この記事の要点
力のモーメントの正負は回転方向によって定義され、公式M=F×dにおけるdは力の作用線から着目点までの垂直距離である。
複数の力が作用する場合はそれぞれのモーメントの正負を揃えて代数和をとり、∑M=0でつり合い条件を確認します。
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力のモーメントの正負は「力のモーメントの回転方向」で定義します。
構造力学や材料力学では一般的に「時計回りに作用するモーメントを正の値」、「反時計回りを負の値」で考えます。
また、回転中心(原点)の位置に応じて回転方向は変わるので注意しましょう。
今回は、力のモーメントの正負の意味、公式、力のモーメントの和に関する例題について説明します。
力のモーメント、回転方向の詳細は下記が参考になります。
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力のモーメントの正負は「力のモーメントの回転方向」で定義します。一般的に、構造力学、材料力学では力のモーメントの正負を下記のように定義します。
・時計回りに作用するモーメント ⇒ 正の値
・反時計回りに作用するモーメント ⇒ 負の値
下図に力のモーメントと正負の違いを示しました。
ただし、上図の定義が逆になったとしても計算には影響しません。当然ですが「一方の回転方向を正」にしたら、逆の回転方向は負の値に定義しましょう。
なお、力のモーメントの公式は、
・力×力の作用点から回転中心(原点)までの距離
です。下図の棒に作用する力がP、距離がLのとき、力のモーメントは「-PL」です。「-」の符号をつけたのは、回転方向が反時計回りだからです。
なお、回転中心(原点)の位置が変われば、力のモーメントの正負も変わるので注意しましょう。
A点における力のモーメントは「PL」ですが、B点の力のモーメントは「-PL」です。力のモーメントの詳細は下記が参考になります。
力のモーメントの腕の長さとは?どこか・求め方・作用点との違い
下図の棒に3つの力が作用しています。A点における力のモーメントの和を求めましょう。
考え方は簡単です。各力によるA点周りのモーメントを求めて合計すれば良いです。力のモーメント=力×力の作用点から原点までの距離なので、
・3kN×3m+2kN×2m-13kN×1m=9+4-13=13-13=0 kNm
になります。A点における力のモーメントは0です。つまり「A点を支点にすれば(A点で支えれば)」、部材は回転しないことを意味します。
混同しやすい用語
「正のモーメント(反時計回り)」と「負のモーメント(時計回り)」
正のモーメントは反時計回りの回転効果(一般的な定義)。
梁では下端に引張応力が生じる曲げを正とする場合もある。
「モーメントの和」と「モーメントのつり合い」
モーメントの和(ΣM)は各力のモーメントを足したもの。
ΣM=0(モーメントのつり合い)が成立するとき、物体は回転しない。
力のモーメントの正負を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 時計回り(正) | 一般的に正の値と定義 | 教科書・基準による |
| 反時計回り(負) | 一般的に負の値と定義 | 問題内で統一が重要 |
| モーメントの和(ΣM=0) | つり合い条件。未知反力の算出に使用 | 構造力学の基本 |
今回は、力のモーメントの正負について説明しました。力のモーメントの正負は「時計回りが正の値」で「反時計回りが負の値」と定義します。力のモーメントの意味、考え方、単位など下記も勉強しましょうね。
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力のモーメントの正負の定義と公式を答えてください。
回転方向で定義し、構造力学・材料力学では一般に時計回りを正・反時計回りを負とします。公式は M=F×d で、dは力の作用線から着目点までの垂直距離(腕の長さ)です。
回転中心(原点)の位置によって力のモーメントの正負が変わるのはなぜですか。
回転中心に対する力の回転方向が変わるためです。例えば同じ力Pでも、A点におけるモーメントがPLなら、反対側のB点では-PLになります。複数の力がある場合は正負を揃えて代数和をとります。
棒に3つの力(3kN×3m+2kN×2m-13kN×1m)が作用するときのA点まわりのモーメントの和と意味を答えてください。
3×3+2×2-13×1=9+4-13=0kN・m です。A点における力のモーメントの和が0、つまりA点を支点にすれば部材は回転しないことを意味します(ΣM=0のつり合い)。
