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力とは、物体に変形(形が変わること)や運動(移動や回転)を起こす作用です。力は目に見えないため、物体に生じる何らかの変化に着目するしかありません。
一方で、構造力学のような静力学の範疇では「静止する物体」に関する力学を扱うため、物体の運動に着目しても「力が作用しているのか判断できない」のです。
今回は、力とは何か、力の意味、物体の移動、回転、変形との関係について説明します。目に見えない力は、力の三要素に基づいて表示します。
力とは、物体に変形(形が変わること)や運動(移動や回転)を起こす作用です。
例えば、机の上に静止する本を手で動かします。このとき本を移動させる作用が力です。
私たちは日常生活の中で、運動する物体(例:自動車)を頻繁に目にします。そして、運動する物体を観察し、動く方向に力が作用していると直感的に知っています。
私たちは力を目で見ることはできませんが、物の運動を観察することで力の存在を確認できるのです。
一方で、運動していない物体にも力は常に作用しています。下図は机に書籍を積んだ状態です。
机と書籍は静止したままで運動は起きていません。しかし、書籍の重さにより机の天板は僅かに「変形」します。
天板の変形は、書籍の質量に伴う力が作用するからです。ところが、ごく僅かな変形は視認できず、力は目で見えないので、ほとんどの人が力の存在を感じ取ることはできないでしょう。
この「力は目に見えない」という事実が、力学を難しく(あるいは面白く)しているのだと考えます。仮に「力が目で見える」のなら力学はそれほど苦労しない学問だったかもしれません。
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古くから、学者や技術者も見えない力の存在に悩んできたことが容易に想像できます。
古代ギリシャ時代、学者のアリストテレス(B.C.384-322)は、物・人の運動に着目し「運動と運動を引き起こす力の関係」を論じました。
アリストテレスによれば、物の運動は
・強制運動 ⇒ 外部から力が作用して生じる運動(例:物を押す・引くと物が動く)
・自然運動 ⇒ 自然に生じる運動(例:果物が枝から落ちる、手を放すと石が落ちる等の自然に起きる落下運動)
に分類されます。
例えば、机の上にある本を手で押す(あるいは引く)と本は机の上を動きます。ところが、手で押すのを止めると「本は静止」します。
これが強制運動です。アリストテレスはこのような運動を観察し「物が動くのは力が加わっているからで、力が加わり続ける限り、物も動き続ける」と考えました。
そして「なぜ石を持つ手を離すと、自然に落下するのか」という自然運動に関する疑問については、「目的因」という考え方で説明しました。
目的因は「何のためになされるかを示す目的が、その事物の存在やその行為を理由づける」という考え方です。石が落下する理由は「落下する目的があるからだ」というのです。
アリストテレスは、石が自然に落下する目的は「石にとって自然な場所が地球の中心にあり、そこに帰ろうとするからだ」と説明しました。
もちろん前述した「強制運動、自然運動」は、物理学の常識から言えば誤りです。ところがその誤った解釈のまま約1900年が経過し、
アイザック・ニュートン(1643-1727)が「万有引力の法則、慣性の法則」等を説明するまで、正しい解釈は認められていませんでした。
1900年間、多くの学者が「力と運動」の関係を解明できなかった理由の1つとして、「力」は目で見えないからだと想像できます。
建築物を構成する部材(例えば柱、梁等)には様々な外力(外部から作用する力)が作用します。さらに、外力に抵抗するために部材に応力(部材内部に生じる力)が生じます。
この目で見えないはずの力(応力)の移動経路を解き明かす学問が構造力学と言っても過言ではありません。
今回は、力とは何か説明しました。力とは、物体に変形や運動を引き起こす作用です。
構造力学では静止する物体に関する力学を扱います。また、力は目に見えないので「矢印」で表記します。
力の表示方法、力のつりあい条件など下記も勉強しましょう。
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