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たわみ公式の導出、片持ち梁、両端支持梁のたわみ公式の導出

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たわみ公式の導出は、下記に示す梁のたわみ曲線を求める微分方程式を解く(両辺を積分する)ことで得られます。


たわみ公式の導出1


上式は、曲率と曲げモーメントの関係から得られる方程式です。上式の導き方は下記をご覧ください。

たわみの微分方程式は?導出、単純梁、片持ち梁のたわみの微分方程式と境界条件


本記事ではたわみ曲線を求める微分方程式を用いて、下記のたわみ公式を導出します。


たわみ公式の導出2


たわみ公式を導出する手順を下記に示します。


1.曲げモーメントを求める

2.曲げモーメントを微分方程式に代入し積分を行う

3.支持条件を与えて積分定数を求める

4.たわみの最大値を求める


なお、梁の曲げモーメントを求める方法は省略します。曲げモーメントの求め方が分からない方は下記をご覧ください。

曲げモーメントとは?わかりやすい意味、正負の考え方、記号と単位、曲げモーメントからせん断力を求める方法、公式、計算例は?

中央に集中荷重の作用する単純梁のたわみ

下図に示す梁のたわみを求めます。


たわみ公式の導出3


曲げモーメントは下記の通りです。


たわみ公式の導出4


上記の区間について微分方程式を解きます。まず、0から L/2の区間について下式に曲げモーメントを代入すると


たわみ公式の導出5


上式の両辺について1回積分すると


たわみ公式の導出6


となります。なお、上式はたわみ角を表します。上式をさらに1回積分すると


たわみ公式の導出7


です。


次にL/2から L区間について求めます。微分方程式に曲げモーメントを代入すると


たわみ公式の導出8


L-x=uと置き換えると


たわみ公式の導出9


となるので上式の両辺を積分すると


たわみ公式の導出10


また、同様の手順でさらに1回積分すると


たわみ公式の導出11


を得ます。


積分定数(未知数)が4つあるので境界条件(支持条件)と連続条件(関数の連続性)を用いて解きます。まず、支点にはたわみは発生しないので境界条件は以下のように、


x=0、y1=0(0からL/2の区間)

x=L、y2=0 (L/2からLの区間)


です。以上の条件より


たわみ公式の導出12


です。連続条件は荷重より左側のたわみy1と荷重より右側のたわみy2に共通した条件です。いずれの場合も長さL/2とき、たわみ、たわみ角ともに同様の値です。


x=L/2、y1= y2より


たわみ公式の導出13


x= L/2、θ1=θ2より


たわみ公式の導出14


となります。以上よりA、Cを含む2式の連立方程式を解くと


たわみ公式の導出15


です。前述の式にAおよびCを代入すると、たわみ曲線の式は


たわみ公式の導出16


となります。


さて、梁に生じるたわみの最大値はどの位置になるかは、数学の極大値、極小値を求める方法を使います。下記に手順を示します。


1.たわみの式を1回微分する。

2.1回微分して得られた式=0としてxの値を計算する。


y1のたわみを1回微分すると


たわみ公式の導出17


上記よりx=L/2の地点で最大のたわみが発生します。たわみ曲線の式にx=L/2を代入して、たわみの最大値を求めると


たわみ公式の導出18


です。

等分布荷重の作用する単純梁のたわみ

前節と同様の手順で下図jに示す梁のたわみを求めます。なお、前節で解説済みの計算過程は適宜省略します。


たわみ公式の導出19


梁の全長にわたり等分布荷重が作用します。0からLの区間での曲げモーメントは


たわみ公式の導出20


です。上式に曲げモーメントを代入すると、


たわみ公式の導出21


です。両辺について積分すると


たわみ公式の導出22


を得ます。


境界条件、連続条件を設定して積分定数を求めます。支点のたわみは0なのでx=0及びx=L、y1=0です。よって


たわみ公式の導出23


となります。以上より、たわみとたわみ角の式は次の通りです。


たわみ公式の導出24


です。x=L/2のたわみ及びx=0の点でのたわみ角は式10.20です。


たわみ公式の導出25

集中荷重の作用する片持ち梁のたわみ

下図に示す片持ち梁のたわみを求めます。


たわみ公式の導出26


0からLの区間に生じる曲げモーメントは


たわみ公式の導出27


です。上式に曲げモーメントを代入すると、


たわみ公式の導出28


上式の両辺を積分すると


たわみ公式の導出29


です。支点のたわみは0なのでx=0、y1=0となり固定端では回転はしないためx=0、θ1=0になります。よって


たわみ公式の導出30


になります。以上より、たわみとたわみ角は


たわみ公式の導出31


です。x=Lのたわみ及びたわみ角は最大となるので


たわみ公式の導出32


です。

等分布荷重の作用する片持ち梁のたわみ

下図に示す片持ち梁のたわみを求めます。


たわみ公式の導出33


0からLの区間に生じる曲げモーメントは


たわみ公式の導出34


です。上式に曲げモーメントを代入すると、


たわみ公式の導出35


上式の両辺を積分すると


たわみ公式の導出36


です。支点のたわみは0なのでx=0、y1=0となり固定端では回転はしないためx=0、θ1=0になります。よって


たわみ公式の導出37


になります。以上より、たわみとたわみ角は


たわみ公式の導出38


です。x=Lのたわみ及びたわみ角は最大となるので


たわみ公式の導出39


です。

まとめ

今回は、たわみ公式の導出を解説しました。たわみ公式の導出は、下記に示す梁のたわみ曲線を求める微分方程式を解く(両辺を積分する)ことで得られます。


たわみ公式の導出1


積分が面倒ですが、一度は、たわみ公式を導出して考え方を理解しましょう。また、たわみの微分方程式の導出、詳細は下記が参考になります。

たわみの微分方程式は?導出、単純梁、片持ち梁のたわみの微分方程式と境界条件

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