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モールの応力円とは?1分でわかる意味、導出、主応力の求め方は?

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モールの応力円とは、縦軸にせん断応力、横軸に垂直応力をとり、断面に生じる垂直応力とせん断応力の関係を表す円です。モールの応力円を描くことで、簡単に断面の任意の角度に生じる垂直応力、せん断応力がわかります。なお、モールの応力円の方程式は、2軸方向に生じる応力のつりあいから求めます。今回はモールの応力円の意味、導出方法、主応力の求め方について説明します。二軸応力のつりあい、主応力の求め方は下記が参考になります。

2軸方向に生じる応力とは?任意断面の応力の求め方と力のつりあいは?

主応力の求め方は?2次元要素の主応力の導出方法、最大主応力、最小主応力の求め方は?

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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モールの応力円とは?

モールの応力円とは、縦軸にせん断応力、横軸に垂直応力をとり、断面に生じる垂直応力とせん断応力の関係を表す円です。下図にモールの応力円を示します。


モールの応力円


上図のように、応力円を描ければ断面の任意の角度(2θ)における垂直応力、せん断応力が簡単にわかります(※なお、モールの応力円では、角度は2θが主値となる)。このように、モールの応力円を使えば


・視覚的に断面に生じる応力状態がわかる


という利点があります。一方で、現在は計算プログラムおよび、その結果を表示する視覚化プログラムが優れており、建築構造の実務でモールの応力円をあえて使う機会は、そう多くありません(応力円を使わなくても任意断面の応力が簡単にわかる。例えばFEMソフト等)。


さて、上図に示したモールの応力円を眺めると、モールの応力円には下記の特徴があることがわかります。


・応力円のy座標の中心はx軸(σ軸)と一致する、すなわち円の中心は(a,0)となる(aは任意の値)

・せん断応力τ=0のとき、σは最大値(σ1)、最小値(σ3)をとる

・円の中心となる座標で、τは最大値(τmax)、最小値(τmin)をとる

・τmax、τminの値は、応力円の半径に相当する

・σ1とσ3の差は応力円の直径に相当する、すなわち、(σ1-σ3)/2はτの極値(最大値、最小値)となる


上記はモールの応力円に共通した特徴です。また、上記における垂直応力の最大値、最小値を併せて「主応力」といい、σ1を最大主応力、σ3を最小主応力、τmax、τminを主せん断応力といいます。

主応力について

主せん断応力とは?1分でわかる意味、求め方、導出、方向、主応力との関係は?


さて、平面(2次元)の断面に応力が生じる場合の、モールの応力円の方程式を下記に示します。σ、τは断面の任意の角度における応力、σx、σyはx軸、y軸に生じる垂直応力、τxyはせん断応力です。


モールの応力円の方程式1


2軸方向の応力状態と微小三角形要素


上式の導出方法は下記リンクあるいは後述を参考にしてください。

主応力の求め方は?2次元要素の主応力の導出方法、最大主応力、最小主応力の求め方は?


式①よりモールの応力円は


モールの応力円の方程式2


です。つまり、σx、σy、τxyの値が既知であれば、応力円を描けることがわかります。具体的にσx、σy、τxyが既知の場合における、モールの応力円の描き方の例を示しましょう。まず、下図のように縦軸にτ、横軸にσをとる直交座標を描きます。


モールの応力円の描き方1


次に、σ軸上にσx、σyの点および垂直線を描きます。


モールの応力円の描き方2


次に、(σ,τ)=(σx,τxy)、(σ,τ)=(σy,-τxy)となる点を定めて線を結び、この線が直径となる円を描けば、応力円の外形が描けます。


モールの応力円の描き方3


以上のように、σx、σy、τxyからモールの応力円が描け、あらゆる断面の垂直応力、せん断応力の関係が得られる点はとても便利です。

モールの応力円の導出は?

前述したモールの応力円の方程式(式①)の導出は、平面(2次元)に生じる応力のつりあいを理解すれば簡単です。2軸方向に応力が生じる物体における任意断面の垂直応力、せん断応力を下記に示します。


モールの応力円の導出1


ここで円の方程式を思い出してください。円の方程式は


円の方程式の公式、半径の関係1


です。σとτの関係を円の方程式で表すことを目標に式を変形しましょう。式②の右辺を一部移項すると


モールの応力円の導出2


です。次に式④の両辺を二乗、式③の両辺を二乗して足し算します。すると


モールの応力円の導出3


なので


モールの応力円の導出4


が得られます。さらに右辺を平方根の2乗の形に変形すると


モールの応力円の導出5


です。上記のように、σとτの関係が円の方程式として得られました。これがモールの応力円の方程式です。二軸方向の応力のつりあいの詳細は下記が参考になります。

2軸方向に生じる応力とは?任意断面の応力の求め方と力のつりあいは?

主応力の求め方は?

主応力の求め方を下記に示します。主応力の求め方は前述したモールの応力円の方程式から簡単に算定できます。モールの応力円よりτ=0のとき主応力σ1、σ3を得ます。つまり、式④にτ=0を代入すれば下式が算定できます。


主応力の求め方


主応力の求め方の詳細は下記が参考になります。

主応力の求め方は?2次元要素の主応力の導出方法、最大主応力、最小主応力の求め方は?

まとめ

今回はモールの応力円について説明しました。モールの応力円とは、縦軸にせん断応力、横軸に垂直応力をとり、せん断応力と垂直応力の関係を表した円です。モールの応力円を使うことで、視覚的に垂直応力、せん断応力の関係が明らかになります。モールの応力円の方程式を理解する場合、下記も勉強しましょう。

2軸方向に生じる応力とは?任意断面の応力の求め方と力のつりあいは?

主応力の求め方は?2次元要素の主応力の導出方法、最大主応力、最小主応力の求め方は?

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