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橋は土木構造物の代表的な存在です。橋を「橋梁」ともいいます。橋は、車や人など交通のためにあります。そのため普段は意識しませんが、実は12種類以上の構造があります。今回は、そんな橋の構造を全12種類について名称、特徴、強度、構造計算の方法を説明します。
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橋には、様々な構造があります。有名な橋では明石海峡大橋、レインボーブリッジでしょうか。実は、橋の構造には種類があり、橋の長さや条件によって種類(構造形式)が違います。ここでは代表的な6種類と、構造材料により分類した6種類、全12種類を説明します。
プレートガーター橋は、桁(けた)をかけ、その上に床版を貼ることで通行可能にした橋です。下図をみてください。桁は、建築用語でいう「梁」と同じ役割をもつ部材です。
プレートガーター橋の特徴は、施工や設計が簡単であることです。最も一般的な橋の構造です。但し、橋のたわみや強度の問題から、スパン(橋脚から橋脚までの距離)を長くできません。遠くまで橋を架ける場合は、橋脚が沢山必要です。
プレートガーター橋は、梁として計算すればOKです。主要な部材は桁だけなので、その応力とたわみを計算すれば断面が決定されます。簡単ですね。梁の計算は下記の記事が参考になります。
ラーメン橋は、桁の途中で斜め柱を設け、桁と斜め柱を剛接合することより強度を高めた構造です。下図がラーメン橋の一例です。※ラーメン橋、剛接合は下記も参考になります。
また、不完全トラス(フィーレンディテール構造)も、ラーメン橋の1つです。上現在と下現在を束材で繋いで強度を高めています。
斜め柱の支えがある分、桁橋に比べて長いスパンを飛ばすことが可能です。斜め柱が橋脚の代わりをしている、と考えてください。
ラーメン橋は剛接合した箇所があるため、その部分には曲げモーメントが作用します。ラーメン構造、梁構造の計算を参考にすれば、難しくない構造です。詳細は下記もご覧ください。
ラーメン構造とは?1分でわかる意味、特徴、由来、メリットとデメリット
トラス橋は、部材を三角形になるよう接合した骨組みで造る橋です。下図は、ワーレントラス橋です。
他にも、下図のように様々な形状のトラスがあります。トラス橋は、力を合理的に伝達可能のため、桁橋やラーメン橋に比べてはるかに長いスパンを飛ばすことが可能です。比較的全長の大きな橋をトラス橋にしたり、列車が通る橋をトラスにしたケースは多いです。
ワーレントラスの場合、上弦材は圧縮力、下弦材は引張力が作用します。斜め材は、トラスの形状により引張・圧縮力の方向が変わります。束材は引張力が作用します。いずれにしても、トラス部材には「軸力」のみ作用します。
部材はせん断力や曲げモーメントが作用すると弱いのですが、軸力には強いです。よって、トラス橋は桁橋に比べてとても強い橋です。また、トラス構造にするためには、部材同士をピン接合にします。※ピン接合については、下記の記事が参考になります。
トラス橋の構造計算は、下記が参考になります。
アーチ橋は、アーチ形状の骨組みを架けてつくる橋です。アーチにすることで、桁より強くなります。桁橋は主に曲げモーメントが作用しますが、アーチ橋は 曲げモーメントが減って軸力が作用します。その分、合理的に力を伝達できます。
また、アーチ橋は観賞用としても優れています。欧州では石造りの橋が多いですが、ほとんどがアーチ橋です。
日本では、山口県の錦帯橋や長崎県にあるメガネ橋などが有名です。アーチ構造は、支点に作用するスラストの処理がポイントです。プラスチックのものさしを曲げてください。元に戻ろうとする力が働きます。この力がスラストです。
スラストの処理は、タイバーや補鋼桁によって行います。下図はタイバーを設けたアーチ橋です。
また、下図のように路面より下側にアーチ骨組みを設ける構造もあります。ランガー橋、ローゼ橋、ニール橋といいます。ちなみに、橋の名前は、考案したかたの名前が採用されることが多いです。
大規模な橋になると斜張橋の構造が採用されます。斜張橋は、路面を受ける桁をケーブルによって吊る橋です。上からケーブルで釣るために、タワー(塔)があります。
ケーブルには引張力のみ作用します。ケーブルは鋼材ですが引張力だけなら、沢山の力を伝えることが可能です。斜張橋は、ケーブルの本数や、張り方など様々な形状が存在します。大スパンの橋として、多々羅大橋(890m)があります。
斜張橋のポイントは、ケーブルの設計です。ケーブルがほとんどの力を負担するからです。
吊橋は、空中に張り渡したケーブルから吊材を介して桁を吊った構造です。下図が吊橋です。
国内最大の橋として、明石海峡大橋がありますが、最大スパンは1991mです。吊橋は、タワーから張り渡したケーブルが全ての力を負担します。ケーブルには引張力のみ作用し、吊材も同様です。
桁は吊材により、吊られるので問題となる応力は作用しません。合理的な構造形式で、日本のみならず世界中で採用されます。
実際に用いる橋の構造は、前述した6種類を複合することもあります。
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橋の種類は前述した構造形式だけでなく、「構造材料」によっても分類可能です。ここでは主要な6種類について説明します。※構造材料については下記の記事が参考になります。
日本では、よく木がとれました。建築物も木造がほとんどで、現在も住宅は9割以上が木造です。橋も同様でした。
橋は、川や海の上をかけ渡す役割があります。また、常に外部に露出されます。その性質上、腐食しやすいため、昔の木橋はメンテナンスが必須でした。
現在では、メンテンナンスフリーの材料が好まれること、鋼材やRCなどの近代材料に比べて、木材の性能が劣るため利用されません。それでも、古くから残る木橋は現在でも修復を続け残っています。
鋼橋は、部材に鋼材を用いた橋です。皆さんが普段目にする橋は、主に鋼橋です。それほど広く普及しています。
鋼橋の特徴は、軽量・高強度である点です。橋は、長い距離にわたってかける必要があります。RCは自重が大きいため橋には不向きな材料のため、鋼橋が普及するのです。鋼構造については下記のリンクにまとめてあります。
鉄筋コンクリートは、前述した理由より橋に不向きな材料ですが振動の少ないメリットがあります。また耐食性に優れるため、厳しい環境下ではRCが利用されます(鋼はさびやすい)。
鉄筋コンクリートよりも自重が減り強度を高めたPC橋は、多くの橋に利用されます。※鉄筋コンクリートについては、下記のリンクにまとめました。
PCは引張側にプレストレスを導入した構造です。PC桁を用いた橋を、PC橋といいます。※PCについては、下記の記事が参考になります。
PCは引張力が作用しない分(減る)、力を合理的に伝達できます。
橋は、腐食しやすい環境で利用されます。鋼や木は耐食性に劣るため、定期的なメンテナンスが必要です。一方、アルミは耐食性に優れており、軽量・高強度のため、鋼に代わる材料として期待されています。※アルミについては、下記の記事が参考になります。
FRPは繊維強化プラスチックの英語略です。文字通り、繊維で強化されたプラスチックですが、鋼、アルミよりも軽量・高強度です。さらに、一切腐食する心配が無いので、橋への利用が期待されます。メンテナンスフリーである点も、今後の活用に期待が高まる理由です。
日本では実験的に数件、欧米では実際にFRP橋が建設されています。
橋の構造と強度ですが、考え方は簡単に言うと下記です。
・曲げモーメントが作用する橋⇒弱い
・軸力(圧縮・引張力両方)が作用する橋⇒強い
・軸力(引張力のみ)作用する橋⇒とても強い
とてもざっくりした考えですが、概ねこんなところです。主に曲げモーメントが作用する桁橋は、大スパンに利用できません。一方、トラス橋は軸力のみ作用するので大スパンでも利用可能。
吊橋や斜張橋も軸力のみ作用しますが、引張力のみ作用するので、さらに効率的に力を伝達できます。
橋の構造計算を行うには、下記の計算方法を覚えてください。
・梁の計算
・ラーメン構造の計算
・トラス構造の計算
・アーチ構造の計算
・ケーブル構造の計算
各構造の計算方法は、下記が参考になります。
ラーメン構造とは?1分でわかる意味、特徴、由来、メリットとデメリット
今回は、橋の構造について説明しました。橋には、様々な構造形式があることを覚えてください。また、本HPではそれらの構造形式の、計算方法まで細かく説明しています。是非、参考にしてくださいね。
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