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せん断応力度の求め方は?導出方法、平均せん断応力度と最大せん断応力度との違い、関係は?

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せん断応力度の求め方は「形状係数k×(せん断力Q÷断面積A)」です。なお、断面に一様なせん断応力度が生じると仮定する場合、せん断応力度の求め方は「せん断力Q÷断面積A」です。ただし、実際には断面に一様にせん断応力度が生じることは無く、一般に、断面の中央付近で最大値、端でゼロ(0)です。今回は、せん断応力度の求め方、導出方法、平均せん断応力度と最大せん断応力度との違い、関係について説明します。せん断応力度の詳細は下記も参考になります。

せん断応力度とは?τの公式と求め方、最大せん断応力度の式

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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せん断応力度の求め方は?

せん断応力度「形状係数k×(せん断力Q÷断面積A)」です。また、断面に一様なせん断応力度が生じると仮定する場合、せん断応力度の求め方は「せん断力Q÷断面積A」です。


せん断応力度の求め方1


ただし、実際には、せん断応力度は断面に一様に分布しません。たとえば、長方形に生じるせん断応力度は下図のように放物線を描いて分布します。


せん断応力度の求め方2


せん断応力度の最大値(最大せん断応力度)は断面の図心位置で生じ、断面の最外縁ではゼロ(0)となります。せん断応力度の分布が断面に一様と考えるとき、せん断応力度は


せん断応力の公式、最大せん断応力の公式2


で算定され、τmを平均せん断応力度といいます。下図のように最大せん断応力度と平均せん断応力度には差異がありますね。最大せん断応力度と平均せん断応力度の比率を「k」として下記の係数が得られます。


せん断応力度の求め方4

せん断応力の公式、最大せん断応力の公式3


係数kは断面形状によって異なる値であり、たとえば長方形ではk=3/2、つまり、最大せん断応力度は平均せん断応力度の1.5倍大きいことがわかります。下図に代表的な断面における、せん断応力度の求め方を示します。


せん断応力の公式、最大せん断応力の公式1


せん断応力度の詳細は下記も参考になります。

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せん断応力度の導出方法は?

梁に荷重が作用するとき、曲げモーメントとせん断応力が生じます。せん断応力により梁は下図に示す変形を起こすと考えます。

せん断応力度の導出方法1

上図より、梁には鉛直方向、水平方向にせん断応力が生じています。梁の微小要素を取り出して力のつりあいを考えます。このとき断面の左側では曲げモーメントMxによる応力度σM、右側ではMx+dMxによる応力度σM+ΔσMが生じます。このままでは応力度ΔσM分つりあわないため、せん断応力度τを考慮します。

せん断応力度の導出方法2

曲げ応力度σM、σM+ΔσMについてy0~y1の範囲で積分、さらにせん断応力度τに微小長さdxと幅bを掛けて集中力に変換します。以上より

せん断応力度の導出方法3

です。力のつりあいを考えると、

せん断応力度の導出方法4

せん断応力度τについて解くと

せん断応力度の導出方法5

ここで断面一次モーメントは

せん断応力度の導出方法6

であり、せん断力と曲げモーメントの関係より

せん断応力度の導出方法7

です。よって

せん断応力度の導出方法8

が得られます。上式より梁のせん断応力度を求めます。


さて実際に、下図に示す四角形断面の最大せん断応力(四角形の中央部のせん断応力)を計算します。


四角形断面の最大せん断応力



でした。断面一次モーメントSと断面二次モーメントIを求めれば分かりそうです。


I=bh^3/12

S=h/2×b×h/4=bh^2/8



四角形の中央位置(h/2位置)での断面一次モーメントを求めています。断面一次モーメントは、「断面積×断面図心までの距離」でしたね。


よって、最大せん断応力は


τ=Q×(bh^2)/8/(b×bh^3/12)

 =3/2×(Q/bh)=3/2×Q/A


ですね。平均せん断応力の式が、Q/Aでした。よって、1.5倍も値が違います。単に、Q/Aと考えないよう注意してください。下記も参考になります。

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平均せん断応力度と最大せん断応力度との違い、関係は?

平均せん断応力度と最大せん断応力度との違いと関係を下記に示します。


平均せん断応力度と最大せん断応力度との違い


上式より、最大せん断応力度は、平均せん断応力度に形状係数kを掛け算した値ですね。なお、Qはせん断力、Aは断面積です。平均せん断応力度の意味は下記が参考になります。

平均せん断応力度とは?1分でわかる意味、求め方、最大せん断応力度との違い

まとめ

今回は、せん断応力度の求め方について説明しました。せん断応力度の求め方は「形状係数k×(せん断力Q÷断面積A)」です。なお、せん断力Q÷断面積Aで求められるせん断応力度を「平均せん断応力度」といいます。せん断応力度、平均せん断応力度の詳細は下記もご覧ください。

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