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断面二次モーメントIと曲げモーメントMの関係を下記に示します。下式の通り、曲げモーメントMを断面二次モーメントIで割り算し、縁端距離y1(y2)を掛け算すると、曲げ応力度σが得られます。
上式の関係より、断面二次モーメントIが大きいほど断面に生じる曲げ応力度σは小さくなります。これを単純に表現ですると「断面二次モーメントを大きくすると、曲げに強くなる」ということですが、何が、どう強いのか定量的に解説しましょう。
さて曲げモーメントに対して部材が問題ないかどうかは、許容応力度と部材に生じる曲げ応力度を比較して「許容応力度>曲げ応力度」を確認します。
たとえば、ある部材の長期許容応力度が156N/mm2、断面に生じる曲げ応力度が150N/mm2とします。この部材の曲げモーメントに対する余裕は約4%(≒1-150/156)ほどしかなく、少しの荷重増加が起きれば、曲げ応力度が許容応力度を超えてしまい安全性を損ないます。そこで、部材の断面二次モーメントIを大きくするのです。たとえば、Iを1割ほど大きくすれば、曲げ応力度は約136.3N/mm2(≒150/1.1)となり、部材の曲げモーメントに対する余裕は約13%(≒1-136/156)に増えます。
つまり、Iを大きくして曲げ応力度が小さくなることにより、部材断面の曲げモーメントに対する負担が減る(余裕が増える)のです。
さらに、断面二次モーメントを大きくすると「たわみ」が小さくなります。たわみの計算式は荷重条件、支持条件によって様々ですが、最も簡単なたわみの公式を下記に示します。
上式より、分母に断面二次モーメントIがあるため、Iが大きくなるほど、たわみδは小さくなります。断面二次モーメントを大きくすれば、部材断面の曲げモーメントに対する負担が減り、たわみも小さくなります。これを一言でいってしまえば、Iを大きくすると「部材はかたくなり、曲げにくくなる」ということです。
では、どうすれば断面二次モーメントを大きくできるのでしょうか。長方形の断面二次モーメントの公式を下記に示します。bは長方形の幅、hは高さです。よって、Iを効率的に大きくしたければIはhの三乗に比例するので、断面の高さhを増やすべきです。
今回は、断面二次モーメントと曲げモーメントの関係について説明しました。断面二次モーメントを大きくするほど曲げ応力度は小さくなり、部材断面の曲げモーメントに対する負担が減るといえます。断面二次モーメント、曲げモーメントの詳細は下記が参考になります。
断面二次モーメントとは?1分でわかる意味、計算式、h形鋼、公式、たわみとの関係
曲げモーメントとは?わかりやすい意味、正負の考え方、記号と単位、曲げモーメントからせん断力を求める方法、公式、計算例は?
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