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円の断面二次モーメントIの公式は「I=πD^4/64」です。Dは円の直径、πは円周率です。直径の長さ(あるいは半径)が分かれば、断面二次モーメントの値がすぐに算定できます。また、円の断面二次モーメントの公式の導出は、円の性質を理解していれば「長方形のIの導出」と変わりません。今回は、円の断面二次モーメントの求め方、公式、導出方法、計算例について説明します。断面二次モーメントの定義、意味、計算方法は下記も参考になります。
断面二次モーメントとは?1分でわかる意味、計算式、h形鋼、公式、たわみとの関係
断面二次モーメントの計算式は?1分でわかる求め方、円、パイプ、i型の計算式
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円の断面二次モーメントIの公式は、
です。πは円周率、Dは円の直径です。
D=100cmとすれば、
のように計算すれば良いです(※結果は省略します)。なお、4乗の計算は面倒なのでExcelや電卓を用いて算定すると簡単です。
さて、前述した円の断面二次モーメントを、断面二次モーメントの定義式から導出します。円の性質を理解していれば「長方形のIの導出」と考え方は同じです。
断面二次モーメントの定義式を下記に示します。
下図をみてください。円の半径をr、任意の点におけるy座標の値を「y」とします。
長方形の断面二次モーメントと考え方は同じで、円の図心に対する断面二次モーメントは「y^2×微小面積を-rからrの範囲まで積分」します。
なお、微小面積はdA、y方向の微小長さはdyとします。微小面積は長方形なので「縦×横=dy×横」で求めます。
微小面積dAを求めましょう。dAは「dy×x方向の長さ」ですが、x方向の長さは与えられていないので、yやrを用いて表す必要があります。
ここで、円の性質を思い出してください。任意の点におけるy座標の値がy、半径rなので、x座標の値はピタゴラスの定理より、
です。上記をx=の形になるよう整理すると、
上記の長さは原点からy点までの長さです。-y点からy点までのxの長さは2倍すればよいので、
です。よって、任意の点における微小面積dAは、
です。dAが算定できたので、あとは「-rからr」までy^2×dAを積分しましょう。
上記の積分はやや面倒です。置換積分あるいは部分積分により解く必要があります。積分を解くことが主眼では無いので、ここではx^2√(a^2-x^2)の積分公式を示し、途中の導出は省略します。
x^2√(a^2-x^2)の積分公式は、
です。
上記より、
です。根号を含む式にrや-rを代入しても0になるので、結局、上式は
になります。Sin^-1(1)=π/2なので、
です。rは半径でした。直径Dと半径rの関係は「r=D/2」なので、
になります。上記の通り、円の断面二次モーメントが導出できましたね。途中、ややこしい積分を解く必要はあるのですが、断面二次モーメントの導出の考え方は「長方形のもの」と変わりません。断面二次モーメントの詳細は下記もご覧ください。
断面二次モーメントとは?1分でわかる意味、計算式、h形鋼、公式、たわみとの関係
例題として、下図に示す円の断面二次モーメントを求めましょう。※前述した公式を用いて良い。
半径が100mmなので、直径は200mmですよね。よって、
になります。
ところで、正方形と円の断面二次モーメントを比較すると、どちらが大きいでしょうか。円の直径をD、正方形の一辺の長さを「円の直径を同じ長さD」とします。このとき、
なので、正方形のIの方が「64/12π≒1.7」大きいことが分かります。断面二次モーメントの計算式は下記も参考になります。
断面二次モーメントの計算式は?1分でわかる求め方、円、パイプ、i型の計算式
今回は、円の断面二次モーメントについて説明しました。円の断面二次モーメントの公式は「πD^4/64」です。円なので、断面二次モーメントの導出が難しそうですが、考え方は長方形と同じです。ただし、途中式でやや面倒な積分を解く必要があるので注意しましょう。断面二次モーメントの意味や詳細、円の断面係数は下記が参考になります。
断面二次モーメントとは?1分でわかる意味、計算式、h形鋼、公式、たわみとの関係
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