この記事の要点
曲げ剛性とは「E×I」(ヤング率×断面二次モーメント)で表される、部材の曲げに対する抵抗力です。
EIが大きいほどたわみが小さくなります。
断面二次モーメントIを大きくする方法(板の配置・H形断面の活用)と、たわみ・曲げモーメントへの影響を解説します。
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曲げ剛性とは、部材の曲げる力に対する「かたさ」です。曲げ剛性が大きいほど「かたいので曲げにくい」、逆に、曲げ剛性が小さければ「柔らかく曲げやすい」です。
曲げ剛性(EI)の計算式は「ヤング係数(E)×断面二次モーメント(I)」で表せます。
ヤング係数Eは材料のもつかたさ、断面二次モーメントIは断面形状のもつかたさです。
つまり、同じ材料でも断面二次モーメントの大きい断面形状を持つ方が、曲げ剛性は大きくなり、曲げにくい部材となります。
さて、建築物に用いる構造部材の材料は、主に、木、鉄筋コンクリート、鋼があるのですが、一般に、1つの建築物に対して部材に用いる材料は1種類とします。たとえば構造材料に鉄筋コンクリートを用いる場合、全ての構造部材を鉄筋コンクリートとします(※混構造のような例外もあります)。
つまり、一部の柱の材料にヤング係数の高い材料を用いるという選択肢は無いため、基本的に曲げ剛性を高めるためには「断面二次モーメントを大きくすること」を考えます。
では次に考えるべきは「断面2次モーメントを大きくするにはどうしたらいいか?」です。断面二次モーメントの値は断面の形状に応じて様々ですが、1つ共通点があり、それは
断面二次モーメントは断面の高さの三乗あるいは四乗に比例することが多い
のです。たとえば長方形の断面二次モーメントは下式で算定します。bは長方形の幅、hは長方形の高さです。
上式より、断面二次モーメントを大きくするためには「断面の高さを大きくすること」です。
なぜならIは高さの3乗に比例するからです。
一方、断面の幅を広くしてもIは幅の1乗に比例するだけで、断面二次モーメントはさほど大きくならない割に、部材の自重が増えて構造的には不利な断面となります。
なお、断面二次モーメントの定義、公式と詳細は下記をご覧ください。
基本的に上記の考え方に基づいて部材の断面形状は設計されています。外観から梁型のわかる建物をみると、必ず梁幅よりも梁の高さを大きくしているので是非確認してみましょう。
混同しやすい用語
「断面二次モーメント(I)」と「断面係数(Z)」
断面二次モーメントIは断面の曲げ変形しにくさ(剛性)を表す断面性能。
I=bh3/12(長方形断面)。
「曲げ剛性(EI)」と「曲げ強度(σ=M/Z)」
曲げ剛性EIはたわみ・変形の計算に使う。
曲げ強度の検討には断面係数ZとM/Zの応力度を使う。
同じ断面でも剛性と強度の評価に使う断面性能が異なる。
曲げ剛性と断面二次モーメントの関係を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 曲げ剛性の計算式 | EI(ヤング係数E×断面二次モーメントI) | Iの増加が剛性向上に直結する |
| Iと断面高さの関係 | Iは断面高さhの3乗(または4乗)に比例 | 長方形断面ではI=bh3/12 |
| 断面設計の方針 | 幅より高さを増やすことで効率よくIを増大 | H形鋼はこの原理を応用した形状 |
今回は、曲げ剛性と断面二次モーメントの関係について説明しました。
曲げ剛性とは、部材の曲げる力に対する「かたさ」です。
曲げ剛性の計算式は「ヤング係数×断面二次モーメント」です。
よって、断面二次モーメントを大きくすれば、曲げ剛性は大きくなります。
断面二次モーメント、曲げ剛性の詳細は下記もご覧ください。
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