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集中荷重の作用する梁のモーメントの公式を下図に示します。同じ集中荷重でも作用位置、支持条件によりモーメントの計算式は変わります。下図の通り、集中荷重によるモーメントは「集中荷重と梁の長さの積に比例」します。
・中央集中荷重 単純梁
・先端集中荷重 片持ち梁
下図も重要な公式です。なお、両端固定梁の中央曲げはwL^2/24です。
・中央集中荷重 両端固定
・中央集中荷重 片側ピン片側固定
では、例題として集中荷重の作用する梁の曲げモーメントを計算しましょう。
基本的な考え方は反力の求め方と同じです。ただし応力は部材断面に生じる力なので、まずは部材を切断して作用する応力を仮定します。切断する位置は支点から任意の点(x)としますが、荷重の作用点を境に応力が変化する可能性を考慮して切断します。
よって、点Aを原点とするとき「0からa」と「aからL」の任意の点xで切断します。このとき切断面には「応力の向きと符号」で解説した正の向きの応力が作用すると仮定します。水平方向の荷重は無いので軸力は0です。
なお、点Bを原点として同様に切断してもよいです。その場合「0からb」と「bからL」の任意の点xで切断します。
梁を任意の点で切断しても応力と荷重、反力はつりあうので、ΣH=0、ΣV=0、ΣM=0のつりあいを考えれば良いのです。※水平力は無いのでΣH=0は省略します。「0からa」と「aからL」の区間と順番に計算します。
[0からaの区間]
反力はRA=Pb/L、RB=Pb/Lなので、
です。次にモーメントのつりあいを考えます。点xでの曲げモーメントを求めたいので、点xが中心となるようモーメントを求めましょう。
となります。 aからLの区間も同様の手順で応力を求めます。
[aからLの区間]
です。
です。 以上より、せん断力は0からa区間まではPb/L(正のせん断力)が作用し、aからL区間では-Pa/L(負のせん断力)となります。また曲げモーメントは支点では0となり、x=aのとき最大値をなります。
また等分布荷重の作用する梁の曲げモーメントは下図の通りです。等分布荷重が作用する場合、梁の曲げモーメントは「等分布荷重と梁の長さの二乗の積に比例」します。
・等分布荷重 単純梁
今回は、集中荷重のモーメントについて説明しました。同じ集中荷重でも作用位置、支持条件によりモーメントの計算式は変わりますが、集中荷重によるモーメントは「集中荷重と梁の長さの積に比例」します。曲げモーメント、集中荷重の詳細など下記も勉強しましょう。
曲げモーメントとは?わかりやすい意味、正負の考え方、記号と単位、曲げモーメントからせん断力を求める方法、公式、計算例は?
集中荷重とは?集中荷重の単位、分布荷重との違い、集中荷重による最大曲げモーメントの計算
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