建築学生が学ぶ構造力学

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力の平行四辺形とは?書き方・合力と分解の計算(力の3要素と合成の基礎)

この記事の要点

2つの力が同時に働くとき、その合力を求めるには平行四辺形を描く

この「力の平行四辺形」は構造力学の出発点になる考え方だ。

書き方と、合力・分力の計算を具体例で確認する。

3つ以上の力の合成は「2つずつ順番に平行四辺形をつくる」方法で求め、足し算の順序を変えても結果は同じになる。

この記事では、力の平行四辺形とは何か、合力はどう求めるのか、力の分解はどう計算するのかを整理します。

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力の平行四辺形とは、二つの力を合成したとき、その二つの力を辺とする平行四辺形です。力の平行四辺形の対角線は二つの力の合力(の大きさと向き)となります。


これを力の平行四辺形の法則といいます。要するに、2つの力の合力を求めたいとき、2つの力を辺にした平行四辺形をかけば簡単に合力が分かる、ということです。

力の平行四辺形

合力は、力の平行四辺形の法則を使うと視覚的に解けて簡単です。今回は

について解説します。合力、分力の計算、力の3要素の意味は、下記が参考になります。

合力とは?読み方・求め方と角度計算・分力との関係(図解)

力の分解とは|計算方法・ピタゴラスの定理による求め方と合力との関係

力の3要素とは?大きさ・方向・作用点の意味と構造力学での役割

力の平行四辺形とは?

力の平行四辺形とは、二つの力を合成したとき、その二つの力を辺とする平行四辺形です。力の平行四辺形の対角線は二つの力の合力(の大きさと向き)となります。

力の平行四辺形

単純に力の大きさを足しても合力にならないのは、力は"大きさと方向"をもつためです。つまり、力を描くとき「力の3要素」を考慮して描きます。

力の表し方と力の3要素

力は下図のように表します。

力の表し方と力の3要素

このとき、下記を力の3要素といいます。

力は大きさと方向を持つベクトルです。よって、力は矢印で表します。矢印の長さが力の大きさ、矢印の向きが力の方向を表します。以上より、矢印をみれば直感的に力の大きさと方向がわかるので便利です。

力の3要素とは?大きさ・方向・作用点の意味と構造力学での役割

合力とは?読み方・求め方と角度計算・分力との関係(図解)

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2つの力の釣り合い(平行四辺形がつくれない場合)

力が完全につりあうとき、その合力はゼロ(見かけ上、力は働いていない)となるため、平行四辺形はつくれません。なお、力がつりあうときは


です。

2つの力の釣り合い

力の平行四辺形の書き方

力の平行四辺形は、2つの力が「平行四辺形」になるよう描けばよいです。下図を見てください。2つの力があります。


力Aの矢印を力Bの矢印まで、平行移動します。

力の平行四辺形

次に力Bの矢印を、力Aの矢印まで平行移動させます。これで力の平行四辺形が完成しました。

力の平行四辺形が完成

上記の通り、二つの力が辺となるような平行四辺形をつくれよいですね。

三つ以上の力の合成(三つ以上の力の平行四辺形を欠く場合)

三つ以上の力について、力の平行四辺形を書く場合、順番に、二つずつを合成して平行四辺形をつくります。

三つ以上の力の合成

上記の例では、まずbとcの合力を求めたあと、b+cとaの合力を求めています。なお、足し算の順序は入れ替えても結果は同じです。

力の平行四辺形と合力、分解と分力の計算方法

力の平行四辺形を描けば、合力を計算できます。下図をみてください。P1、P2の力を使って力の平行四辺形を描きました。


このとき、合力は下式で計算します。

力の合力

合力の角度は、下式で求めます。合力(平行四辺形の対角線)と三角形の底辺の関係から計算します。

角度

角度2

合力の求め方、力の合成は下記も参考になります。

合力とは?読み方・求め方と角度計算・分力との関係(図解)

力の合成とは?計算方法・合力と平行四辺形の関係(ベクトルの合成の基礎)


逆に力の平行四辺形を用いて合力を分解し、分力を算定することも可能です。下図をみてください。今回はP3が既知です。


難しく考える必要なく、P3が対角線となる平行四辺形を求めれば良いです。

P3が既知であることを利用して、P1とP2の関係式を造ります。三角関数を思い出してくださいね。分力は下式で計算できます。

力の分解と分力の求め方は、下記も参考になります。

力の分解とは|計算方法・ピタゴラスの定理による求め方と合力との関係

混同しやすい用語

力の平行四辺形の法則

力の平行四辺形の法則とは、2つの力を辺とする平行四辺形を描いたとき、その対角線が合力の大きさと方向を表すという法則で、合力を視覚的に求めることができる。

力の多角形の法則は、3つ以上の力を矢印として頭尾をつなげて描いたとき、最初の起点から最後の矢印の終点に向かうベクトルが合力となる方法で、2つ以上の力に対応できる点が異なる。

力の多角形の法則

力の多角形の法則とは、3つ以上の力を順番に矢印でつないで描いたとき、始点から終点へのベクトルが合力となる方法で、複数の力の合成に用いる。

力の平行四辺形は2つの力に適用する法則であり、力の多角形は3つ以上の力を扱う際に使われる点で、適用できる力の数が異なる。

試験での問われ方|管理人の一言

建築士試験では「2つの力の合力を平行四辺形で求める」「つり合う2力は同一直線上で大きさが等しく向きが逆」などの基本問題が出題される。

力の合成・分解・つり合い条件はすべてが連動した基礎知識なので、平行四辺形を手で描く練習をしておくと計算問題への応用力が高まる。

力の平行四辺形を整理した表を示します。

項目内容備考
平行四辺形の法則2つの力を辺とする平行四辺形の対角線が合力力の合成の基本手法
合力の大きさ(直交の場合)R=√(P12+P22)なす角が90°のときピタゴラスの定理を使う
つり合う2力の条件同一直線上・大きさが等しく・向きが逆合力が0になる状態

まとめ

今回は力の平行四辺形について説明しました。力の平行四辺形とは、二つの力を合成したとき、その二つの力を辺とする平行四辺形です。力の平行四辺形の対角線は二つの力の合力(の大きさと向き)となります。


まずは力の3要素の意味を理解しましょう。力の合成、合力の求め方を覚えたら、分力と分解の計算も理解してください。

平行四辺形の法則とは?計算・証明・角度との関係を解説

合力とは?読み方・求め方と角度計算・分力との関係(図解)

力の分解とは|計算方法・ピタゴラスの定理による求め方と合力との関係

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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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