この記事の要点
質点(しってん)とは、大きさを無視して質量だけを持つと仮定した点のことです。建築物の地震応答解析では、各階の質量を質点に置き換えて振動をモデル化します。
質点系・多質点モデル・固有周期との関係と、なぜ建築物を質点で近似できるのかを実務設計者の目線で解説します。
建築物の振動解析(揺れ方)を行う時に使います。
この記事では、質点とは何か、質点系とはどのような考え方か、運動方程式との関係を整理します。
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質点とは、大きさのない質量のかたまりです。
建築物の振動解析(揺れ方)を行う時に使います。
建築物は複雑なので、全てをモデル化するのは難しいです。
そこで質点に置き換えるのです。
今回は、質点の意味、質点系、質点と運動方程式について説明します。
※振動方程式の誘導を示した記事です。
下記が参考になります。
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質点とは、大きさのない質量のかたまりを意味します。
下図をみてください。
左側が、建築物です。
建築物は屋根、床、壁など様々な部材から構成されます。
それぞれの部材が重量を持ちます。
しかし、建築物を複雑なままにモデル化し、振動解析するのは難しいです。
よって「質点」にモデル化します。
質点にモデル化するときのルールがあります。質点(質量のかたまり)は、屋根または床に質量が集まるとしてモデル化します。
見た目が「お団子」みたいなので、串団子とか串団子モデル、という方もいます。
力学で「系」とは、システムとかモデルを意味します。よって、質点系とは、「質点を用いたモデル(モデル化)」と考えることができますね。
建築では、振動方程式を組み立てるとき質点系とします。前述したように、建築物全てをモデル化するのは複雑すぎるからです。
1質点系とは、1層の建物を質点系にモデル化したものです。1質点系の振動方程式の誘導は下記が参考になります。
非減衰自由振動の解とは|運動方程式の解法と固有振動数・周期の求め方を解説
質点の数を決めずにモデル化したものを多質点系といいます。多質点系の前段階として、3質点系の振動方程式を誘導しました。※多質点系になると方程式の数が増えるので、マトリクス表示が便利です。下記が参考になります。
混同しやすい用語
質点
大きさを持たず質量のみを持つ仮想的な点。
振動解析で建築物の重量をこの点に集約してモデル化する。
1質点系
1層の建物を1つの質点でモデル化したもの。
多質点系と異なり方程式が1本で済むため計算が単純。
多質点系
複数の質点を用いて多層建物をモデル化したもの。
各層の質量を別々の質点に置き換えてマトリクスで解く。
質点を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 質点 | 大きさのない質量のかたまり(仮想的な点) | 振動解析で建物重量を集約してモデル化 |
| 1質点系 | 1層の建物を1つの質点でモデル化 | 方程式が1本で計算が単純 |
| 多質点系 | 複数の質点で多層建物をモデル化 | マトリクスを用いて解く |
今回は質点について説明しました。意味が理解頂けたと思います。質点は、建築物の振動方程式で大切です。まずは1質点系の振動方程式から勉強して、多質点系の振動方程式をモデル化してみましょう。下記の記事が参考になります。
非減衰自由振動の解とは|運動方程式の解法と固有振動数・周期の求め方を解説
また、建築学生が振動の勉強をするなら、下記がおすすめです。振動解析の必須本ですね。
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質点とは何ですか?
大きさを無視して質量だけを持つと仮定した点です。建築物の振動解析(地震応答)で、複雑な建物を屋根や各階の床に質量を集約した質点に置き換えてモデル化します(串団子モデル)。
質点系とは何ですか?
力学で「系」はモデル(システム)を意味し、質点系は質点を用いたモデル化のことです。建築では振動方程式を組み立てるときに質点系とします。
1質点系と多質点系の違いは何ですか?
1質点系は1層の建物を1つの質点でモデル化したもので方程式が1本で済みます。多質点系は複数の質点で多層建物をモデル化したもので、方程式が増えるためマトリクスを用いて解きます。
