この記事の要点
応力図はM図(曲げモーメント図)・Q図(せん断力図)・N図(軸力図)の3種類があり、構造設計で必ず使う。
応力図の書き方は「反力・応力の算定→最大値のプロット→線で結ぶ→符号の記入」の順で行う。
この記事では、応力図とは何か、M図・Q図・N図はどう書くのか、符号の付け方はどう決まるのかを整理します。
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応力図(おうりょくず)とは、部材に生じる応力を示した図です。
応力図には曲げモーメント図、せん断力図、軸力図があります。
応力図を描くためには部材に生じる応力を計算する必要があるのですが、慣れると「応力図の形」が計算不要で分かるようになります。
今回は応力図の意味、単純梁、片持ち梁、ラーメン構造の描き方、応力図の符号について説明します。
曲げモーメント図の描き方、応力の求め方は下記が参考になります。
曲げモーメント図とは?書き方・正負・引張側をわかりやすく解説
応力の公式は?1分でわかる公式一覧、曲げ応力、せん断応力、単位
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応力図(おうりょくず)とは、部材に生じる応力を示した図です。応力図には下記の種類があります。
・曲げモーメント図
・せん断力図
・軸力図
例として応力図(曲げモーメント図)を下図に示します。
曲げモーメント図の描き方、各応力の求め方は下記が参考になります。
曲げモーメント図とは?書き方・正負・引張側をわかりやすく解説
応力図には曲げモーメント図、せん断力図、軸力図の3種類があります。応力図の下記の流れで描きます。
1.部材に生じる応力を求める(支点の位置、最大応力の生じる位置など)
2.1で算定した応力の値・位置をプロットする
3.2でプロットした点を線で結ぶ
4.応力の値、正負の符号を描く
概ね以上の流れで応力図を描きます。
各応力は単独で作用するよりも、同じ部材に「各応力が同時に生じる(例えば曲げモーメントとせん断力)」ことが多いです。
ただ、応力図としては別々に描きます。下図をみてください。支点が固定のラーメン構造に水平力が作用しています。このとき柱、梁には「曲げモーメント、せん断力、軸力」の全てが生じます。この場合、3種類の応力図を描く必要があるのです。
応力図は「応力の値、応力が作用する位置、応力の正負(あるいは引張方向)」などを描きます。各応力図で描き方にポイントがあるので紹介します。
曲げモーメント図は「部材が引張られる側」に描きます。さらに、正負の区別は不要です。部材に曲げモーメントが作用すると「部材は曲がるような変形」が生じます。
部材が曲がるとき「ある側は引張、もう一方は圧縮」されます。下図の例ですと、下側が引張で上側が圧縮です。
下図の場合、柱と梁の「内側」にモーメント図が描いてあります。つまり「柱と梁の内側が引張側」だと判断できます。
よって、曲げモーメント図を見れば「部材の変形」が想定できます。
また、ラーメン構造における柱と梁の曲げモーメントは釣り合う必要があるため柱と梁で同じ曲げモーメントになります。
せん断力図を描くとき、曲げモーメントとせん断力との関係を覚えておくと便利です。下記にいくつか示しました。
・直線勾配の曲げモーメントが作用する部材には、一定の値となるせん断力が作用する。
・曲げモーメントの生じない部材にせん断力は生じない。
また曲げモーメントの変化が無い部材にも、せん断力は生じない。
下図をみてください。柱に直線で変化する曲げモーメントが作用します。この時、勾配の無いせん断力が作用します。梁は勾配無い曲げモーメントが作用するため、せん断力は0になります。
また曲げモーメント図と違い、せん断力と軸力は正負の符号が分かるように図を描きます。
上図のように部材の内側を正、外側を負のように「どちら側を正負で描くか」を決めておきましょう。応力図の描き方は下記も参考になります。
曲げモーメント図とは?書き方・正負・引張側をわかりやすく解説
また大抵の参考書に「応力図の描き方」は書いてあります。具体的な書き方は下記の書籍なども参考になります。
まず「普通、梁構造には軸力は作用しない」ので、曲げモーメントとせん断力のみ考えることが多いです(※ただしラーメン構造の梁には軸力が生じる)。
単純梁に集中荷重または等分布荷重が作用するとき、下側が引張、上側が圧縮されるような変形となります。
曲げモーメント図は引張側に描くルールでしたね。支点のモーメント=0になるので単純梁の曲げモーメント図は下図の通りです。
片持ち梁の始点は片側固定、片側自由です。固定支点には反力としてモーメントが作用します。よって下図のような応力図となります。
片持ち梁の曲げモーメント図の描き方は下記も参考になります。
片持ち梁の曲げモーメント図は?書き方・公式と三角分布荷重への応用(構造力学)
応力図で応力の値を表すとき「せん断力、軸力」は正負の符号を付けます。一方、曲げモーメント図は正負の符号は不要です。その代わり、曲げモーメントにより部材が引張力を受ける側にモーメント図を描きます。
曲げモーメント図の描き方は下記をご覧ください。
曲げモーメント図とは?書き方・正負・引張側をわかりやすく解説
曲げ応力とは?1分でわかる意味、公式と演習問題、単位、曲げ応力度との違い
混同しやすい用語
曲げモーメント図(M図)
各断面に生じる曲げモーメントの値を図示したもの。
部材の引張側に描く(下側引張なら下側が膨らむ)。
正負の符号ルールに注意。
せん断力図(Q図)
各断面に生じるせん断力の値を図示したもの。
集中荷重の作用点で急激に変化する(不連続になる)点がM図との大きな違い。
応力図を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 曲げモーメント図(M図) | 部材が引張られる側に描く。正負符号不要 | 等分布荷重で放物線形、集中荷重で折れ線形 |
| せん断力図(Q図) | 集中荷重作用点で不連続に変化する | 正負の符号を図に記入する |
| 軸力図(N図) | 部材軸方向の引張・圧縮を示す | 梁には通常軸力なし(ラーメン除く) |
今回は応力図について説明しました。
応力図とは、各応力の値や作用位置などを示した図です。
応力図には曲げモーメント図、せん断力図、軸力図の3つがあります。
基本的な書き方は「応力の算定⇒ 支点や各部材の最大応力をプロット⇒ 線で結ぶ⇒ 値や符号を描き込む」ことです。
具体的な書き方は参考書などご覧ください。
下記も参考になります。
曲げモーメント図とは?書き方・正負・引張側をわかりやすく解説
【管理人おすすめ!】セットで3割もお得!約1,100語の用語集+476点の図解集セット⇒ 建築構造がわかる基礎用語集&図解集セット
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意味を読んで終わりにせず、実際に理解できているかチェックしてみましょう。

試験での問われ方|管理人の一言
一級建築士試験では応力図の読み取りと作図の両方が問われます。
M図は荷重の種類(集中荷重か等分布荷重か)で形状が変わることを覚えましょう。
単純梁・片持ち梁・ラーメン構造それぞれのパターンを反復練習しておくと、本番でも素早く描けるようになります。