この記事の要点
真ひずみ度は荷重による長さの変化を逐一考慮したひずみで、ε'=ln(1+ε)またはln(L/L?)で計算する。
構造力学では扱いが簡単な公称ひずみ度(ε=ΔL/L?)が一般的に使われ、真ひずみ度との差は小変形時に無視できる。
この記事では、真ひずみ度とは何か、公式はどう求めるのか、公称ひずみ度とどう違うのかを整理します。
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真ひずみ度とは、荷重による長さの変化を考慮したひずみです。
公称ひずみ度と、ほぼ同じか僅かに小さくなります。
構造力学では、扱いが簡単な「公称ひずみ」を「ひずみ」を用います。
今回は真ひずみ度の意味、公式の求め方、公称ひずみ度との違いについて説明します。
公称ひずみ度の求め方、公式などは下記が参考になります。
ひずみ・ひずみ度とは?意味・公式(ΔL/L)・単位・応力との関係を解説
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真ひずみ度とは、荷重による長さの変化を考慮したひずみです。下図をみてください。棒を元の長さより10mm長くなるまで引っ張ります。元の長さが1000mmのとき、これまで勉強した公称ひずみは、
ε=ΔL÷L=10÷1000=0.01
です。
実際には、棒を引っ張って、急に最終的な変形量10mmになるのではなく、荷重を加えてから「棒は徐々に」伸びています。「棒の元の長さ」と「変形量」の関係も徐々に変化しています。
よって、棒の最終的な変形量10mmを「棒の元の長さ」で割るのではなく、逐一変化する棒の長さと変形量を考慮した「ひずみ度」が、真ひずみ度です。
真ひずみ度の公式を下記に示します。
ε'=ln(1+ε)またはε'=ln(L/Lo)
ε'は真ひずみ度、εは公称ひずみ度、Lは最終的な部材の長さ、Lo部材の元の長さです。
上記の公式を誘導します。
下図をみてください。
棒の3つの状態を示します。
1つは荷重が作用していない状態です。
元の長さをLoとします。
次に荷重を加えた、ある時点の状態です。
部材の長さをxとします。
また、元の長さLoに対して、dxだけ微小変形したと考えます。
最終的に、部材長さはLとなり、元の長さと比べるとΔL伸びました。
状態2を見てください。ある時点でのひずみ度は、
ε(x)=dx/x
です。上記は、ある時点でのひずみ度で、dx、x共に変数です。よって、これを状態1から状態3まで積分すれば、長さの変化を考慮したひずみ度が算定できます。
です。※logL-log Lo=logL/Loは対数の公式を参考にしてください。またlogの定数がeのとき、lnと表記します。
さて、L=ΔL+Loでした。上式をさらに変形すると、
です。
真ひずみ度と公称ひずみ度の違いを下記に示します。
真ひずみ度 ⇒ 逐一変化する部材の元の長さと、部材の変形量の関係を考慮したひずみ度
公称ひずみ度 ⇒ 部材の変形量を、部材の元の長さで除した値
公称ひずみ度の公式は、下記が参考になります。
ひずみ・ひずみ度とは?意味・公式(ΔL/L)・単位・応力との関係を解説
混同しやすい用語
真ひずみ度(ε')
荷重増加とともに逐一変化する「その瞬間の長さ」を基準に積分したひずみ。
ε'=ln(L/L?)で求まる。
公称ひずみ度より正確だが計算が複雑で、大変形が想定される材料試験などで用いられる。
公称ひずみ度(ε)
変形量ΔLを部材の元の長さL?で除した値(ε=ΔL/L?)。
構造力学で通常「ひずみ」として使われる値。
真ひずみ度との違いは「基準長さを元の長さに固定するか、逐一変える(積分)か」で、小変形時はほぼ一致する。
真ひずみ度を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 真ひずみ度(ε') | ε'=ln(L/L?)またはln(1+ε) | 逐一変化する長さを考慮 |
| 公称ひずみ度(ε) | ε=ΔL/L?(変形量÷元の長さ) | 構造力学で通常使用 |
| 大小関係 | 真ひずみ度≦公称ひずみ度 | 小変形時はほぼ一致 |
今回は真ひずみ度について説明しました。
意味が理解頂けたと思います。
真ひずみ度は、部材の元の長さの変化を考慮したひずみ度です。
公称ひずみ度に比べると計算が難しいですね。
まずは公称ひずみの意味を理解しつつ、真ひずみ度の考え方を習得しましょう。
下記の記事も参考になります。
ひずみ・ひずみ度とは?意味・公式(ΔL/L)・単位・応力との関係を解説
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
建築士試験では主に公称ひずみ度(ε=ΔL/L?)が出題され、真ひずみ度の計算は高度な材料力学の範囲です。
「真ひずみ≒公称ひずみ(小変形時)」という関係と、ε'=ln(1+ε)の公式の意味を理解しておきましょう。