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曲げ応力とは?1分でわかる意味、公式と演習問題、単位、曲げ応力度との違い

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曲げ応力とは、荷重により部材内部に生じる「曲げモーメント」のことです。他分野で、曲げ応力とは、曲げモーメントを断面係数で除した値と考えます(建築では曲げ応力度という)。今回は、曲げ応力の意味、公式と演習問題、単位、曲げ応力度の違いについて説明します。※曲げ応力度は下記の記事が参考になります。

曲げ応力度とは?公式、曲げ応力と曲げモーメントの違い、許容曲げ応力度の求め方


また、モーメントは下記が参考になります。

力のモーメントってなに?本当にわかるモーメントの意味と計算方法

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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曲げ応力とは?

曲げ応力とは、荷重により部材内部に生じる「曲げモーメント」です。


他分野では、曲げモーメントを断面係数で除した値をいいます。建築では、この値を曲げ応力度といい、曲げ応力と使い分けています。今回は、曲げ応力(=曲げ応力度)として説明しますね。


下図をみてください。梁に作用する荷重、曲げ応力、曲げ応力度の関係を示しました。

曲げ応力と曲げ応力度

曲げ応力により、梁には引張応力、圧縮応力が生じます。つまり、

です。

曲げ応力の公式

曲げ応力の公式は下記です。

σは曲げ応力、Mは曲げモーメント、Zは断面係数です。上式の誘導は下記の記事が参考になります。

梁の曲げ応力度と誘導方法

また、断面係数Zの公式は下記が参考になります。

断面係数とは


なお、長方形断面の断面係数はZ=bh^2/6なので、長方形断面の曲げ応力は

です。

曲げ応力を計算する演習問題

実際に曲げ応力を計算しましょう。今回は両端固定梁、片持ち梁、単純梁の曲げ応力を計算します。梁の曲げモーメントの算定は下記の記事が参考になります。

応力の公式は?1分でわかる公式一覧、曲げ応力、せん断応力、単位


応力の公式だけでなく、誘導を知りたい方は下記が参考になります。

梁の反力と、演習問題から学ぶ計算方法

両端固定梁

下図に諸条件を示しました。両端固定梁で、等分布荷重が作用します。スパン中央の曲げ応力と、端部の曲げ応力を計算してください。断面形状・材質は端部、中央で一様とします。

両端固定梁

w=10.0kN/m、L=5.0m、梁幅b=300、梁せい=500


※両端固定梁の曲げモーメントの求め方は、下記が参考になります。

両端固定梁とは?1分でわかる意味、曲げモーメント、たわみ、解き方


両端固定梁の中央、端部の曲げモーメントは下記です。


次に断面係数を算定します。梁幅は300、梁せいが500なので、断面係数は下記です。

Z=bh^2/6=300*500^2/6=12500000mm^3

です。曲げ応力σ=M/Zなので、中央・端部の曲げ応力は下記です。


・中央の曲げ応力 ⇒ σ=M/Z=10.5×10^6/12500000=0.84 N/m㎡

・端部の曲げ応力 ⇒ σ=M/Z=21.0×10^6/12500000=1.68 N/m㎡

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片持ち梁

片持ち梁の曲げ応力を計算します。諸条件を下図に示します。

片持ち梁の曲げ応力

w=10.0kN/m、L=3.0m、梁幅b=300、梁せい=500


片持ち梁の端部曲げモーメントの求め方は下記が参考になります。

固定端モーメントとは?1分でわかる意味、片持ち梁とC、両端固定梁


片持ち梁の曲げモーメントは下記です。

M=wL^2/2=10.0×3^2/2=45kNm


断面係数は下記です。

Z=bh^2/6=300*500^2/6=12500000mm^3


曲げ応力は下記です。

曲げ応力 ⇒ σ=M/Z=45.0×10^6/12500000=3.60 N/m㎡

単純梁

単純梁の中央部の曲げ応力を計算します。諸条件を下図に示します。

単純梁の曲げ応力

w=10.0kN/m、L=5.0m、梁幅b=300、梁せい=500


単純梁の曲げモーメントの求め方は、下記が参考になります。

梁の反力と、演習問題から学ぶ計算方法


単純梁の曲げモーメントは下記です。

M=wL^2/8=10.0×5.0^2/8=125 kNm


断面係数は下記です。

Z=bh^2/6=300*500^2/6=1250000


曲げ応力は下記です。

曲げ応力 ⇒ σ=M/Z=125.0×10^6/12500000=10.0 N/m㎡

曲げ応力は、σ=M/Zで計算します。よって、曲げモーメントが大きいほど曲げ応力も大きくなります。また、断面が小さくても曲げ応力は大きくなるのです。断面係数はbh^2/6で計算します。つまり、梁幅よりも「梁せい」が大切です。曲げモーメントが大きい場合、梁せいを大きくすると、曲げ応力を小さくできますね。

曲げ応力の単位

曲げ応力の単位は


N/m㎡


が一般的です。実務では「MPa(メガパスカル)」で表現することが無いので、注意してください(建築ではNとmmが単位の基本)。

曲げ応力の単位は?mpaとの関係、単位換算、曲げ応力と曲げモーメントの関係と公式は?

曲げ応力と曲げ応力度の違い

前述したように、建築では曲げ応力と曲げ応力度を使い分けます。ここまで曲げ応力(=曲げ応力度)として説明しましたが、違いを下記に整理しました。


曲げ応力  ⇒ 荷重が作用したときに生じる曲げモーメントのこと

曲げ応力度 ⇒ 曲げモーメントを断面係数で除した値。曲げモーメントによる応力度


応力と応力度の違いも、併せて理解するといいですね。

応力とは?1分でわかる意味と種類、記号、計算法

応力度の基礎知識、応力度の種類と1分でわかる応力との違い

まとめ

今回は曲げ応力について説明しました。意味が理解頂けたと思います。曲げ応力の計算式は簡単です。ただ、曲げモーメントや断面係数の算定で少し難しいですね。梁は境界条件や荷重条件によって、曲げモーメントが全く異なります。応力の公式や、公式の誘導(計算)も併せて理解したいですね。※下記が参考になります。

応力とは?1分でわかる意味と種類、記号、計算法

曲げ応力度とは?公式、曲げ応力と曲げモーメントの違い、許容曲げ応力度の求め方

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