この記事の要点
実際の建物の地震応答を精度よく求めるには、単質点モデルでは不十分で多質点系でモデル化する必要がある。
各質点の変位・速度・加速度を時刻ごとに追う時刻歴解析は、耐震設計の根拠として使われる高度な解析手法だ。
この記事では多質点系の振動方程式の導出・時刻歴応答解析の手順・ニューマークβ法との関係を解説する。
剛床仮定とせん断質点系モデルを用いることで、建物の各階を質点と層間剛性に置き換えた連立方程式として解くことができ、これが多質点系応答解析の基礎となる。
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多質点系の時刻歴応答解析では、モデル化で串団子のような重量を質点に集中させます。通常、建物の床は面内剛性が高いとされているので床の変形は一定とします。
この仮定を剛床仮定と呼びます。さらに、床は他の部材に比べて考えると重量が大きいので、そこに重量が集中していると考え、このようなモデル化をせん断質点系と呼びます。
で、一質点系とは、団子が一つの状態です。団子が二つ以上のものは多質点系と呼んでいます。
多質点系の時刻歴応答解析を考えるとき、その振動方程式の導き方等は1自由度系と変わりありません。
計算過程は単純ですが、手計算で導出できる限界のレベルとして、3質点系のモデルに関して振動方程式を求めてみましょう(i層で考えても良いんですけどね、説明がごちゃごちゃしますので)。
さて、以下に示す図のような3質点系のモデルについて振動方程式を導出してみます。mは質点の重量、kはせん断剛性を表しています。
地震動が作用しているので、地面自体が水平方向に揺れ、ある原点からug(t)の変位が生じます。
1質点系のモデルで振動方程式を求める場合でも串団子の串の部分を切って、各層に作用する力のつり合いを考えましたね。
3質点系のモデルでも同様に考えてみましょう。以下の図のように、組み立てることが出来ますので、連立方程式として示します。
混同しやすい用語
一質点系と多質点系(せん断質点系)
一質点系は建物全体を1つの質点と1つのばね・ダッシュポットで表す最も単純なモデルで、建物の全体的な振動特性を把握するのに用いる。
多質点系は各階床を独立した質点として扱い、層間剛性をばねで接続するモデルで、高層建物の各階の応答(変位・加速度)を精度よく求めるために使用される。
剛床仮定と質量行列・剛性行列
剛床仮定とは各階の床が面内変形しないとみなすことで、これにより各層の水平変位を1自由度に集約できる。
この仮定のもと振動方程式をマトリクス形式で表すと、質量行列[M]は対角行列、剛性行列[K]は三重対角行列となり、計算が体系的に行えるようになる。
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多質点系のモデル化(せん断質点系)とは?
串団子のように床に重量を集中させ、剛床仮定(床の面内剛性が高く変形一定)のもとでモデル化したものです。団子が2つ以上のものを多質点系といいます。
多質点系の振動方程式はどう導きますか?
各層に作用する力のつり合いを考えて連立方程式とし、マトリクス表示します。導き方自体は1自由度系と変わりありません。
剛床仮定のもとでの質量行列・剛性行列の形は?
質量行列[M]は対角行列、剛性行列[K]は三重対角行列となります。
