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モールの応力円とせん断応力の関係|最大せん断応力を図で求める手順

この記事の要点

モールの応力円は、ある点の応力状態を円グラフで表現することで、せん断応力の最大値や主応力の向きを視覚的に求める図解ツールです。

縦軸にせん断応力τ、横軸に垂直応力σをとった座標系で描きます。

せん断力のみが作用する場合は、主応力が±45°方向に現れることをモールの応力円から確認できます。

試験でせん断応力の正負を問われたときは、回転方向の定義を確認してから円を描くと間違いが減ります。

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モールの応力円とせん断応力の関係は、応力円を描くと垂直応力σとせん断応力τの関係が分かります。

σとτは円の関係で表示されるので、σのみ作用しても「せん断応力が生じる」のです。

逆にせん断力のみ作用しても垂直応力が生じます。

今回はモールの応力円とせん断応力の関係、せん断応力の正負、せん断力のみ作用する場合の応力について説明します。

モールの応力円、二軸方向の応力のつり合いなど下記も参考になります。

モールの応力円とは?1分でわかる意味、導出、主応力の求め方は?

2軸方向に生じる応力の計算方法|任意断面の応力と力のつりあい

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モールの応力円とせん断応力の関係は?せん断応力の正負は?

モールの応力円とはせん断応力τと垂直応力σの関係を表す円です(縦軸にτ、横軸にσをとる)。下図にモールの応力円を示します。


モールの応力円


上図のように、モールの応力円の中心は(σ,0)です。よって、モールの応力円を描く場合、円周上の2点の座標が既知であれば中心が分かり、その中心から2点を通るように円を描けばよいのです。


なお、せん断応力は「物体をずらすような1組の力」であり、必ず正負の値(相反する方向に作用する)があります。また、モールの応力円を描く場合、縦軸では原点より上側が正、下側が負の値、横軸では原点より右側が正、左側が負の値をとります。


モールの応力円の詳細は下記をご覧ください。

モールの応力円とは?1分でわかる意味、導出、主応力の求め方は?


ここにσx、σy、せん断応力τxy=0が作用する物体を考えます。この応力状態におけるモールの応力円を描くと下図が得られます。


モールの応力円とせん断応力の関係


モールの応力円を描けば明らかなように、見かけ上、垂直応力のみ作用しているにも関わらず、実際には「せん断応力も生じる」ことがわかります。


たとえば、物体を一軸方向に引張試験または圧縮試験すると、斜め方向に亀裂が入って破断することがあります。これは、せん断応力による作用であり、例えばコンクリートなどは圧縮強度に対してせん断強度の方が小さいので、圧縮荷重を加えても「せん断応力が生じて、せん断破壊」が起きるのです。


モールの応力円の元となる、二軸方向に生じる応力のつりあいから得られる、任意断面のせん断応力τの式を示します。下式に示すように、τxy=0でも、垂直応力σx、σyによりせん断応力が生じますね。


任意断面の応力の求め方と力のつりあい4


二軸方向の応力の詳細は下記が参考になります。

2軸方向に生じる応力の計算方法|任意断面の応力と力のつりあい

モールの応力円とせん断力のみ作用する場合の応力は?

せん断力のみ作用する場合のモールの応力円を描いて応力状態を確認しましょう。σx=0、σy=0、τ=τxyにおけるモールの応力円を描きます。2点の座標は(0,τxy)と(0,-τxy)なので、円の中心がσ-τ軸と一致する応力円が得られます。


このように、物体にせん断力のみ作用しても「垂直応力も生じる」ことがわかります。前述と同様に、モールの応力円の元となる、二軸方向に生じる応力のつりあいから得られる、任意断面の垂直応力σの式からも明らかです。


任意断面の応力の求め方と力のつりあい6


上式⑤をみればτxyの項があるためσx、σyが作用しなくてもσは生じます。

混同しやすい用語

「法線応力度(σ)」と「せん断応力度(τ)」

法線応力度σは断面に垂直(法線方向)に作用する応力度。

引張・圧縮の法線応力。

「モールの応力円上のせん断応力」と「実際のせん断力図のせん断力」

モールの応力円上のτはある断面での応力状態を表す。

せん断力図(Q図)のQは断面全体のせん断合力。

τはQ/Asで換算されるが、断面内での分布は均一ではない(放物線分布など)。

モールの応力円とせん断応力の関係を整理した表を示します。

項目内容備考
最大せん断応力(τmax)応力円の半径に等しい値主応力方向から45°の面に作用
純せん断状態せん断力のみ作用する場合45°方向に主応力が生じる
コンクリートの斜めひび割れ内部のせん断応力が原因引張主応力が引張強度を超えると発生

まとめ

今回はモールの応力円とせん断応力の関係について説明しました。

モールの応力円とは、垂直応力σ、せん断応力τの関係を表す円です。

物体に垂直応力のみ作用しても、実際にはせん断応力が生じます。

たとえば、コンクリートの圧縮試験を行うと斜め方向にひび割れますが、これはコンクリート内部にせん断応力が生じるためです。

モールの応力円、二軸方向の応力のつりあいなど下記も勉強しましょう。

モールの応力円とは?1分でわかる意味、導出、主応力の求め方は?

2軸方向に生じる応力の計算方法|任意断面の応力と力のつりあい

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ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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