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建築物の層とは?意味・階との違い・構造計算での使い方をわかりやすく解説

この記事の要点

建築構造計算における「層」は隣り合う床・屋根間の空間を指し、「階」は建築基準法上の居室の区分であり、必ずしも一致しない

層せん断力や層間変形角など構造計算での「層」の概念は、耐震設計の基本となるため正確に理解することが重要。

この記事では、建築物の層とは何か、階とどう違うのかを整理します。

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建築物の層とは、床の総称です。また、床と床の間の空間を「階」といいます。


「層」と「階」は、建築の仕事をする方なら必ず理解すべきです。


今回は、建築物の層の意味、階との違い、層の使い方、構造計算との関係について説明します。

建築物の層とは?

建築物の層とは、床のことです。下図をみてください。3階建ての建物です。この建物は、「何層」あるでしょうか。


答えは、4層です。層は「床」と同じ意味です。1階の床から1層と始まり、3階の屋根が4層目になります。

層

厳密には、屋根と床は違いますが、屋根も「層」に含めます。

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層と階の違い

層と階の違いを、下図に示しました。層は床のことでした。階は、層と層の間にある空間を意味します。


よって、階と層の数え方は違います。3階建ての場合、4層あります。5階建てなら6層です。

層と階の違い

混同しやすいので、注意してください。

層と構造計算の関係、層の使い方

建築物の構造計算をするとき、「階」よりも「層」が重要です。建物の構造部材は、床下(屋根下)や外壁周りに集中するからです。


例えば、


大梁

小梁

スラブ


などは、層の位置にある部材です。階ではなく、層で考える方が、構造計算は都合が良いのです。建築物の構造部材を示した「構造図」に、伏図と軸組図があります。


伏図は、主に床や屋根などの「層」にある部材を表記します。伏図の意味は、下記事が参考になります。

伏図とは?種類・見方と梁伏図・床伏図・基礎伏図の違い(読み方:ふせず)


また、建築物の振動性状を解析する方法に、時刻歴応答解析があります。※詳細は、下記が参考になります。

建物の応答解析って何?応答解析の歴史を知る5つのTIPs


時刻歴応答解析では、建物の各層を質点(質量のみをもつ点)に置き換え計算します。上部構造の振動性状を解析する場合、2層目から質点に置き換えます。


6階建なら6質点のモデルです。これを多質点系モデルといいます。※多質点系は下記が参考になります。

耐震設計の基礎-多質点系の振動方程式-

混同しやすい用語

層(構造計算上の層)

構造計算で使う概念で、隣り合う床・屋根面に挟まれた空間を指し、層間変位・層せん断力の計算単位となる。

「階」に対して、「層」は構造力学的な分節であり、地下部分の考え方や梁の位置などで階数と異なる場合がある。

階(建築基準法上の階)

建築基準法に基づく建物の区分で、原則として床から次の床(または屋根)までの空間を1階と数える。

「層」に対して、「階」は法令上の概念であり構造計算では階よりも層の概念で計算を行う。

建築物の層と階の違いを整理した表を示します。

項目内容備考
床・屋根の位置(構造計算上の概念)3階建て=4層
層と層の間の空間(建築基準法上の概念)3階建て=3階
構造計算との関係層を単位として層せん断力・層間変位を計算多質点系モデルで各層を質点化

まとめ

今回は、について説明しました。意まずは、階と層の違いを理解しましょう。


混同する方は、「床」を層と考えてくださいね。また、構造計算では階よりも「層」が重要です。


階数を聞いて、「何層の建物か?」理解しましょう。余裕がある方は、振動解析の質点系も勉強しましょう。

質点とは?質点系・運動方程式との関係と建築振動解析(地震応答)での使い方

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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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