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最大せん断応力度とは?3分でわかる意味、公式と求め方、単位、平均せん断応力度との違い

この記事の要点

最大せん断応力度とは部材断面に生じる最大のせん断応力度であり、一般的な断面では中立軸の位置で最大(長方形断面ではτmax=1.5Q/A)・上下端(最外縁)で0となる

断面全体に一様なせん断応力度を仮定した平均せん断応力度τ'=Q/Aに対して、最大せん断応力度は分布の最大値を示し、長方形断面では平均値の1.5倍となる。

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最大せん断応力度とは、部材断面に生じる「最大の」せん断応力度です。

なぜ「最大」と付けるかというと「せん断応力度は断面の位置で大きさが異なる」からです。

最大があれば「せん断応力度の最小値」もあります。

※ただし最小値=0なので工学的に意味が無く「最小せん断応力度」という用語は使いません。

また、断面に一様なせん断応力度が生じると仮定した値を「平均せん断応力度」といいます。


今回は、最大せん断応力度の意味、公式と求め方、単位、平均せん断応力度との違いについて説明します。せん断応力度の導出(誘導)方法、せん断応力、平均せん断応力度の詳細は下記が参考になります。

梁のせん断応力度の計算方法|断面形状別の分布と許容値

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最大せん断応力度とは?意味、公式と求め方、平均せん断応力度との違い

最大せん断応力度とは、部材断面に生じる最大のせん断応力度です。長方形断面のせん断応力度分布を下図に示します。断面の中央でせん断応力度は最大値となります。


最大せん断応力度


なぜ「最大」と付くかというと、上図のように「せん断応力度は断面の位置で大きさが変わる」からです。

最大があれば、当然「最小値」もあります。

ただし、せん断応力度の最小値は「0」であり工学的に求める意味は無く「最小せん断応力度」という用語は使いません。


せん断応力度τを求める公式(一般式)を下記に示します。



上式は部材の微小断面における応力のつり合いから導出します。※積分を用いて誘導します。誘導方法に興味がある方は下記が参考になります。

梁のせん断応力度の計算方法|断面形状別の分布と許容値


上式のQはせん断力、Sは断面一次モーメント、bは断面の幅、Iは断面二次モーメントです。


SやIは断面形状に応じた固有の値です。要するに「断面形状に応じて、せん断応力度の公式」は変わります。


ただし、断面形状が変わっても建築で一般的に用いる断面形状については、


中立軸の位置で最大せん断応力度

・上端、下端(最外縁)でせん断応力度は0


となる点は概ね共通しています。※なぜ最外縁でτ=0になるかは、断面一次モーメントを求めると分かります。Sは中立軸で最大、最外縁で最小となる式です。


以上の性質から、H形鋼は「フランジで曲げ応力度、ウェブでせん断応力度を処理する」ような形状です。

H形鋼(H鋼)とは?規格・寸法・材質・用途を解説

ウェブとフランジの違いとは?H形鋼のどこか・役割・覚え方を解説


例えば長方形断面の最大せん断応力度を求めると、


τ=1.5Q/A


となります。Qはせん断応力、Aは部材断面積です。※長方形のせん断応力度の求め方は、下記も参考になります。

せん断応力とは?公式・計算法・せん断応力度との違いを解説


以上、せん断応力度は「断面の位置で大きさが変わる」のですが、「断面に一様なせん断応力度が生じる」とした値を「平均せん断応力度」といいます。


せん断力Qを、Qが作用する断面積Aで割れば「断面について一様に作用するせん断応力度」が算定できるので、平均せん断応力度τ'=Q/Aです。平均せん断応力度の詳細は下記をご覧ください。

平均せん断応力度とは?求め方と最大せん断応力度との比(長方形1.5倍)の関係

最大せん断応力度の単位

最大せん断応力度の単位は「N/m㎡」が一般的です。

同様の単位を意味するPaを使っても間違いでは無いですが、建築の構造力学では用いません。

また、N/m㎡の方が「単位面積当たりの力」を意味するのでイメージしやすいですね。

せん断応力の単位は下記が参考になります。

せん断応力の単位はN/mm²・kN?読み方・変換・せん断応力度との違いを解説

混同しやすい用語

最大せん断応力度 τmax=1.5Q/A(長方形断面)

断面中立軸の位置で生じるせん断応力度の最大値。

断面一次モーメントSが中立軸で最大となることに起因する。

平均せん断応力度τ'=Q/Aに対して、最大せん断応力度は長方形断面で1.5倍、断面内での分布の頂点値を示す点が異なる。

平均せん断応力度 τ'=Q/A

断面全体に一様なせん断応力度が分布すると仮定した値。

せん断力Qを断面積Aで除するだけで求められる簡易な値。

最大せん断応力度に対して、平均せん断応力度は断面内の分布を無視した近似値であり、実際の最大値より小さい(長方形では2/3倍)。

最大せん断応力度に関する公式と特性を整理した表を示します。

項目内容備考
長方形断面の最大せん断応力度τmax=1.5Q/A中立軸位置で最大値
平均せん断応力度τ'=Q/A最大値の2/3の値
最外縁のせん断応力度0断面一次モーメントSが最外縁で0になるため

まとめ

今回は最大せん断応力度について説明しました。

最大せん断応力度とは、断面に生じる「最大の」せん断応力度です。

せん断応力度は、断面の位置で大きさが変わります。

一般的断面の中立軸で最大、最外縁で0となります。

せん断応力度の公式の誘導など、下記も併せて学習しましょう。

梁のせん断応力度の計算方法|断面形状別の分布と許容値

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理解度チェック

Q.

最大せん断応力度とは何で、一般的な断面のどこで最大・0になりますか。

答えを見る

部材断面に生じる最大のせん断応力度です。せん断応力度は断面の位置で大きさが変わり、建築で一般的な断面では中立軸の位置で最大、上端・下端(最外縁)で0になります(断面一次モーメントSが中立軸で最大・最外縁で0のため)。

Q.

せん断応力度の一般式と、長方形断面の最大せん断応力度を答えてください。

答えを見る

一般式は τ=QS/bI(Qはせん断力、Sは断面一次モーメント、bは断面の幅、Iは断面二次モーメント)です。長方形断面の最大せん断応力度は τmax=1.5Q/A(Aは断面積)となります。

Q.

最大せん断応力度と平均せん断応力度の違いを答えてください。

答えを見る

平均せん断応力度 τ'=Q/A は断面に一様なせん断応力度が生じると仮定した値(分布を無視した近似値)です。最大せん断応力度は分布の最大値で、長方形断面では平均せん断応力度の1.5倍(平均は最大の2/3)になります。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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