この記事の要点
大型の鉄骨造建物で横補鋼材の検討を省略すると、圧縮材が座屈して設計が成立しない場合があります。
方杖を横補鋼材として設ける場合、その設計は通常の梁とは考え方が異なります。
この記事では、横補鋼材としての方杖の役割・設計手順と、どの規模から必要になるかの判断基準を解説します。
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鉄骨梁の断面が大きい場合、横補鋼をどうするか悩みます。大梁が横座屈したときの横補鋼力を伝えるだけの接合部を設けなければいけませんし(H-200でボルト6本とか)、それが嫌だったら小梁の断面を大きくする必要があります。
そんな、大梁と小梁の断面の差が大きい時に便利なのが方杖を設けることです。(下図参照)
方杖を設けることで横補鋼力を方杖が伝えることができますし、経済的な設計となるはずです。
では、この方杖の強度と剛性の設計はどうすれば良いでしょう?
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言うまでもありませんが、大梁が横座屈するときは梁の下端が捻れます。上は大方屋根がありますし、小梁で繋がっているからです。そのとき、横にはらみ出す力Fを次のように定めています。
F=0.02σy×A/2
σy:大梁の降伏強度、Aは断面積となります。この力Fが作用し上図の場合、方杖の角度分割り増しした力が作用します。
引張り、圧縮どちらの方向もパターンとしては考えられるわけですが、圧縮力が作用した場合は、座屈という不安定現象があるため、圧縮に対して検討しておけば、引っ張りは十分OKとなるでしょう。
さて、先程の強度を方杖に伝えるためには相応の剛性(硬さ)が無ければいけません。
例えて言えば、方杖が鉄の塊ではなくて、糸のようなものだとどうでしょうか。糸は強度があります。でも、やわらかいから圧縮力を伝えられませんよね。(オイラー座屈の式を思い出しましょう。)
さて、剛性の検討では、必要剛性を算定し、方杖の剛性を求め必要剛性を上回ればOKというものです。
必要剛性=5.0×C/Lb
という式から算定します。
方杖の剛性Kはというと・・・、単純な棒の引っ張りから求める変形量、ひずみ、応力の関係から剛性Kを誘導しました。次式を用います。
P=EAδ/L
K=EA/L
あとは比較してOKかNGかを判定します。足りなければサイズアップとなります。
大梁のサイズにもよりますが、アングル材とか100角のパイプで十分たります。納まり敵にアングルが好みです。
混同しやすい用語
横補剛材と方杖
横補剛材は大梁の横座屈を防ぐために設ける部材の総称です。方杖(ほうづえ)はその横補剛材の一種で、斜めに架け渡す形の補剛部材です。アングル材や角形鋼管が用いられます。
横座屈と座屈
座屈は圧縮力を受けた細長い部材が突然横方向に曲がる現象です。横座屈は梁のような曲げ部材が面外方向(横方向)に曲がる現象で、横補剛材によって防止します。
| 条件 | 値 |
|---|---|
| 梁圧縮フランジの横力 | N = 100 kN |
| 方杖の傾角θ | 45° |
| 水平分力(横力) | N×cos45° ≒ 70.7 kN |
| 方杖の軸力 | N/sinθ = 100/sin45° ≒ 141 kN(圧縮) |
方杖は梁の圧縮フランジの横座屈を防ぐ横補鋼材として機能する。圧縮フランジから斜め方向に設置することで横方向の変位を拘束し、有効座屈長さを短縮させる。
答え:方杖の軸力?141kN(圧縮)。傾角45°の場合、軸力は横力の√2倍となる。
| 種類 | 形式 | 拘束方向 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 方杖(ブレース) | 斜め材 | 横方向(斜め拘束) | 軸力で抵抗 |
| 横つなぎ材 | 水平材 | 横方向(直交拘束) | 曲げで抵抗する場合も |
| 小梁 | 直交梁 | 圧縮フランジを直接拘束 | 面外変位を防ぐ |
Q. 方杖を横補鋼材として設置する主な目的は何か?
A. 梁の圧縮フランジの横方向変位を拘束して横座屈を防ぐため。有効座屈長さを短縮して許容曲げ応力度を高めることができる。
Q. 方杖と横つなぎ材の違いは何か?
A. 方杖は斜め材として圧縮フランジを斜め方向に拘束する。横つなぎ材は水平材として直交方向に拘束する。どちらも横座屈防止が目的。
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