この記事の要点
断面一次モーメントの公式は「断面積×図心軸までの距離の総和」です。
長方形ではbh2/2、三角形ではbh2/6となります。
複雑な断面は単純な図形に分解して合算します。
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断面一次モーメントの公式は
(断面積×x(y)軸から断面図心までの距離)の総和
です。数式で表すと下記の通りです。Sは断面一次モーメント、dAは微小断面積、x、yは図心までの距離です。
断面一次モーメントの定義式は、微小断面積(dA)とdAの図心までの距離(y)との積を積分して算定しますが、一般的な図形の形状(四角形、三角形、円形)であれば、積分を使わない公式で簡単に断面一次モーメントが算定できます。なお、断面一次モーメントの定義、詳細は下記をご覧ください。
下図にx軸における三角形、円形、四角形の断面一次モーメントの公式を示します。図形が変わっても考え方は同じで「(断面積×x(y)軸から図心までの距離)の総和」を計算するだけです。
また単純な断面図形であれば、単に「断面積×x(y)軸から図心までの距離」を計算すれば、断面一次モーメントが算定できるでしょう。なお、断面一次モーメントは面積×距離なので、単位はmm3やcm3など長さの単位の三乗とします。
実際に、断面一次モーメントの公式(断面積×x(y)軸から図心までの距離)で、三角形のSxを算定します。三角形の面積Aは
です。また三角形は高さの1/3の位置に図心があるので、x軸から三角形の図心位置までの高さは「h/3」です。以上より三角形の断面一次モーメントの公式は
になります。
断面一次モーメントの公式は「(断面積×断面の図心までの距離)の総和」を覚えておけば、複雑な断面形状の断面一次モーメントも手計算で求められます。
例題として下図に示すT字図形のx軸における断面一次モーメントを求める考え方を解説します。
図形が単純でなくなると、これまでの公式が適用できないと悩む人も多いでしょう。このとき、まずは複雑な図形を単純な形状に分割できないか考えます。上図の場合、T字は横向きの長方形と縦向きの長方形に分解できます。
あとは上図の①、②の長方形の断面一次モーメントをそれぞれ算定し、足し算すればT字の断面一次モーメントが算定できます。なお、断面②の図心位置は、単純に断面②の高さの半分では無く、断面①の高さだけ上の位置にある点に注意しましょう。以上よりT字の断面一次モーメントは
です。
上記の考え方を用いれば、一見、複雑にみえる図形も三角形、四角形、円形に分割して、簡単な四則演算により断面一次モーメントが算定できます。
また、複雑な図形の断面一次モーメントから、複雑な図形の図心位置も算定できます。
断面一次モーメントと図心の関係は下記をご覧ください。
なお、x軸の位置が変わっても考え方は同じです。たとえば、上図のx軸が下図のようにaだけ下側に移動する場合、それぞれの長方形の図心までの距離はa長くなります。
よって、上図の断面一次モーメントは
ですね。
混同しやすい用語
断面一次モーメントの公式
Sx=∫y dA(積分形)またはΣ(A×y)(合力形)で求め、単位はmm3(三乗)。
長方形ではbh2/2。
断面二次モーメントの公式
Ix=∫y2 dA(積分形)またはΣ(A×y2)(合力形)で求め、単位はmm?(四乗)。
長方形ではbh3/12。
断面一次モーメントの公式を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 長方形の公式 | Sx = bh2/2 | b:幅、h:高さ |
| 三角形の公式 | Sx = bh2/6 | 図心は高さの1/3の位置 |
| 複合断面の計算方法 | 単純図形に分解して各断面一次モーメントを合算 | T字・L字形断面に適用 |
今回は、断面一次モーメントの公式について説明しました。
断面一次モーメントの公式は「断面積×x(y)軸から断面図心までの距離」です。
よって、任意断面形状でない限り、複雑な図形の断面一次モーメントも、簡単な四則演算を用いて算定できます。
断面一次モーメントの意味、定義は下記が参考になります。
断面一次モーメントとは|わかりやすい意味・覚え方と断面二次モーメントとの違いを解説
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では断面一次モーメントの公式(Sx=bh2/2)が計算問題でよく使われます。
公式の導出方法を理解しておけば、三角形(bh2/6)や円形断面にも応用できます。