この記事の要点
弾性力学の教科書を開いた瞬間に出てくる「δij」という記号で、最初は戸惑う人が多い。
構造力学の応力とは本質的に同じ概念だが、テンソルで扱うため表記がガラッと変わる。
この記事ではクロネッカーのデルタの定義・性質・演習問題への応用を解説する。
弾性力学の応力テンソル計算に必要な基礎として整理する。
演習問題を通じてδijδij=3、δijAij=Aii(トレース)などの縮約公式を習得しておくと、弾性力学やFEMの式展開でスムーズに計算を進めることができる。
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前のページの続きで演習問題を解いてみましょう。
ここから、添字が多くなってややこしくなりますが、計算のやり方は変わっていません。次の問題も交代記号の添え字が擬標ですので、入れ替えて計算をします。
被っている添字について、具体的に数字を与えて計算してみましょう。
被っている添え字について、考えてみましょう。
具体的に数字を代入して計算してみましょう。
以下の問題は少し、ややこしいですが、添え字が擬標ですので、自由において計算を行います。
よって、j=k,s=tの場合は0となることがわかります。よって、
ですね。
以上のように、クロネッカーのδを学びそれに関連する演習問題を解きました。これができれば弾性力学を学習する上での基礎はできましたね。
混同しやすい用語
クロネッカーのδ vs レビ-チビタ記号(εijk)
クロネッカーのδijはi=jで1、i≠jで0となる単位テンソルで、縮約(添字の置き換え)や等方テンソルの表現に使われる。
レビ-チビタ記号εijkに対してδijは成分の入れ替えで符号変化はなく、外積やベクトルの回転表現に用いる点が異なる。
縮約(縮合)vs テンソル積
縮約とは同じ添字を持つ成分を総和することで次数が下がる操作(例:δijAij=Aii)であり、スカラー量を得るときに使う。
テンソル積に対して縮約は添字が対になっており、総和規約により自動的に加算されるのが特徴である。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験でクロネッカーのδが直接問われることは少ないが、弾性力学・有限要素法の理論的背景として添字表記の縮約規則を理解しておくことが上位試験対策になる。
演習問題で出てくる縮約の計算パターン(δijδij=3など)を繰り返し練習することで、弾性力学の式変形に必要なテンソル計算の感覚が身につく。