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建物の応答解析って何?応答解析の歴史を知る5つのTIPs

普段、僕らが設計している建物のほとんどが一般的な構造計算で行っています。一方、ごくまれに超高層ビルやタワー(スカイツリーなど)の構造設計を行う会社もあります。これらの超高層建物(具体的に45m以上)は別途、特別な検討が必要なのです。


それが応答解析(動的解析、振動解析のこと)です。応答解析とは、動的解析とか振動解析と同じ意味と考えています。50年以上前、既に振動解析の理論はあったのですが、ようやく建物のスペクトルが重要、とわかった年代でした。


当時の図書を読むと、「動的解析」と銘打ったものが多く、スペクトルの重要性が発見され、その意味を汲んで「応答解析」と名前が変わったのかもしれません。


さて、応答解析は建物の変形や加速度などがわかる高度な計算です。今回は、そんな応答解析をざっくり知るために、過去の歴史を振り返るTIPsを紹介します。

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1.1950年代までは20m以上の建物は建設できなかった。

当時の建築基準法では20m以上の建物は建設できませんでした。構造設計者が用心深かったのでしょうか。もちろん超高層の技術も蓄積が貧弱だったことも否めません。


2.日本で超高層建物の気運が高まったきっかけは地価の高騰

日本の経済成長と共に都心の地価が高騰したことで、超高層建物の気運が一気に高まりました。今では世界中で超高層ビルが建設されていますが、国の技術力を表す象徴にも見えます。各国が1mでも高い建物を年々建設していますね。


3.地盤の固さによって採用する地震波は違う。

地盤の固さで地震力が違うことは当時でも注目されていました。特に、弱い地盤では地震力が増幅される点、地震波の種類と地盤の固さによって応答が異なる点も、研究者の興味を惹いたのです。


4.1950年代、最大層間変位は20mm程度に抑えることが建築界の常識だった。

当時から、変形が躯体のみならず開口や仕上げに影響を及ぼすことは知られていました。そこで、最大層間変位を20mmに抑えることが常識であったようです。


余談ですが、仕上げ材の最大層間変形角は1/120に抑えることが義務付けられています。一般的な建物の階高は3000mmくらいですから、3000/120=25mmと、当時の数字と若干違いますが、考え方が踏襲されているように思います。


5.1960年頃、階毎の剛性を急激に変えるべきでないことが明らかになった。

今では、当たり前のように「剛性率」が建物に悪影響を及ぼすことが知られています。しかし、当時では超高層建物の研究成果として、「ホイッピング」を解消する目的でようやく明らかになりました。


ホイッピングとはムチ振り現象と呼ばれます。ムチは力を加える手首よりも、先端が良くしなります。当時、建物の剛性は1階が大きく、上階に従って剛性が低い建物が一般的でした。これは、層せん断力に対する対応としては正解なのですが、ホイッピングにより応答が大きくなり、地震力が小さい上階で応答が増幅される現象がみられたのです。


そのため、上階の剛性を上げたところ、上記の問題は解消されたのです。このとき、各階の剛性は極端に変えるべきでない、ことが明らかになりました。

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