この記事の要点
商法則とは、未知の量にテンソルを乗じた結果が別のテンソルとなることが確認できれば、その未知の量もテンソルであることを証明できる定理だ。
また縮約(n階テンソルの2つの指標を等しくして和をとると(n-2)階テンソルになる性質)は弾性力学の方程式整理において頻繁に使われる操作であり、合わせて理解しておく必要がある。
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未知の量にテンソルを乗じた結果がテンソルであることがわかっているとき、その量はテンソルであることがわかります。
これを商法則といい、この方法によって容易にこれを知ることができます。例として、i,j,kを有する33個の関数A(i,j,k)を考えましょう。
いま、viがベクトル(1階のテンソル)であって、A(i,j,k)との積(iについて総和をとる)がTjkのような2階のテンソルであることがわかっているとします。
Tjkがテンソルなら、
となる。一方、v'iはベクトルであるから
であるから
これが任意のviについて成り立つためには
となります。
n階のテンソルの任意の指標の2つを等しくおいて和をとることを縮約といい、
(n-2)階のテンソルが得られることがわかります。よって、2階のテンソルは縮約によって0階のテンソル(スカラー)が得られます。
いまn階のテンソルは
なる変換法則に従うが、ここで指標qをpに等しくおいて和をとると
ここで、明らかであるように
であるから、式は
となります。
n階のテンソルのm階偏導関数は(n+m)階のテンソルとなることを示せ。ただし、n>=m>=1とする。
となる。
よって、1階だけ高階のテンソルが得られた。この操作をm回繰り返すことによって、m階偏導関数がm階だけ高階のテンソルとなることがわかる。
混同しやすい用語
商法則 vs 直接証明
テンソルの商法則は「XがテンソルでX×Y=Zとなり、ZがテンソルであることがわかればYもテンソル」という間接証明法。直接証明では座標変換の変換則を一から確認する必要があり、商法則の方が簡便に証明できる。
縮約(contraction)vs 積
縮約はn階テンソルの任意の2つの指標を同じ文字にして総和をとる操作。結果的に(n-2)階のテンソルが得られる。単なる指標の積とは異なり、等しい2つの指標を擬標として総和をとることで次数を下げる操作。
偏導関数のテンソル階数
n階テンソルをm階偏導関数(∂?/∂x?∂x?...)で微分するとm階だけ高階のテンソル(n+m階)が得られる。例えばベクトル(1階)の1階偏微分は2階テンソルになる。
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