この記事の要点
地下がある建物の設計で、地下水位が高い現場に初めて出会ったとき、「浮力で建物が浮く」という感覚が実感として湧かなかった。しかし計算してみると、地下室の底板に数百トンの上向き力が働くケースもあり、杭で押さえないと浮き上がるリスクがある。
建築での浮力は「γ×V」(水の単位体積重量×水中体積)で計算できる。地盤調査で地下水位を確認してから浮き上がりの検討に入る流れを整理する。
例えば浴槽で、物を沈めます。
この記事では、浮力とは何か、公式はどう求めるのか、体積・重力とどう関係するのかを整理します。
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浮力とは、液体による物体を押し上げようとする力です。例えば浴槽で、物を沈めます。手を離すと物が浮いてきますね。これは浮力による作用です。今回は浮力の意味、公式、体積、重力との関係について説明します。
体積、重力の意味は、下記の記事が参考になります。
体積と重量の違いは?1分でわかる重量の計算、比重との違い、鉄
1g(いちじー)とは?重力加速度9.8m/s²の意味・単位・2gの大きさを解説
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浮力とは、液体による物体を押し上げようとする力です。下図をみてください。浴槽でゴムボールを沈めます。手で押さえている間は、ボールは浮き上がりません。しかし、手を離すとボールは浮き上がるはずです。
これが、「物を押し上げようとする」浮力による作用です。また、浮力には下記の性質があります。
・物を押し上げる力
・必ず、鉛直方向の上向きに作用する
・浮力の大きさは、物の体積に比例する(浮力は、物体が押しのけている液体の重さと同じ)
・浮力の大きさは、液体の位置に関わらず一定の値
では、なぜ浮力が生じるのでしょうか。下図をみてください。水槽に四角い箱を入れます。水中にいれると、箱の周囲には「水圧」が作用しています。今回は簡単に説明しますが、水圧は「水深(水中の深さ)」が大きいほど、大きくなります。
上図の箱の上面と下面に着目しましょう。上面と下面では、箱の高さだけ水圧が違います。下面に作用する水圧の方が、箱の高さ分大きいのです。
上面に作用する水圧をA、下面に作用する水圧をBとします。BはAよりも大きいので、BからAを引くと、下面に作用する上向きの圧力が残ります。この圧力が箱の高さだけ作用し、箱を押し上げます。
これが浮力です。上記を計算式で整理すると、浮力は物の体積に比例するとわかります。
浮力の公式は下記です。
R=ρ×V
Rは浮力、ρは水の密度、Vは体積です。浮力は、物の体積に比例します。
浮力は体積が大きいほど、大きい値です。下図をみてください。アルキメデスの原理より、浮力は物体が押しのけている液体の重さと同じです。
物体が押しのけている液体の重さは、
物体の(密度×体積)
で計算できます。下記も参考にしてください。
浮力の単位は、
Kgf
N
kN
で表します。現在は、SI単位系が基本なのでNやkNを使いましょう。SI単位系の意味、kgfからkNへの変換方法は下記の記事が参考になります。
SI単位系とは|7つの基本単位と建築で使う組立単位・変換方法を解説
kN(キロニュートン)をkgに換算する方法|1kN≒102kg・kgfとの関係も解説
浮力の単位の詳細は、下記の記事も参考になります。
浮力の単位はN・kN|kgf換算・公式(F=ρgV)との関係を解説
水中でも重力は作用します。浮力と重力の関係を下記に整理しました。
浮力<重力 浮力より重力が大きい。
重力は下向きの力なので、物は沈む。
浮力>重力 重力より浮力が大きい。
浮力は上向きの力なので、物は浮き上がる。
混同しやすい用語
浮力(ふりょく)
液体中の物体に上向きに作用する力で、アルキメデスの原理から「物体が排除した液体の重量に等しい」です。
建築では地下水による基礎への上向き荷重として設計上考慮します。
重力(じゅうりょく)
物体に下向きに作用する力(質量×重力加速度)です。
浮力と逆方向に作用し、浮力<重力なら沈み、浮力>重力なら浮き上がります。
基礎設計では浮き上がりを防ぐ検討が必要です。
揚圧力(ようあつりょく)
ダムや地下構造物の底面に地下水圧が上向きに作用する力です。
浮力と同様に上向きですが、揚圧力は主に水理学的な水圧分布を指し、建築基礎設計では浮力として一括して扱われることがあります。
浮力を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 浮力の定義 | 液体による物体を押し上げる上向きの力 | アルキメデスの原理 |
| 浮力の公式 | R=ρ×V(密度×体積) | 体積に比例 |
| 浮力と重力の関係 | 浮力>重力なら浮き上がる | 浮力<重力なら沈む |
今回は浮力について説明しました。意味が理解頂けたと思います。浮力は、液体による物を押し上げる力です。浮力の原理、公式、重力との関係を理解しましょう。下記の記事も併せて参考にしてください。
浮力の単位はN・kN|kgf換算・公式(F=ρgV)との関係を解説
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