この記事の要点
断面二次モーメントは「大きい外形の断面からくり抜き部分を引き算する」方法で複雑な断面を計算できます。
例えば中空断面ではI = I_外 - I_内で求めます。
図心を通らない断面では「平行軸の定理(I = Ig + A×d²)」を使います。
移動距離dの二乗×断面積を加算する手順を解説します。
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断面二次モーメントは引き算により複雑な図形の値を算定できます(※ただし、各部分の図形の図心は図形全体としての図心軸を通ること)。
たとえば、H形断面やI形断面、角型断面、コの字断面の断面二次モーメントの公式は引き算により求められます。
今回は、断面二次モーメントの引き算のやり方、例題、図心を通らない断面二次モーメントの求め方について説明します。
断面二次モーメントの詳細、導出は下記が参考になります。
断面二次モーメントの導出方法は?公式の意味と慣性モーメントとの関係
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断面二次モーメントは引き算により複雑な図形の値を算定できます。ただし、断面二次モーメントの引き算ができる条件として「各部分の図形の図心と図形全体としての図心は一致」する必要があります。
たとえば、下図のようにH形断面としての図心、1つの大きな長方形、2つの小さな長方形は図心が一致します。各部分の図心、図形全体としての図心は一致しており、断面二次モーメントの引き算が可能です。
一方、T型のように、T型としての図心とT型を構成する各部分の図心は決して一致しないので(図心軸を通らない)、断面二次モーメントの引き算はできません。その代わり、後述する断面二次モーメントの足し算(足し合わせ)により求めます。
断面二次モーメントの足し算とは?1分でわかる意味、引き算、図心を通らない断面の断面二次モーメントは?
実際にH形断面の断面二次モーメントを引き算により求めましょう。下図のように、大きな長方形の断面二次モーメント、小さな2つの断面二次モーメントをそれぞれ算定し引き算すればよいのです。
大きな長方形の断面二次モーメントは下式です。
2つの小さな長方形の断面二次モーメントは下式です(1つの長方形を求めて2倍すればよい)。
両者を引き算すればよいので、H形断面の断面二次モーメントは
となります。断面二次モーメント、H形断面の断面二次モーメントの詳細は下記が参考になります。
h形鋼断面の断面二次モーメントは?5分でわかる求め方、弱軸と強軸の違い、一覧
H形断面のフランジ部分のように、図心を通らない図形の断面二次モーメントは下式により算定します。yoは図心軸から図心を通らない図形の中心までのy方向の距離(xoはx方向の距離)、Aは図心を通らない図形の断面積です。
上式に図心を通る部分の断面二次モーメントIuまたはIvを足し算すれば、図形全体の断面二次モーメントとして下式が得られます。
上式を用いると、下図に示すトラス梁やH形断面の断面二次モーメントも簡単に算定できます。
混同しやすい用語
断面二次モーメントの引き算
大きい断面から小さい断面のIを引いて、H型・箱型などの中空断面のIを求める方法。
断面二次モーメントの足し算(加算)
複数の矩形断面のIを合算するときに使う。
各部の図心が共通図心を通る必要がある。
断面二次モーメントの引き算を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 引き算の条件 | 各部分の図形の図心が断面全体の図心と一致すること | H形・箱形断面で適用可 |
| 引き算の計算式 | I=大きい断面のI-小さい断面のI | 長方形の公式 BH3/12 を使用 |
| 図心を通らない場合 | I=Iu+Ay2 の式で算定 | T形断面など引き算不可の場合に使用 |
今回は断面二次モーメントの引き算について説明しました。
断面二次モーメントは引き算により複雑な図形の値を算定できます。
建築で用いる部材断面は長方形の組み合わせが多いので、長方形の断面二次モーメントの公式を暗記すれば、色々な図形のIを算定できます。
ただし、断面二次モーメントを引き算するには、各部分の図形の図心は図形全体としての図心を通る必要があるので注意しましょう。
断面二次モーメントの詳細、導出方法など下記も参考になります。
断面二次モーメントの導出方法は?公式の意味と慣性モーメントとの関係
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