この記事の要点
水圧とは、水が持つ圧力のことです。
計算式は「P=ρgh」です。
ρは水の密度(約1,000kg/m³)、gは重力加速度(9.8m/s²)、hは深さ(m)です。
10mの深さでは水圧はおよそ98kPa(約0.1MPa)となります。
建築設備の給排水計画では、高さ(水頭)と圧力の関係がポンプ選定や配管設計の基礎になります。
水圧の性質として「水深に比例する」「面に対して垂直に作用する」「任意点に作用する水圧はすべて等しい」の3点を押さえておきましょう。
この記事では、水圧とは何か、水圧はどう計算するのか、大気圧とどう関係するのかを整理します。
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水圧(すいあつ)とは、水による圧力です。水中では水による圧力が生じます。
なぜでしょうか?物に重力が作用するように、空気や水にも重力が作用します。重力の作用による水の重さが「水圧」です。
また、空気の重さを「大気圧(たいきあつ)」といいます。今回は水圧の意味、記号と計算、10mの水圧、単位、公式、大気圧との関係について説明します。
なお、水圧を「静水圧」ともいいます。静水圧、大気圧の詳細は下記が参考になります。
大気圧とは|101.3kPaの値の意味・計算方法と絶対圧・ゲージ圧の違いを解説
水圧(すいあつ)とは、水による圧力です。「静水圧(せいすいあつ)」ともいいます。静水圧の詳細は下記をご覧ください。
下図のように、水中では物体の全方向に対して圧力が生じます。さらに、水深が深い位置の方が大きな水圧が作用します。
なぜ水による圧力が生じるのでしょうか。全ての物には重力が作用します。当然、空気や水にも重力が生じています。
よって重力の作用により、水中では水の重さが作用します。つまり水の重さ=水圧です。
水深が深くなるほど、それより上の水の重さが作用するため「水圧(水の重さ)」は大きくなります。水圧の重要な性質を3つまとめました。
① 水深が深いほど静水圧は大きくなる
② 静水圧は、ある面に対して垂直に作用する
③ ある点に作用する静水圧は全て等しい
③が間違えやすいので注意してください。よくある間違った説明として水圧の大きさを表すとき、下図のようなボールに水圧が作用する図が使われています。
「水圧はあらゆる方向から作用し、どの方向の水圧も等しい」という説明がなされています。
しかし実際は正しくありません。前述したように、水圧は「水深に比例」します。よって、ボールの下面に作用する水圧の方が大きくなります。
もし水中にある全ての水圧が等しいなら、水槽に入れたボールは自身の重さでそのまま沈んでしまいます。
しかし実際には、ボールは浮力を受けて浮き上がってきます。※中が空気で詰まった軽いボールを想定しています。
つまり下面に作用する水圧の方が大きいことを意味するのです。
③の説明でいう「点」とは、ボールのような大きい物ではなく、高さの無い微小な点を意味します。
微小な点に作用する水圧は全ての方向に対して等しいのです。※これらを数式で証明することもできますが今回は省略します。
興味がある方は実践してみましょう。ヒントは微小な三角形要素を考えることです。
水中では浮力が作用します。浮力の考え方、意味は下記が参考になります。
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水圧の記号は「p」を使うことが多いです。大文字ではなく小文字を使いましょう。また水圧を求める式はp=ρghです。
水圧の公式は
p=ρgh
です。pは水圧、ρは水の密度、gは重力加速度、hは水深です。
水圧の単位はPaやN/㎡などを使います。水圧も圧力なので、圧力の単位に準じます。圧力の単位は下記が参考になります。
圧力の単位Pa・kPa・MPaの換算|kgf/cm²との変換と建築・地盤での使い方
前述した公式を用いて、水深10mにある物に作用する水圧を算定しましょう。水の密度は1.0t/m3、重力加速度は10m/s2とします。
p=ρgh=1000×10×10=100kPa
です。単位換算に注意すれば簡単な掛け算で水圧が計算できますね。
水圧は水の重さだと説明しました。下図をみてください。水面には空気の重さが作用しています。
空気の重さを大気圧といいます。空気自体はとても軽いですが、空から積み重なる空気の重さを考慮すれば、とても重いのです。
大気圧は101.3kPaもあります。つまり、地上にいる我々は既に水深10mの水圧と同じ圧力を空気による受けています。※大気圧の詳細は下記をご覧下さい。
大気圧とは|101.3kPaの値の意味・計算方法と絶対圧・ゲージ圧の違いを解説
とはいえ私たちの身体は大気圧でつぶれたりしません。よって普通は大気圧=0として考えます。この考え方をゲージ圧といいます。
ゲージ圧とは?意味・単位と大気圧・絶対圧との関係(換算方法と建築設備)
一方、大気圧poを考慮して圧力を表す場合、これを絶対圧といいます。前述した水圧を絶対圧で表すと
p=ρgh+po
です。絶対圧の詳細は下記が参考になります。
絶対圧とは?計算式・ゲージ圧への換算と建築給排水・空調設計への応用
混同しやすい用語
水圧(ゲージ圧)
大気圧を0として計測した圧力です。
p=ρghの式はゲージ圧を表しています。
日常の水圧計算ではこちらを使います。
絶対圧との違いは「大気圧を含むかどうか」です。
ゲージ圧は大気圧poを無視し、絶対圧はp=ρgh+poと大気圧を加算します。
大気圧
空気の重さによる圧力で、約101.3kPaです。
水深10mの水圧(約100kPa)とほぼ同じ大きさです。
水圧との違いは「媒体」です。
水圧は水の重さ、大気圧は空気の重さによる圧力です。
ゲージ圧では大気圧=0と扱いますが、絶対圧では両者を合算します。
水圧を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 水圧の公式 | p=ρgh(ρ:水の密度、g:重力加速度、h:水深) | ゲージ圧表示(大気圧=0とする) |
| 水深10mの水圧 | p=1000×10×10=100kPa | 大気圧(101.3kPa)とほぼ同じ大きさ |
| 水圧の性質 | 水深に比例・面に垂直に作用・任意点で全方向等しい | 「任意点」は高さのない微小点を指す |
今回は水圧について説明しました。水圧は水の重さです。よって深い位置の方が水圧は大きくなります。
また水圧はあらゆる面に作用し、面に対して直角に働きます。ある任意点に作用する水圧は全て等しくなることも覚えておきましょう。
余裕がある方は数式を用いて証明しましょう。静水圧、大気圧の詳細など下記も参考にしてください。
大気圧とは|101.3kPaの値の意味・計算方法と絶対圧・ゲージ圧の違いを解説
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水圧の公式は?
p=ρghです(p:水圧、ρ:水の密度、g:重力加速度、h:水深)。
水圧の重要な3つの性質は?
①水深が深いほど静水圧は大きくなる、②静水圧は面に対して垂直に作用する、③ある(高さのない微小な)点に作用する水圧は全方向で等しい、です。
水深10mの水圧はどれくらいですか?
p=1000×10×10=100kPaです。地上の大気圧101.3kPaとほぼ同じ大きさになります。
