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片持ち梁の応力計算|曲げ応力・せん断応力の公式と単純梁との比較

この記事の要点

バルコニーや庇の設計で片持ち梁を使うとき、単純梁より応力が大きくなることを意識しないと断面が不足する

等分布荷重の場合、片持ち梁の最大曲げモーメントはwL²/2で、同じスパンの単純梁wL²/8の4倍になる。

固定端に応力が集中するため、根元の断面・接合部の設計が重要だ。

地震力を含む組み合わせ荷重でも応力確認の手順を整理する。

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片持ち梁の応力は、単純梁などに比べて大きくなりやすい構造です。

また、1端でのみで支持する構造なので、外力に対して十分な余裕を持つ断面設計が望まれます。

構造設計の実務では、2mを超える片持ち梁は、鉛直方向の地震力を考慮します。

今回は、片持ち梁の応力、種類、公式、計算方法について説明します。

片持ち梁の意味、梁の応力の計算方法は、下記が参考になります。

片持ち梁とは?固定端・自由端・曲げモーメント・たわみをわかりやすく解説

片持ち梁の最大曲げ応力は?1分でわかる求め方、例題、応力と位置の関係

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片持ち梁の応力は?

片持ち梁は、他の構造形式に比べて応力が大きくなりやすいです。例えば、単純梁と片持ち梁の応力を比較します。作用荷重(片持ち梁は先端集中荷重、単純梁は中央集中荷重が作用する)は同じとします。


片持ち梁の応力 M=PL

単純梁の応力 M=PL/4


片持ち梁の応力の方が、単純梁の4倍も大きな値です。また、たわみも大きくなりやすいので、十分な余裕を見込んだ設計が望ましいです。梁のたわみの公式は、下記が参考になります。

たわみの公式は?1分でわかる種類、覚え方、単位、導出


構造設計では、片持ち梁は2mを超えると鉛直方向地震力を考慮した設計を行います。鉛直方向の地震力と片持ち梁の関係は、下記が参考になります。

鉛直震度とは?意味・水平震度との違いと片持ち梁・庇の設計への影響


片持ち梁の意味、特徴は下記が参考になります。

片持ち梁とは?固定端・自由端・曲げモーメント・たわみをわかりやすく解説

片持ち梁の応力の公式と種類の一覧と計算方法

片持ち梁の応力の公式、種類の一覧を下記に整理しました。


先端集中荷重 片持ち梁

先端集中荷重 片持ち梁


分布荷重 片持ち梁

等分布荷重 片持ち梁


三角形分布荷重 片持ち梁

三角形分布荷重 片持ち梁


集中荷重が作用する片持ち梁の計算は、下記が参考になります。

片持ち梁のたわみを求める方法


また、等分布荷重が作用する片持ち梁の応力は、下記が参考になります。

片持ち梁に等分布荷重:たわみの公式と計算手順


上図をみてわかるように、集中荷重が作用する方が曲げモーメントが2倍も大きいです。荷重の種類、作用位置にも注意したいですね。下記も参考にしてください。

集中荷重の片持ち梁:反力・曲げモーメント・せん断力・たわみの計算

等分布荷重が作用する片持ち梁の計算|曲げモーメント・せん断力・たわみの公式

混同しやすい用語

曲げ応力(M)

部材を曲げようとする応力です。

片持ち梁の曲げ応力は先端集中荷重PでM=PL、等分布荷重wではM=wL2/2。

固定端で最大になります。

せん断応力(Q)

断面をずれ切るように作用する応力です。

片持ち梁のせん断応力は先端集中荷重PでQ=P、等分布荷重wではQ=wL。

支点の反力と同じ値です。

片持ち梁の応力を整理した表を示します。

荷重条件曲げ応力(M)せん断応力(Q)
先端集中荷重PM=PLQ=P
等分布荷重wM=wL2/2Q=wL
三角形分布荷重wM=wL2/6Q=wL/2

まとめ

今回は片持ち梁の応力について説明しました。

公式、計算方法が理解頂けたと思います。

片持ち梁の応力の計算は簡単です。

ただし、単純梁などに比べて応力が大きくなること、端部のみで支持されるので十分な余裕が必要なことを覚えてくださいね。

片持ち梁の断面設計は、検定比ギリギリの設計にならないよう注意したいですね。

下記も参考になります。

片持ち梁の最大曲げ応力は?1分でわかる求め方、例題、応力と位置の関係

片持ち梁のせん断応力は?集中荷重・等分布荷重の公式と計算例

片持ち梁とは?固定端・自由端・曲げモーメント・たわみをわかりやすく解説

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理解度チェック

Q.

片持ち梁の曲げ応力とせん断応力の公式を、荷重別に答えてください。

答えを見る

先端集中荷重Pでは 曲げ応力M=PL・せん断応力Q=P、等分布荷重wでは M=wL2/2・Q=wL です。せん断応力は支点の反力と同じ値で、応力は固定端で最大になります。

Q.

等分布荷重時、片持ち梁の最大曲げモーメントは同スパンの単純梁の何倍ですか。

答えを見る

4倍です。片持ち梁は M=wL2/2、単純梁は M=wL2/8 で、片持ち梁の方が4倍大きくなります。固定端に応力が集中するため、根元の断面・接合部の設計が重要です。

Q.

構造設計の実務で片持ち梁に関し特に注意すべき点を答えてください。

答えを見る

2mを超える片持ち梁は鉛直方向の地震力を考慮します。1端でのみ支持する構造で応力・たわみが大きくなりやすいため、検定比ギリギリにせず十分な余裕を持った断面設計が望まれます。三角形分布荷重では M=wL2/6・Q=wL/2 です。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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