この記事の要点
複合断面の重心位置を求めるとき、各部分の面積×距離の和を全体面積で割るという手順を使う。
これはモーメントのつりあい条件から導かれる考え方だ。
断面二次モーメントの計算でも重心位置(図心)が基準点になるので、重心の計算は構造計算の出発点になる。
L形・T形・H形断面で手順を確認しておくと、いろいろな断面計算に応用できる。
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モーメントから重心を求める方法物体の重心位置はモーメントの計算(つりあい)から算定できます。
重心は、物体の全重量が作用する点なので「各重さによるモーメントの総和=合力によるモーメント」の関係から、重心位置を算定します。
今回は、モーメントから重心を求める方法、計算、モーメントのつりあいについて説明します。
力のモーメント、モーメントのつり合いの詳細は下記が参考になります。
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物体の重心はモーメントの計算(つりあい)により算定できます。
下図をみてください。1つの物体をいくつかの数に分割しても、当然、分割された部分にも重さがあります。つまり物体に生じる重力(重さ)は、物体の各部分に生じる重さの合計すなわち合力(ΣΔP=P)です。
さて、物体の各部分の重さは各部分の重心に作用します。よって、物体の重さが作用する点(重心)は、各部分の重さの合力の作用点といえます。仮に物体の重心位置に、重力と等しい大きさかつ逆向きの力で押し返すと、物体に作用する力はつりあって静止します。
よって、各部分の重さによるモーメントと合力によるモーメントが等しいことを利用すれば重心が算定できるのです。重心、力のモーメントの詳細は下記をご覧ください。
重心とは?意味・定義・求め方の公式と建物の重心計算(偏心率への応用)
下図に示す物体のx方向の重心を求めましょう。L形を2つの長方形に分割すれば、各長方形の重さは各々の重心に作用します。
各部分の重さはP1、P2なので合力はP1+P2です。原点Oから重心(合力の作用点)までの距離をLxとするとき、モーメントのつりあいは、
になります。上式をLxについて解けば
です。上式により合力の作用点(重心)を算定できます。
下図に示すように、剛な梁の点A、点Bに重さが作用します。点O(ピン支点)におけるモーメントのつりあいを求めます。点OではΣM=0です。
モーメントのつり合いの詳細は下記も参考になります。
混同しやすい用語
「重心(G)」と「図心(C)」
重心Gは物体の重さの中心点。
均一な材料では図心と一致する。
不均一な材料(複合断面など)では異なる位置になる。
「モーメントのつり合い」と「力のつり合い」
モーメントのつり合いはある点まわりのモーメントの和がゼロになる条件(ΣM=0)。
力のつり合いは各方向の力の和がゼロになる条件(ΣF=0)。
両条件を満たすと静止状態になる。
モーメントと重心の関係を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 重心の定義 | 物体の全重量が作用する点 | 均一材料では図心と一致 |
| 重心の算定式 | Lx=(P1×L1+P2×L2)÷(P1+P2) | 各部分の重さとその距離の積の和 |
| つり合い条件 | ΣM=0(任意の点まわりのモーメント和) | 合力の作用点=重心 |
今回は、モーメントを用いて重心を求める方法について説明しました。
物体の重心には物体の合力が作用します。
よって、各重さによるモーメントの総和=合力によるモーメントから、重心位置を求めます。
力のモーメント、モーメントのつり合い、力のつりあい条件など下記も勉強しましょう。
力の釣り合い条件とは?3つの条件式(ΣX=ΣY=ΣM=0)と反力計算への適用
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モーメントのつりあいから重心を求める考え方を答えてください。
物体の重さは各部分の重さの合力で、その作用点が重心です。各部分の重さによるモーメントの総和と合力によるモーメントが等しいことを利用して重心を算定します。
L形断面のx方向重心Lxを求める式を答えてください。
Lx=(P1×L1+P2×L2)/(P1+P2) です(P1・P2は各長方形の重さ、L1・L2は原点から各重心までの距離)。各部分の重さとその距離の積の和を全体の合力で割って求めます。
重心と図心の違いを答えてください。
重心Gは物体の重さの中心点、図心Cは断面の幾何学的中心です。均一な材料では重心と図心は一致しますが、不均一な材料(複合断面など)では異なる位置になります。
