この記事の要点
モーメントのつり合い(∑M=0)はある点まわりの全モーメントの代数和がゼロという条件であり、反力や重心位置を求める基礎となる。複合形状の断面や不規則な形状の物体の重心は、各部分の面積(重量)×距離の和を全体で割る操作で求め、断面設計に直結します。
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モーメントのつり合いとは、ある点における力のモーメント(物体を回転させようとする力)の総和です。モーメントのつり合いが0になるとき、物体は静止します。モーメントのつりあいは、構造力学で最も重要な法則の1つです。モーメントのつりあいの考え方を元に重心の算定、断面一次モーメントも定義できます。今回は、モーメントのつり合いの意味、考え方、重心位置の求め方について説明します。力のモーメント、重心の求め方など下記も参考になります。
力のモーメントってなに?本当にわかるモーメントの意味と計算方法
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モーメントのつり合いとは、ある点における力のモーメント(物体を回転させようとする力)の総和です。つまり、モーメントのつり合いが0になるとき物体は静止します。
モーメントのつり合いの考え方を解説します。下図に示すような、支点と梃(てこ)を用いて物体の質量を比較する器械を天秤(てんびん)といいます。
天秤は下図に示すように、梁と1つのピン支点からなる構造物と力学的には同じです。
下図に示すように、質量WA、WBが作用してつりあうとき、ΣH=0、ΣV=0、ΣM=0が成り立ちます。
ピン支点でのモーメントは0なので、物体A、Bの重さをWA、WB、物体の重心位置から支点までの距離をLA、LBとすると、点Oでのモーメントのつりあいは下式となります(※ただし、てこの変形は考えない)。
点Aを中心にモーメントのつりあいを求めても上式は成立します。まずはピン支点の支点反力Rを求めます。鉛直方向の力はつりあうので、
となります。※なお、下向きの力を負値、上向きの力を正値と考える。点Aのモーメントのつりあいは、
です。WA+WBは各重さの合力なので、上式は合力によるモーメントと各部分の重さによるモーメントの合計が等しい(つりあう)ことを意味します。
さて、上式を比率の関係で表すと
となります。天秤がつりあうとき、重さの比率と距離の比率は等しくなければいけません。前述の図に示す天秤がつりあうとき重さWAの値を求めると
となります。つまりWAは10kNに対して5倍もの質量でないとつりあいません。見方を変えれば10kNで50kNの力を生み出せることを意味します。式5.4または小さな力で大きな力を生み出す原理を、てこの原理ともいいます。
前述より、ある点における各力のモーメントの総和は、合力のモーメントと等しくなります。合力は重心位置に作用するので、各力によるモーメントと合力の値が分かれば、合力の作用点すなわち重心位置が算定できます。
たとえば下図に示す重心位置は下式のように求められます。
なお、上式の分子「P1L1+P2L2」を断面について定義した値が断面一次モーメントです。重心、断面一次モーメントの詳細は下記が参考になります。
混同しやすい用語
「モーメントのつり合い(ΣM=0)」と「力のつり合い(ΣF=0)」
モーメントのつり合いはある点まわりのすべてのモーメントの和がゼロになる条件。未知の反力を求めるために使う。
「重心(G)の求め方」と「反力の求め方」
重心位置はΣ(mi×xi)/Σmiで求まり、これはモーメントのつり合いと同様の計算。反力計算もΣM=0を基点の変えながら立てて連立させる。
モーメントのつり合いを整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| つり合い条件(ΣM=0) | ある点まわりのモーメントの総和がゼロ | 静止状態の基本 |
| 重心の算定 | ΣMiをΣFiで割ることで重心位置を求める | 断面一次モーメントも同原理 |
| 支点反力の計算 | 任意の支点を基準にΣM=0を立てる | 未知反力を一方に集約できる |
今回は、モーメントのつり合いについて説明しました。モーメントのつり合いとは、ある点における力のモーメントの総和です。モーメントのつり合いが0になるとき物体は静止します。力のモーメント、断面一次モーメント、重心位置など下記も勉強しましょう。
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試験での問われ方|管理人の一言
モーメントのつり合い(ΣM=0)は構造力学の計算の基本です。支点を基準点に取れば、その支点の反力が消えて他の未知反力を求めやすくなります。複数の未知反力がある場合は複数点でΣM=0を立てます。