この記事の要点
せん断力の符号は、1組の力が時計回りに向く場合が正の値、反時計回りの場合が負の値と定義される。
梁を仮想的に切断して反力とのつり合いを考えることで、任意断面のせん断力の向きと大きさを求められる。
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せん断力の向き:せん断力には向きがあります。せん断力は物をずらすような力で、物体を平行四辺形に変える1組の力です。せん断力には向きと符号があります。せん断力は時計回りの力の向きを正の値、反時計まわりの力の向きを負の値と考えます。今回は、せん断力の向きと意味、符号、例題について説明します。せん断力の意味は下記も参考になります。
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せん断力には向きと符号があります。下図をみてください。1組の力が時計回りに向く場合が正の値、反時計回りの力の向きを負の値と考えます。
せん断力は物をずらすような1組の力です。「時計回りの方向⇒正の値」「反時計回り⇒負の値」と考えれば、覚えやすいですね。
また下図をみてください。梁に等分布荷重が作用したときの変形状態を表しています。
梁に線を引いて変形状態を分かりやすくしました。すると、梁の左側が斜め左上に向いて変形し、右側は斜め右上に変形していますね。前述した、せん断力の向きと物体の変形状態をみてください。
変形状態を想像すれば、梁に作用するせん断力の向きや、どの部分が「正の値」「負の値」か理解できますね。
せん断力の意味など下記も参考になります。
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下図をみてください。せん断力の向きと符号を示しました。せん断力の向きと符号を必ず覚えてください。
上図のように、物の変形状態と符号を関連付けると忘れにくいです。
下図をみてください。梁に集中荷重が作用しています。梁に作用するせん断力の符号と向きを考えてください。
せん断力を求める時は、梁を仮想的に切断し、反力とのつり合いを考えます。下図をみてください。集中荷重の手前で梁を切断します。またせん断力は下向きに生じると仮定します(正の値と考える)。
よって、
Q-R=0
Q=R=P/2
ですね。つまり荷重の作用位置より左側は、せん断力が「正の値」です。さらに、集中荷重の作用点から右側を含めて梁を切断します。
つり合い式は、
Q-R+P=0
Q-P/2+P=0
Q+P/2 =0
Q = -P/2
です。上記の通り、荷重の作用位置より右側のせん断力は「負の値」です。計算を行い、せん断力の符号が分かりました。
混同しやすい用語
せん断力の正の向き(時計回り)
梁断面を仮想切断したとき、左側の断面が下向き・右側が上向きになるような1組の力の組合せ。
反時計回りの向き(負の値)と混同しやすいが、変形状態(平行四辺形の傾き方向)とセットで覚えると整理しやすい。
せん断力の負の向き(反時計回り)
梁断面を仮想切断したとき、左側が上向き・右側が下向きになるような力の組合せ。
集中荷重の位置を境に正負が切り替わるため、符号変化の位置(ゼロクロス点)を意識して確認する。
せん断力の向きを整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 正のせん断力 | 1組の力が時計回りの向き | 左断面:下向き、右断面:上向き |
| 負のせん断力 | 1組の力が反時計回りの向き | 集中荷重右側では負になる |
| 符号の求め方 | 梁を仮想切断し反力とつりあいを考える | 正と仮定して計算する |
今回は、せん断力の向きについて説明しました。意味が理解頂けたと思います。1組の力が時計回りに向く場合が正の値、反時計回りの方向が負の値です。言葉の意味だけでなく、是非、部材の変形と符号を関連付けて覚えましょう。下記も参考になります。
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では、せん断力の符号定義(時計回り=正)を用いてせん断力図を正しく描く問題が頻出です。
Q図の形(荷重点での値の変化)と符号を一緒に確認し、M図との関係も整理しておきましょう。