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断面一次モーメントは「重心位置を求めるために必要」と明記してあるネット記事が多いですが、これは誤った認識です。断面一次モーメントSにより算定できるのは「図心の位置」です。一般に、断面での密度分布が均一な均質材料を用いるために、結果的として図心=重心であることが多いだけで、断面一次モーメントから重心位置が算定できると思い込んでしまえば、決定的なミスをする可能性もあります。
そもそも、図心と重心は下記のように全く意味が違いす。また、構造的にどちらが重要かといえば、当然「重心」です。重心は自重の作用位置であるからです。では図心と重心の違いについて具体例を示して考えます。
下図をみてください。H形断面の上フランジの材質がウェブと下フランジの材質と異なる場合を想定します。H形断面の図心は断面の真ん中にあるのですが、上フランジの材質が異なれば重心(重さの中心)は、真ん中では無くなり図心の上下に位置します。
自重に伴う地震力は重心位置に作用するので、図心=重心と理解しては作用するモーメントの影響を誤って認識するでしょう。図心と重心の違いは下記をご覧ください。
図心と重心の違いは?1分でわかる意味、読み方、図心と断面二次モーメントとの関係
断面の図心位置は下式により算定します。Syはy軸における断面一次モーメント、Sxはx軸における断面一次モーメント、Aは断面積です。
重心位置の算定方法を下式に示します。重心位置はモーメントのつり合いから求めます。
たとえば下図に示す物体の重心位置を求めます。ここでモーメントのつり合いを使います。各力によるモーメントと合力によるモーメントがつりあう点が「合力の重心位置」ということです。よって
です。
建物の重心位置も上記の考え方を応用するだけです。建物の重心位置は、ほとんどの場合で建物の図心位置とは一致しません。なぜなら、完全に左右対称な建物は存在せず、居室の種類による荷重の偏り、柱、梁、壁断面の違などがあるからです。
今回は、断面一次モーメントは重心位置ではなく、図心位置を求めるために必要であることを解説しました。断面一次モーメントは図心位置を算定するために必要です。断面一次モーメントは「重心位置を求めるために必要」と明記してあるネット記事が多いですが、これは誤った認識です。併せて、図心と重心は意味が違い、一致しないことがあることも覚えておきましょう。
図心と重心の違いは?1分でわかる意味、読み方、図心と断面二次モーメントとの関係
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