この記事の要点
砂層と粘土層の大きな違いは液状化リスクにある。砂層は地震時に液状化が発生しやすく、粘土層は液状化しないが圧密沈下が問題になる場合がある。
「砂層=安全・粘土層=危険」という単純な分類は誤りで、地震力のレベルや細粒分含有率など複数の要因を総合して地盤の安全性を評価する必要がある。
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地盤調査をした結果、粘土層がでてきたから不安!なんて声を耳にします。いつから、そんな常識が世間に広まったのでしょうか。粘土が弱くて、砂は強い?本当でしょうか。全くの逆とまでは言い切れないですが、粘土層はけっして弱くありません。今回は、砂層と粘土層について説明します。
地盤調査の意味、砂層と粘土層の関係は下記が参考になります。
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砂と粘土の違いは、どのように決まるのでしょうか。一般の方は、ドロドロ、べたべたした土が粘土で、サラサラした土が砂だと思っているかもしれません。
砂と粘土を区別する方法は、「粒径」です。粒径が0.075mm未満であれば、粘土系の土質。0.075mmより大きければ砂系の土質です。
0.075mmと言われてもイメージが湧かないと思いますが、こういった決まりです。
勘違いしてほしくないことは、粘土はドロドロで砂はサラサラで強そう、ではないことです。確かに、弱い粘土はドロドロですが、強い粘土層もあります。強い粘土層は固く締まっています。
砂質土、粘性土の詳細は下記が参考になります。
砂質土とは?1分でわかる意味、読み方、特徴、内部摩擦角、n値との関係
粘性土とは?1分でわかる意味、読み方、特徴、液状化、内部摩擦角
先に述べたイメージから、粘土層はドロドロで液状化を起こしやすい、と思っている方も多いようです。
これは全くの逆。粘土は液状化を起こしやすいどころか、液状化の心配がありません。逆に砂層は液状化を起こす可能性があるのです。
その理由を少しだけ説明します。液状化の原因は水です。土粒子の間には間隙水といって、粒子の間隙に水が入っています。この間隙水が地震力によって圧力が高まり噴出する現象が液状化です。
さて、粘土の土粒子を拡大すると、粒子同士は手をつなぐように強く結びついています。結びつく力を「粘着力」と言います。地震が発生しても粘土には粘着力があり、粒子は安定状態を保つのです。
子供の頃、粘土遊びをしませんでしたか? 粘土を両手で持って引っ張ると、「ねばー」と伸びますよね。これは粒子同士の結びつく力があるからです。
一方、砂は粒子ごとに手をつなぎ結びついている、わけではありません。砂層は粒子同士の摩擦力などで強さを発揮しています。
先ほど述べたように粒子同士には間隙があり、間隙は水で満たされています。通常時は安定している間隙水も、地震の圧力で水圧が上昇、安定状態の粒子が散り散りになります。この一連が液状化現象なのです。液状化現象の詳細は下記が参考になります。
混同しやすい用語
砂層(さそう)と液状化
砂層は地震時に間隙水圧が上昇して液状化が起こりやすい。ただし、細粒分含有率が高い砂や密な砂では液状化しにくい場合もある。一概に「砂層=危険」ではなく、条件次第。
粘土層(ねんどそう)と圧密沈下
粘土層は液状化しないが、長期的に圧密沈下が生じるリスクがある。間隙の多い軟弱粘土では建物荷重により時間をかけて沈下が進む。液状化とは異なるメカニズムの地盤リスク。
今回は、砂層と粘土層の違いを説明しました。とくに液状化について、誤解されていた方は認識を見直して欲しいと思います。
・粘土層⇒液状化しない
・砂層⇒液状化の発生が懸念される
地震力のレベルや細粒分含有率といって粒度のバラつきによって、液状化発生確率も変化することも覚えておいてくださいね。下記も参考にしてください。
細粒分含有率とは?1分でわかる意味、含水比、シルト、液状化との関係
砂質土とは?1分でわかる意味、読み方、特徴、内部摩擦角、n値との関係
粘性土とは?1分でわかる意味、読み方、特徴、液状化、内部摩擦角
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では液状化に関する出題が頻出です。「液状化は砂層で発生し、粘土層では発生しない」という正誤問題が典型的です。また、液状化の発生条件として「緩い砂地盤・地下水位が高い・地震力が大きい」という3条件も整理しておきましょう。細粒分含有率(FC)が高いと液状化しにくいという点も押さえておくと正答率が上がります。