスパンの二乗、たわみはスパンの四乗に比例」します。


このような大きな無柱空間や無柱区間を構成する場合、通常の梁構造では、曲げモーメントやたわみが大きくなり過ぎるため、トラス構造が採用されるのです。

無柱空間

逆に言えば、一般的なスパンではトラス構造を使う意味はないでしょう。トラス構造は部材を三角形に組む必要があるため、梁構造やラーメン構造と比べて


・費用が高い

・施工が難しくなる


などの欠点(デメリット)があります。大スパンになると梁構造やラーメン構造で対応できないからこそトラス構造にするわけで、


梁構造、ラーメン構造のような施工が簡単で安価な構造形式で設計可能であるならば、トラス構造は不要です。

トラス構造とは?強さの理由・メリット・デメリット・計算法を解説

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トラス構造はなぜ強い?

トラス構造はなぜ強いかというと、トラス部材にはおおむね軸力(圧縮力引張力)のみ生じるよう部材が三角形に組んであるからです。


軸力のみ生じる部材の変形は小さく、当然、トラス構造全体の変形も小さく済みます。

トラス構造が強い理由は?軸力のみで成り立つ仕組みと力の流れ

トラス構造の有名建築は?

トラス構造の有名建築物(個人的な感想)を下記に示します。


・エッフェル塔(フランス、パリ)

・東京スカイツリー

・東京タワー

・京都駅ビル


特にトラス構造の建築物を見学したいのなら京都駅ビルが個人的におすすめです。


というのも、京都駅ビルはトラス構造の宝庫であり、中央広場の大屋根、壁、それらを支える柱もトラス構造で、トラス部材が表しになっているので見学するには丁度良いです。


構造設計者は金箱温春氏(金箱構造設計事務所)、素晴らしいという他ありませんね。

トラス構造の身近なものは?

トラス構造の身近なものを下図に示します。

自転車のホイール

段ボール

テント

椅子

もちろん、街中を見渡せば橋や建築物にもトラス構造(部材を三角形に組んだ構造)が見つかります。


とくに体育館などの大空間を構成する場合、トラス構造は多用されます。

トラス構造の身近なものは?1分でわかる例、有名な建物、トラス橋とは?

混同しやすい用語

軸力(引張力・圧縮力)

部材の長さ方向に働く力で、トラス部材にはほぼ軸力のみが生じる。

曲げモーメントとは異なり変形が小さく、断面を効率的に小さくできる点が特徴である。

曲げモーメント

部材を湾曲させようとする力で、通常の梁やラーメン構造の部材に生じる。

軸力のみの場合に比べて変形が大きく、同じ荷重に対してより大きな断面が必要になる。

トラス構造の利点を整理した表を示します。

利点内容備考
軽量化軸力のみが生じるため部材断面を細くできる曲げモーメントが発生しない
大スパン対応通常の梁より長いスパンを架けることができる体育館・ドームに採用
高い耐力三角形の安定した形状が外力に効率的に抵抗するピン接合で軸力のみを伝達

まとめ

今回はトラス構造の利点について説明しました。トラス構造の利点は「軽量かつ強い(外力に対して、より効率的な部材断面とできる)」ことです。

トラス構造とは?強さの理由・メリット・デメリット・計算法を解説

節点法とは?トラスの軸力の求め方と計算手順

トラス構造が強い理由は?軸力のみで成り立つ仕組みと力の流れ

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理解度チェック

Q.

トラス構造の最大の利点は?

答えを見る

軽量かつ強い(外力に対して効率的な部材断面とできる)こと。三角形に組み節点をピン接合することで部材に概ね軸力のみが生じるため。

Q.

トラス構造が軽量化できる理由は?

答えを見る

軸力のみ生じる部材は変形・応力度が小さく、断面を細くできるため。同じ荷重でも部材を曲げる場合より引っ張る・圧縮する場合の方が変形が小さい。

Q.

トラス構造が大スパンに採用され、一般的なスパンでは使われない理由は?

答えを見る

梁の曲げモーメントはスパンの2乗、たわみは4乗に比例するため、大スパンでは通常の梁構造では曲げ・たわみが大きくなりすぎトラスを採用する。一般的なスパンでは費用が高く施工も難しいためトラスは不要。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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