この記事の要点
断面二次モーメントの定義式はI=∫y2dA(断面全体の「断面積×距離の二乗」の総和)です。
長方形断面ではbh3/12の公式が導出され、単位はmm?やcm?(長さの四乗)になります。
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断面二次モーメントの定義式は下記の通りです。また下記の定義は、任意の軸(ここではx軸、y軸)から断面の微小範囲の断面積dAの図心までの距離xまたはyの2乗に微小断面積dAの積「y^2dA(またはx^2dA)」を断面全体について総和することを意味します。


上記を計算することで断面の曲げにくさを算定できるのですが、なぜ、距離の二乗と断面積の積が断面の曲げにくさを表すのかは、物理学で習う「慣性モーメント」が関係します。
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慣性モーメントについて考えます。下図に示すように、点Oを中心に物体を回すことをイメージします。物体A、Bのどちらが回しやすいか考えましょう。なお、物体A、Bともに、点Oから物体中心までの距離はrです。

直感的に質量の大きい物体Aの方が回しにくい、と感じる方が多いと思います。
先端の重りが大きいと回しにくいですよね。
では下図に示す条件はどうでしょうか。
物体A、Bの質量は同じですが、回転中心から物体の中心までの距離が違います。
この場合、距離の長いBの方が回しにくいと感じたはずです。

このとき、物体の質量をm、回転中心から物体の中心までの距離(回転半径)をrとするとき、mとrの2乗の積を慣性モーメントといいます。
さらに、物体を回転させようとする力Mと慣性モーメントIの関係は下式です。θ''(t)は角加速度で回転角の2回微分で求められます。
上式より慣性モーメントIが大きくなるほど角加速度は小さくなります(回転がゆっくりになる)。つまり、慣性モーメントの大きい方が回しにくいのです。
以上の慣性モーメントを、断面の回転のしやすさに置き換えて考えれば
・質量m ⇒ 微小断面積dA
・半径r ⇒ 距離x、y
であり、x軸、y軸まわりの回転のしやすさ、すなわち曲げやすさを表す下式が得られます。

上式について、全断面の曲げやすさを求めるには、全断面における上式の総和すなわち積分すればよいので

が得られます。
混同しやすい用語
断面二次モーメントの定義式
I=∫y2dA(積分形)で、任意軸から微小断面積の図心までの距離yの二乗×断面積の総和。
慣性モーメント(物理)
I=mr2で、質量×回転半径の二乗。
断面二次モーメントは慣性モーメントの概念を断面に適用したもの。
断面二次モーメントの定義を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 定義式 | I=∫y2dA | 任意軸からの距離の二乗×断面積の積分 |
| 慣性モーメントとの関係 | 質量m→断面積A、半径r→距離y | 物理の慣性モーメントI=mr2を断面に適用 |
| 物理的な意味 | 断面の曲げにくさ(曲げ剛性の指標) | Iが大きいほど曲げにくい断面 |
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では「断面二次モーメントの定義式の意味」が問われることがあります。
積分の概念が難しければ「断面積×軸からの距離の二乗」の足し算という意味を押さえましょう。