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最大せん断応力度とは?3分でわかる意味、公式と求め方、単位、平均せん断応力度との違い

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最大せん断応力度とは、部材断面に生じる「最大の」せん断応力度です。なぜ「最大」と付けるかというと「せん断応力度は断面の位置で大きさが異なる」からです。最大があれば「せん断応力度の最小値」もあります。※ただし最小値=0なので工学的に意味が無く「最小せん断応力度」という用語は使いません。また、断面に一様なせん断応力度が生じると仮定した値を「平均せん断応力度」といいます。


今回は、最大せん断応力度の意味、公式と求め方、単位、平均せん断応力度との違いについて説明します。せん断応力度の導出(誘導)方法、せん断応力、平均せん断応力度の詳細は下記が参考になります。

梁のせん断応力度

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平均せん断応力度とは?1分でわかる意味、求め方、最大せん断応力度との違い

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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最大せん断応力度とは?意味、公式と求め方、平均せん断応力度との違い

最大せん断応力度とは、部材断面に生じる最大のせん断応力度です。長方形断面のせん断応力度分布を下図に示します。断面の中央でせん断応力度は最大値となります。


最大せん断応力度


なぜ「最大」と付くかというと、上図のように「せん断応力度は断面の位置で大きさが変わる」からです。最大があれば、当然「最小値」もあります。ただし、せん断応力度の最小値は「0」であり工学的に求める意味は無く「最小せん断応力度」という用語は使いません。


せん断応力度τを求める公式(一般式)を下記に示します。



上式は部材の微小断面における応力のつり合いから導出します。※積分を用いて誘導します。誘導方法に興味がある方は下記が参考になります。

梁のせん断応力度


上式のQはせん断力、Sは断面一次モーメント、bは断面の幅、Iは断面二次モーメントです。


SやIは断面形状に応じた固有の値です。要するに「断面形状に応じて、せん断応力度の公式」は変わります。


ただし、断面形状が変わっても建築で一般的に用いる断面形状については、


・中立軸の位置で最大せん断応力度

・上端、下端(最外縁)でせん断応力度は0


となる点は概ね共通しています。※なぜ最外縁でτ=0になるかは、断面一次モーメントを求めると分かります。Sは中立軸で最大、最外縁で最小となる式です。


以上の性質から、H形鋼は「フランジで曲げ応力度、ウェブでせん断応力度を処理する」ような形状です。

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例えば長方形断面の最大せん断応力度を求めると、


τ=1.5Q/A


となります。Qはせん断応力、Aは部材断面積です。※長方形のせん断応力度の求め方は、下記も参考になります。

せん断応力とは?1分でわかる意味、公式と計算法、記号、平均せん断応力


以上、せん断応力度は「断面の位置で大きさが変わる」のですが、「断面に一様なせん断応力度が生じる」とした値を「平均せん断応力度」といいます。


せん断力Qを、Qが作用する断面積Aで割れば「断面について一様に作用するせん断応力度」が算定できるので、平均せん断応力度τ'=Q/Aです。平均せん断応力度の詳細は下記をご覧ください。

平均せん断応力度とは?1分でわかる意味、求め方、最大せん断応力度との違い

最大せん断応力度の単位

最大せん断応力度の単位は「N/m㎡」が一般的です。同様の単位を意味するPaを使っても間違いでは無いですが、建築の構造力学では用いません。また、N/m㎡の方が「単位面積当たりの力」を意味するのでイメージしやすいですね。せん断応力の単位は下記が参考になります。

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まとめ

今回は最大せん断応力度について説明しました。最大せん断応力度とは、断面に生じる「最大の」せん断応力度です。せん断応力度は、断面の位置で大きさが変わります。一般的断面の中立軸で最大、最外縁で0となります。せん断応力度の公式の誘導など、下記も併せて学習しましょう。

梁のせん断応力度

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