建築学生が学ぶ構造力学

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構造力学とは

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構造力学は、建設系や機械などの学生が学ぶ上で重要な学問の1つですよね。では、建築に絞って考えると構造力学って本当に必要でしょうか?


昔の大工さんは、構造力学を知りませんでした。しかし、彼らは家の建て方や、木の扱い方・性質を熟知していたので何百年も壊れない建物を建てることができるのです。


こういった人々を私たちは「匠」と言っています。しかし、現在ではこの「匠」の人々が少なくなっていますし、非常に限定的な状況だったのです。そこで、大工さんたちが経験的に合理的な建物を建てていたように、 建物の力の流れや、どのようにすれば壊れない建物を建設できるのか?ということを一般的な学問に体系化したものが構造力学です。


皆さんが授業で勉強したように、まずは力のつり合いから始まり、除々に応用(つまり実際の建物に置き換えて)を考えます。 では、構造力学の基礎~応用へと学んでみましょう。もし、余裕があるならFEMや耐震構造へと進み構造力学の理解を深めましょう。

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記事を書いた人

ハナダユキヒロ/建築学生が学ぶ「構造力学」

難解な構造力学、建築構造の用語を分かりやすく解説する専門家。高等専門学校在学中から建築学生が学ぶ「構造力学」を運営。その後、国立大学大学院⇒組織設計事務所⇒弊サイト運営に従事している。

著書:「わかる構造力学/工学社」、「わかる構造力学 改訂版/工学社」

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構造力学の重要性~経験則でも出来るけど…~

例えば、適当な紙を数枚用意して、1kgの重りを載せても耐えれるような橋を製作するとします。ただし、条件があります。橋の製作に使用する材用は紙と、 それをくっつける糊だけ。また、橋の重さは100g以内です。重りは橋の中心から載下します。期間は1週間です。


どうでしょうか?このような状況で、貴方はどのようにして橋を製作しますか?この問題をクリアする方法はいくつかあると思います。


1.最初に形を決定する。で、壊して弱いところを補強する。 期間をフルに利用して、最終的に補強を重ねた形が 最終形の橋。

2.最初に形を決定する。で、紙等の材料を利用した場合による 構造設計を行い、部材の最適化を行う。期間よりも早めに終わった。


どうですか1と2を比較すると、最終的には期間内に橋は製作出来ました。しかし、1が壊しては作りを繰り返し、時間いっぱいだったのに対して、2は構造設計を行ったおかげで、期間よりも早く終わりました。この時間が早く終わるという重要性は学生のうちには気づきません。


しかし、会社の仕事だったらどうでしょう?限りある時間の中で、有効的に時間を利用した方がいい と思いますせんか?また、日本は地震大国です。安心や安全を施主に理解してもらうために、また強力な地震が起きた場合でも壊れないような建物を建てるためには、科学的な理論が必要なのです。

なぜ構造力学は人気が無いのか?~地味なイメージが原因?~

なぜ、構造力学は人気が無いのでしょうか。建築学科の学生で、人気の無い科目の一つが構造力学です。逆に人気がある分野は意匠や環境・都市計画等です。 確かに、建築というとデザイン豊かな建物や、有名建築家がイメージされますね。やはり、建築家という華やかな職業を目指すために意匠を専攻するのでしょう 。


ただ、意匠設計が出来る人は事務所に1人居れば十分です。建築業界で最も割合の多い分野が意匠の人達です。このような状況ですから 全員が自分の求めるような意匠設計が出来るわけではありません。むしろ、ごく少数が意匠設計を行い、あとの意匠分野の人達は華やかさとは程遠い ルーチンワークをこなしています。


以上のような、「現実」を学生のうちから理解する必要があると思います。ただ、本当の夢ならそんなことで諦めてはいけません。 強い信念と努力と運と継続があれば、かならずチャンスは来るでしょう。もし、このような「現実」を聞いて気持ちが揺らぐようなら、貴方は意匠設計に向いていません。 別の分野に移ることをお勧めします。

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