建築学生が学ぶ構造力学

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両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ、両端固定梁に集中荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみは?

この記事の要点

両端固定梁に等分布荷重wが作用するとき、固定端モーメントはwL2/12・中央モーメントはwL2/24であり、たわみの最大値はwL⁴/384EIとなる

固定端部に曲げモーメントが集中するため中央のモーメントが単純梁の1/3に低減され、たわみも両端ピン支点の1/5になるのが両端固定梁の特徴である。

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両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみは下記の通りです。


両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ1

両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ2


上記の通り、両端固定梁に等分布荷重が作用するとき、梁の中央部よりも固定端部分に曲げモーメントが集まります。

また、固定端部、中央部共に両端ピン支点最大曲げモーメント(wL^2/8)より小さいです。

たわみについては、両端ピン支点の値と比べて1/5小さいことが分かります(両端ピン支点のたわみ=5wL^4/384EI)。


さて、両端固定梁は不静定構造ですが、重ね合わせの原理より「力のつり合い式のみ」で前述の曲げモーメントを算定できます。


一般に、固定端が2カ所ある両端固定梁は反力の未知数が6つあります。

本問題では水平力は作用していないので水平反力=0とすれば、残りの反力の未知数は4つです。

いずれにしても、力のつり合い式だけでは反力を算定できません。

そこで考え方を変えて、両端固定梁を支点に曲げモーメントが作用する単純梁に置き換えます。

つまり、両端固定梁の固定端に作用する反力モーメントを外力に置き換え、その分、未知数を2つ減らしたということです。


両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ3


上図は2種類の外力が作用する単純梁ですから、当然、力のつり合い式で反力、応力、変形が求められます。

ここで重ね合わせの原理を用います。

つまり、2つの外力が作用する別々の梁として解き、曲げモーメントおよびたわみを重ね合わせ(足し合わせ)れば、両端固定梁の結果が得られます。

重ね合わせの原理の詳細は下記をご覧ください。

重ね合わせの原理とは?1分でわかる意味、不静定梁の解き方、たわみ


さて、単純梁に等分布荷重が作用すると下図のようにたわみます。このとき、支点にたわみは生じませんが、「たわみ角」が生じます。※たわみ角については下記が参考になります。


両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ4

たわみ角とは?公式・単位(rad)・例題で学ぶ計算法


ここで元々の両端固定梁を考えると、固定端では「たわみ」及び「たわみ角」はゼロ(0)です。つまり、等分布荷重の作用する単純梁(梁1)、支点に外力モーメントの作用する単純梁(梁2)の「たわみ角の値を足し合わせると、その結果はゼロになる」のです。以上より


梁1のたわみ角-梁2のたわみ角=0

梁1のたわみ角=梁2のたわみ角


が得られます。


梁1、2のたわみ角の計算過程は省略しますが、それぞれ下記です。


両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ5


よって、支点に作用する外力モーメント(両端固定梁に作用する反力モーメント)は


両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ6


です。また、中央の曲げモーメントは「中央曲げモーメント=単純梁の曲げモーメント-固定端モーメント」より、


両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ7


です。


以上の考え方を「集中荷重の作用する両端固定梁」にも適用すると、両端固定梁に集中荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみは下記となります。


両端固定梁に集中荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ8


両端固定梁に集中荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ9


両端固定梁に等分布荷重が作用するときと同様に、両端固定梁を単純梁に置き換えて重ね合わせの原理を適用します。


両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ10


以降の詳細な解説は重複するので省略しますが、


両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ11


よって、支点に作用する外力モーメント(両端固定梁に作用する反力モーメント)は


両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ12


です。また、中央の曲げモーメントは「中央曲げモーメント=単純梁の曲げモーメント-固定端モーメント」より、


両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ13


です。

混同しやすい用語

固定端モーメント(等分布荷重)wL2/12

両端固定梁の端部(固定端)に生じる曲げモーメント。

等分布荷重wに対して端部はwL2/12(負の値)となる。

中央部のモーメントwL2/24に対して、固定端モーメントは2倍大きく、曲げモーメント図では端部に大きなモーメントが集中する形となる。

たわみ(両端固定梁の等分布荷重)wL⁴/384EI

両端固定梁に等分布荷重が作用するときの中央最大たわみ。

単純梁の5wL⁴/384EIと比べて1/5の値となる。

両端ピン支点の単純梁に対して、両端固定梁は固定端による拘束効果でたわみが大幅に低減される点が異なる。

両端固定梁に等分布荷重・集中荷重が作用する場合の公式を整理した表を示します。

項目内容備考
等分布荷重の固定端モーメントwL2/12wは等分布荷重、Lはスパン
等分布荷重の中央モーメントwL2/24固定端の1/2の値
等分布荷重のたわみwL⁴/384EI単純梁の1/5に低減

まとめ

今回は、両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみについて説明しました。それぞれ


両端固定梁に等分布荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ1


です。また、両端固定梁に集中荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみは下記の通りです。


両端固定梁に集中荷重が作用するときの曲げモーメント、たわみ8


両端固定梁の詳細は下記もご覧ください。

両端固定梁とは?1分でわかる意味、曲げモーメント、たわみ、解き方

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理解度チェック

Q.

両端固定梁に等分布荷重wが作用するときの固定端モーメント・中央モーメント・たわみを答えてください。

答えを見る

固定端モーメントは wL2/12、中央モーメントは wL2/24(固定端の1/2)、最大たわみは wL4/384EI です。固定端に曲げモーメントが集中し、中央のモーメントは単純梁の1/3、たわみは両端ピン(5wL4/384EI)の1/5に低減されます。

Q.

不静定の両端固定梁を重ね合わせの原理で解く考え方を答えてください。

答えを見る

両端固定梁の固定端に作用する反力モーメントを外力に置き換え、両端ピン梁+支点に外力モーメントが作用する単純梁の2つに分解します。固定端ではたわみ角が0のため「等分布荷重の単純梁(梁1)のたわみ角=外力モーメントの単純梁(梁2)のたわみ角」の等式から反力モーメントを求めます。

Q.

中央曲げモーメントはどの関係式で求めますか。

答えを見る

「中央曲げモーメント=単純梁の曲げモーメント-固定端モーメント」です。等分布荷重なら wL2/8-wL2/12=wL2/24 となります。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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