建築学生が学ぶ構造力学

  1. HOME > 構造力学の基礎 > 2軸方向に生じる応力とは?任意断面の応力の求め方と力のつりあいは?

2軸方向に生じる応力とは?任意断面の応力の求め方と力のつりあいは?

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)


2次元の四角形の物体には、各面にx軸およびy軸(2軸)の各軸方向に生じる垂直応力、各軸と直交する方向に生じるせん断力が生じます。この四角形から微小直角三角形要素を取り出し、三角形要素の斜辺に生じる垂直応力、せん断力を求めれば、任意の傾きをもつ断面に生じる応力が算定できます。今回は、2軸方向の応力状態、任意断面の応力の求め方と力のつりあいについて説明します。一次元物体の任意断面の応力、三次元物体の力のつりあいは下記が参考になります。

任意断面の応力とは?1分でわかる意味、主応力の計算、垂直応力とせん断応力の関係

応力の平衡方程式

100円から読める!ネット不要!印刷しても読みやすいPDF記事はこちら⇒ いつでもどこでも読める!広告無し!建築学生が学ぶ構造力学のPDF版の学習記事

2軸方向に生じる応力とは?

2次元の四角形の物体には、下図に示すように2軸方向(x、y軸方向)に生じる垂直応力、各面に平行に作用するせん断力が生じます。2次元物体に生じる応力状態を下図に示します。※ここでいう応力とは構造力学における「応力度(単位面積当たりの断面力)」とする。また、物理学などでは「断面力を合応力」、建築構造力学では「断面力のことを応力」という。


なお、四角形物体は平面でz方向(奥行)の長さは1、z方向の応力、ひずみは考えません。また、簡単のため力の矢印を1本で図示していますが、各応力は各面に「分布」しています。たとえば、σyに「面積(dz×dx=1×dx=dx)」を掛け算すれば「σydx」となり、断面力(※構造力学でいう応力)の値に変換できます。


2軸方向の応力状態


当然、実際の物体は3次元(立体)ですが、2次元(面)の問題として扱うことで、比較的簡単に力のつり合いや、後述する任意断面に生じる垂直応力、せん断力などが算定できます。なお、構造力学では、一般に用いる構造部材の特性上、さらに変数を減らして1次元(線)の応力状態を考えることも多いです(梁、柱の応力)。1次元物体の任意断面に生じる応力の詳細は下記をご覧ください。

任意断面の応力とは?1分でわかる意味、主応力の計算、垂直応力とせん断応力の関係


さて、下図に示す四角形物体から微小な直角三角形要素を取り出します。三角形要素の斜面は鉛直線から任意の角度θ傾いており、θを小さくあるいは大きくすることで斜面の勾配も変わります(すなわち斜面は任意断面)。次に、斜面(任意断面)に垂直応力σ、せん断力τが下図の方向に作用すると仮定します。今回は、四角形物体を「土」と想定して応力の向きを仮定しました。


σ、τ以外の応力が既知とすれば、三角形要素に生じる応力のつりあいより、任意断面に生じる垂直応力σ、せん断力τが算定できます。


2軸方向の応力状態と微小三角形要素


なお、応力の向きを上図のように仮定した理由を下記に示します。


・垂直応力σx、σyの向き ⇒ 物体を圧縮する方向とする(圧縮力と仮定)。「土」は引張強度が期待できない。ゆえに、引張応力、曲げ応力(引張と圧縮の合成応力)による力の伝達は考えない。地盤は必ず圧縮力を負担するような設計を行う(引張、曲げが作用する箇所に使わない)。

・任意断面の垂直応力σの向き ⇒ 同上

・せん断力τxy(τyx)の向き ⇒ 任意の向き

・任意断面のせん断力τの向き ⇒ 同上


必ず上図のように、応力の向きを仮定する必要は無いですし、参考書によっては垂直応力の向きが逆になることも多いです(引張力と仮定)。ただし、応力の組は「物体がつりあうような向き」とします。なぜなら、力のつりあいを考えるとき物体が静止した状態を考えるからです。下図のように応力の向きを仮定すると物体は「回転」や「移動」するため、応力の向きの仮定として誤りです。


応力の向き


応力の向き2


以降、力のつりあいにより、任意断面の応力を算定しますが、「前述の応力の向きと仮定した場合の式」という点に留意しましょう。力はベクトルなので「大きさと向きはセット」です。仮定した応力の向きが変われば、当然、算定結果の符号も逆になります。ですから「参考書と計算式が合わない」と思う前に、まずは仮定した応力の向きを確認することも大切です。

任意断面の応力の求め方と力のつりあいは?

下図に示す微小三角形要素について、x軸、y軸方向の力のつりあいを考えます。


2軸方向の応力状態と力のつりあい


要素は静止した状態であり、すなわち、要素に生じる応力を断面力に変換し、x、y方向ごとに合計すると「0」になります。また、三角形の斜辺の長さはds、角度はθなので


・y方向の長さ ⇒ dscosθ

・x方向の長さ ⇒ dssinθ


です。次にσ、τをx成分、y成分に分解します。下図より


・σのx成分 ⇒ σdscosθ

・σのy成分 ⇒ σdssinθ

・τのx成分 ⇒ τdssinθ

・τのy成分 ⇒ τdscosθ


です。


σとτの分解


以上より


任意断面の応力の求め方と力のつりあい1


です。σx、σy、τxy、τyxは既知なので、上記の2式について連立方程式を解けばσ、τが得られます。さらに、τxy=τyxが成り立ちます。これをせん断力の共役性といい、説明は省略しますが、詳細は下記が参考になります。

応力の平衡方程式


まずσを求めましょう。τの項を消すために式①の各項にcosθを掛け算、式②はsinθを掛け算します。


任意断面の応力の求め方と力のつりあい2


上式を足し算してσについて求めると


任意断面の応力の求め方と力のつりあい3


が得られます。同様の流れでτを求めると(計算過程は省略)


任意断面の応力の求め方と力のつりあい4


になります。式③、④が平面(2次元)の物体の任意断面に生じる垂直応力、せん断応力です。なお、計算過程は省略しましたが、ここまで用いた三角関数の公式を下記に示します。


任意断面の応力の求め方と力のつりあい5


応力を表す式としては式③、④で十分ですが、後の議論に繋がる「主応力、主応力面の算定」において、式③を変形しておくと便利なので、より簡単な形で表します。ややテクニックが必要なので計算過程を示します。


任意断面の応力の求め方と力のつりあい6


一般に、参考書では式⑤が任意断面に生じる垂直応力を表す式として採用されます。平面の物体に生じる主応力の求め方は下記が参考になります。

主応力の求め方は?2次元要素の主応力の導出方法、最大主応力、最小主応力の求め方は?

主応力面とは?1分でわかる意味、方向、主応力度と主せん断応力度との関係

まとめ

今回は2軸方向に生じる応力について説明しました。平面の物体にはx、y方向の2つの軸に応力が生じます。単に公式を導くだけでなく、応力の向きの仮定も理解しましょう。一軸方向に生じる応力と任意断面の応力の詳細、主応力の詳細など下記も勉強しましょう。

任意断面の応力とは?1分でわかる意味、主応力の計算、垂直応力とせん断応力の関係

応力の平衡方程式

主応力面とは?1分でわかる意味、方向、主応力度と主せん断応力度との関係

【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!大好評の用語集と図解集のセット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット(※既に26人にお申込みいただきました!)

▼人気の記事ベスト3▼

▼用語の意味知らなくて大丈夫?▼

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集

▼同じカテゴリの記事一覧▼

▼カテゴリ一覧▼

▼他の勉強がしたい方はこちら▼

建築構造がわかる基礎図解集

1級・2級建築士試験(構造)の質問受付中

現在、3日間の無料お試しキャンペーン実施中。無料で質問してみよう。

友だち追加

わかる1級建築士の計算問題解説書

計算の流れ、解き方がわかる!1級建築士【構造】計算問題解説集

あなたは数学が苦手ですか?

わかる!実務で使う数学知識の基礎講座

【有料メルマガの初回資料が今だけ無料!】1日約13円で情報をアップデート!

有料メルマガを無料で見てみませんか?⇒ 忙しい社会人、学生のためのビルディング・アップデート

限定メールマガジン

わかる2級建築士の計算問題解説書!

【30%OFF】一級建築士対策も◎!構造がわかるお得な用語集

建築学生が学ぶ「構造力学」の用語集
pdf版の学習記事

更新情報

プロフィール

建築の本、紹介します。▼

すぐにわかる構造力学の本

人気の記事ベスト3

同じカテゴリの記事一覧

Topへ >>

  1. HOME > 構造力学の基礎 > 2軸方向に生じる応力とは?任意断面の応力の求め方と力のつりあいは?
  2. 1級の過去問(計算)解説
  3. 限定メルマガ
  4. わかる建築構造の用語集・図解集
  5. 1頁10円!PDF版の学習記事