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鉛直震度をご存じでしょうか。構造設計の専門用語なので、建築業界にいる方でも耳にする方は少ないと思います。また鉛直震度の考え方は比較的新しいため、ご存じない方も多いでしょう。今回は、そんな鉛直震度と片持ち梁の設計について説明します。
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鉛直震度とは、鉛直方向に作用する地震力係数の大きさです(地震力とは少し意味が違います)。鉛直震度は片持ち梁の設計のとき1Gを考慮します。
さて、鉛直震度についてもう少し説明しましょう。
一般の方は、「地震」と聞くと横の揺れをイメージされると思います。しかし、実際の地震は横にも揺れるし、縦にも揺れます。鉛直震度とは、この縦方向の地震力の係数を意味します。さて、地震力は建物の重量とせん断力係数の掛け算で算定されます。
※地震力については、下記が参考になります。
上記の記事より、標準せん断力係数Coは0.2又は0.3です。水平震度が0.2又は0.3と言い換えることもできます。前述したように、鉛直震度は片持ち梁の設計で1G(=1.0)を考慮します。
それは、片持ち梁は静定構造のため、より大きな地震力を考慮する必要がある、という考え方の元です。
前述したように、片持ち梁や片持ち柱は鉛直震度を考慮します。具体的には、2.0mを超える片持ち部材は鉛直震度1Gを考慮して設計する決まりです。
下図をみてください。2.0mの片持ち梁があります。今回は簡単のため自重を無視し、先端の集中荷重に対する鉄筋を求めます。
片持ち梁に作用する曲げモーメントは下記です。
片持ち部材が2.0mを超えるので鉛直震度を考慮します。鉛直震度=1.0を加えるので、10kN+10kN=20kN作用します。
よって、曲げモーメントは
です。鉛直震度は地震時による荷重なので、上記より算定した曲げモーメントは短期時の応力です。必要な引張鉄筋は下記のように求めます。
よって、3-D16を配筋すれば良いでしょう。
ところで、鉛直震度1Gによる荷重W'は、長期荷重がWとすれば下記の関係です。
一方、許容応力度は短期時の値なので、長期時の1.5倍です。よって、鉛直震度を考慮した短期応力度は長期に対して下記の割合で増えます。
つまり、長期時応力度に対して1.33倍増えるという意味です。よって実務では、鉛直震度1Gを考慮するとき、長期時の応力を1.5倍した値で長期の設計を満足させることが一般的です。
今回は鉛直震度について説明しました。鉛直震度は、片持ち梁の設計に考慮します。あるいは設備機器など稼動する際に、鉛直方向の揺れを考慮する際にも検討します。今回、片持ち梁の設計で鉛直震度を考慮する方法を説明しました。しっかり理解しましょう
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