この記事の要点
有限要素法における要素剛性マトリクス[K]は、仮想仕事の原理(内部仮想仕事=外部仮想仕事)を適用することで[K]=∫[B]T[D][B]dVとして導出され、Bマトリクス(ひずみ-変位関係)とDマトリクス(応力-ひずみ関係)の積で表される。
定ひずみ三角形要素では[B]が定数マトリクスとなるため、積分が容易に実行でき、[K]=[B]T[D][B]×Δ(Δ=要素面積)として求められる。
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剛性マトリクスは有限要素法においてマトリクス法(変位法)と同様に求めることが重要です。
なぜなら、剛性マトリクスを求めることができれば、そこから変位を求め、歪と変位の関係から歪、さらに応力と歪の関係から応力を求めることが出来るからです。
まず、ここでは簡単のために図のような四角形の構造物を「定ひずみ三角形要素」でメッシュを2つ作成し、剛性マトリクスを求めてみましょう。
初めに、要素Aの剛性マトリクスを導出します。
等方性の線形弾性材料の構成則は、応力{σ}と歪{ε}とをマトリクス[D]を介して次式で表記できます。
{σ} = [D]{ε}
平面応力問題でのマトリクス[D]は、次の式で示すことが出来ます。
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次に、仮想仕事の原理によって剛性マトリクスを定式化してみましょう。
まず、内部仮想仕事は次のような式で表すことが出来ます。もし、この式をみてピンとこなかったら、定義として眺めていてください。
さて、同様に外部仮想仕事は
となります。仮想仕事の原理とは、「内部仮想仕事=外部仮想仕事」なので、
以上のことから、剛性マトリクスは次の式から求めることができますね。
また、Δは三角形の面積で表すことができるので、Δ=l2/2です。よって数式の整理を行うと次のように示すことができます。
以上のように、要素Aの剛性マトリクスを求めることができました。
混同しやすい用語
要素剛性マトリクスと全体剛性マトリクス
要素剛性マトリクス[K]eは各要素ごとに仮想仕事の原理から導く行列で、その要素の変位と力の関係を表す局所的な行列である。
全体剛性マトリクス[K]は全要素の剛性マトリクスを重ね合わせ(アセンブル)て構築する大域的な行列であり、支持条件・外力を適用して解くことで全節点の変位が求まる。
内部仮想仕事と外部仮想仕事(仮想仕事の原理)
内部仮想仕事は仮想変位に対して要素内の応力が行う仕事で∫{δε}T{σ}dVで表され、これをBマトリクスと変位で書き換えると剛性マトリクスが現れる。
外部仮想仕事は節点力が仮想変位に行う仕事{δd}T{f}であり、仮想仕事の原理「内部仮想仕事=外部仮想仕事」から剛性方程式[K]{d}={f}が導かれる。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では剛性マトリクスの具体的な計算よりも「仮想仕事の原理から剛性マトリクスが導かれる」「全体剛性マトリクスは各要素剛性の重ね合わせ」という概念が問われることが多い。
[K]=[B]T[D][B]×Δという式構造において、BとDがそれぞれ何を表すかを確実に理解しておくことで、FEMに関する記述式・選択式問題の両方に対応できる。