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片持ち梁とは?1分でわかる構造、様々な荷重による応力と例題

片持ち梁は、1端を固定端、他端を自由にした梁です。要するに1点でしか支えられていない梁です。片持ち梁は、建築物の様々な箇所に利用されています。今回は、そんな片持ち梁の構造、様々な荷重による応力と例題を紹介します。

片持ち梁とは?

片持ち梁とは、1点を固定端とし他端を自由端とした梁です。下図をみてください。これが片持ち梁です。

片持ち梁

片持ち梁は軽快な構造なので、建築家や構造家に好まれます。例えばバルコニーや屋根の庇、これらは片持ち形状です。


片持ち梁は、広い空間がとれます。見た目も軽やかなので、街を歩けば1つは片持ち梁が見つかるでしょう。

片持ち梁のメリットとデメリット

片持ち梁は前述した構造の特徴により、下記のメリットとデメリットがあります。

メリット

メリットは下記です。

・空間を広くとれる

・軽快な構造とできる


片持ち梁は、意匠的に多くのメリットがあります。下図をみてください。柱2本で支える構造と、柱1本で片持ち梁とする構造があります。

片持ちラーメン

どちらが空間を広くとれるのでしょうか。柱が無い分、当然片持ち梁の構造ですね。よって駐輪場や駐車場の上屋に、上図の構造が利用されます。


また日建設計のホキ美術館は片持ち構造を利用した建物です。まるで浮いている構造で驚きます。


このように、片持ちであること(柱がない)をデザインに活かす建築もあります。一般の方がみると、「浮いている」ように見えますね。

デメリット

デメリットは下記です。

・静定構造なので、固定端に問題があると直ちに崩壊する(冗長性が無い)

・部材が大きい

・変形が大きい


片持ち梁は構造的なデメリットが目立ちます。静定構造のため、固定端に問題あると成立しません。例えば、RC造の片持ち梁の場合、固定端にひび割れが生じると、変形が大きくなるかもしれません。


構造設計者としては、不安の大きい構造といえます。特に接合部は、余裕をもった設計が必要です。


また、片持ち梁は応力や変形が大きくなります。そのため部材寸法は、普通の梁と比べて大きいです。

片持ち梁の応力計算

片持ち梁の応力計算は簡単です。たわみの計算は少々暗記が必要なので慣れましょう。後述しますが、実務では片持ち梁の設計をするとき、存在応力の2倍を考慮します。これは、「鉛直震度」といって、鉛直方向の地震力です。


鉛直震度は下記の記事が参考になります。

鉛直震度ってなに?1分で分かる鉛直震度の意味と、片持ち梁の設計

先端集中荷重時の応力

先端に集中荷重が作用するときの片持ち梁の応力は下記となります。

先端集中荷重時の応力

Q=P

M=PL


簡単ですよね。せん断力は、先端荷重そのままです。また、曲げモーメントは先端荷重PとスパンLを掛けた値です。曲げモーメントは固定端で最大となります。

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等分布荷重時の応力

等分布荷重が作用するときの片持ち梁の応力は下記です。

等分布荷重時の応力

Q=wL

M=wL^2/2

wは等分布荷重です。ポイントは、スパンの二乗になることです。曲げモーメント図を描くと、二次曲線だとわかります。

片持ち梁のたわみ

片持ち梁のたわみは、応力以上に注意します。スパンが長い場合、応力よりもたわみが変形制限を満足しないことが多いからです。

先端集中荷重時のたわみ

先端に集中荷重が作用するときのたわみは下式で計算します。

δ=PL^3/3EI


単純梁のたわみは、分母の係数が「1/48」なので、片持ち梁は10倍以上のたわみが大きいですね。

等分布荷重時のたわみ

等分布荷重作用時のたわみは下式です。

δ=wL^4/8EI

集中荷重に比べて、分母の係数が大きいのでたわみが小さいとわかります。荷重は集中的に作用するより、分布させた方が良いということですね。


片持ち梁のたわみについては、下記の記事が参考になります。

片持ち梁のたわみを求める方法

片持ち梁の注意点

片持ち梁を使う場合、いくつか注意点があります。前述した項目と重複しますが、説明します。

・たわみが大きくなる

・鉛直震度を考慮する

1つは、たわみです。静定構造なので、たわみが大きくなると崩壊に繋がります。2つめは鉛直震度です。地震は水平だけでなく、鉛直にも揺れます。この鉛直方向の地震力を鉛直震度といいます。詳細は下記の記事が参考になります。

鉛直震度ってなに?1分で分かる鉛直震度の意味と、片持ち梁の設計

例題 鉄骨造片持ち梁の計算

下図の鉄骨片持ち梁の、必要な断面係数と断面二次モーメントを算定してください。ただし、応力は長期時でfb=156、変形制限はスパンの1/300以下とします。

鉄骨造の片持ち梁

M=10×3=30kNm


です。fb=156なので、Zを逆算すると


Z=M/fb=30x10^6/156=192mm^3


たわみの公式から、Iを逆算します。


I=PL^3/3Eδ=10×10^3×3000^3/(3×2.05×10^5×10mm)

=4390×10^4


なお、鉄骨梁はせん断力が問題になることは、ほとんどありません。今回は計算を省略しました。後述するRC造では、せん断の検討は必須です。

例題 RC造片持ち梁の計算

下図のRC造片持ち梁の応力を計算してください。

RC造片持ち梁の計算

M=10×3=30kNm

Q=10kN


但し、鉛直震度を長期で考慮します。よって設計応力は、


M=30×2=60

Q=10×2=20

となります。

まとめ

今回は片持ち梁について説明しました。片持ち梁は静定構造です。計算は簡単ですが、注意すべき構造です。たわみの計算は特に重要です。十分な余裕をもった設計を心がけたいですね。

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