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単純梁(たんじゅんばり)とは、片側ピン支点、もう一方をローラー支点とした梁です。ただし実務や書籍によっては、両端がピン支点の梁を単純梁ということも多いです。
簡単に言うと、単純梁は支点の上に梁を載せるだけで、支点を固定などしません。今回は単純梁の意味、特徴と例、公式と曲げモーメント、たわみの計算について説明します。
両端固定梁とは?1分でわかる意味、曲げモーメント、たわみ、解き方
単純梁とは、片側ピン支点、片側ローラー支点にした梁です。片側は鉛直と水平方向に固定され、もう一方は鉛直のみ固定し水平方向は自由に移動できます。
ただし、実務や書籍によっては、両側ピン支点の梁も単純梁といいます。下図に単純梁を示します。
簡単にいうと、支点の上に載せただけの梁が「単純梁」です。梁は支点の上に載っているだけです。
梁と支点をガチガチに固めると「両端固定梁」になります。単純梁と両端固定梁の違いは下記をご覧ください。
単純梁と両端固定梁の違いは?1分でわかる違い、公式、曲げモーメント、たわみ
構造力学の書籍では、片側ピン・片側ローラー支点の梁を「単純梁」と書くことが多いです。
単純梁は梁の中でも計算が簡単な静定梁です。静定梁は支点の反力(未知数)が3以下という特徴があります。上図の反力を数えてください。
ピン支点で「2」、ローラー支点で「1」の計「3」ですね。
一方、下図に示す両端ピン支点の梁は、両側で反力が「2」あるので計4つの未知数があります。これを不静定梁といいます。
不静定梁とは?1分でわかる意味、解き方、重ね合わせの原理、例題
両側ピン支点の梁は、見かけ上は4つの反力がありますが、片側ピン・片側ローラー支点の梁と同様の計算方法で反力が解けます。
よって実務では両側ピン支点梁を単純梁ということも多いです。
とはいえ、構造力学では「静定梁」⇒「不静定梁」の順で学ぶため、上記の混乱を避けるため「片側ピン・片側ローラーの梁」を単純梁とするのだと私は考えます。
実務では「片側ピン・片側ローラーの梁」よりも「両側ピン支点の梁」の方が多いです。
よって、構造設計や構造計算の書籍(私が持っている書籍)では、両側ピン支点の梁を「単純梁」と書くことが馴染みやすいです。
前述したように、「片側ピン・片側ローラー」と「両側ピン」の梁は、どちらも曲げモーメントや鉛直反力の計算式は同じです。
両者とも、ほぼ違いは無いですが書籍によっては使い分けがあることを覚えてくださいね。
なお、ラーメン構造では「片側ピン・片側ローラー」と「両側ピン」は全く違います。前者は静定構造、後者は不静定構造になります。梁と扱いが違うので注意しましょうね。
ピン支点、ローラー支点の意味や違いは下記が参考になります。
ピン支点とは?1分でわかる意味、モーメント反力との関係、ローラー支点、固定支点との違い
ローラー支点とは?1分でわかる意味、具体例、モーメントとの関係、ピン支点との違い
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単純梁の特徴は、「梁は支点の上に載せただけ」という点です。よって支点の回転変形は自由に発生します。
支点に曲げモーメントは生じません。※ただし実務では、ボルトなどで接合された部分もピン支点とみなします。
単純梁の例を下記に示します。
・両側に積んだ本の上にペンやノートを載せた場合
・鉄骨造の大梁に小梁を高力ボルト接合した場合
詳しく説明します。下図をみてください。本を両側に積んで、その上にペンや本を載せました。積んだ本を支点、ペンやノートを梁に見立てます。これが単純梁です。
支点と梁は一体化や接合をしていません。それでも梁は落ちることが無いですね。
建築の実務では下図のように、鉄骨造の大梁と小梁は高力ボルトで接合されます。
高力ボルト接合部は厳密にいうと「載せただけ(置いただけ)」では無いですが、ピン支点とみなせます。※大梁、小梁の意味、接合部は下記が参考になります。
大梁と小梁の接合部は?1分でわかる納まり、ガセットプレート、剛接合との関係
単純梁の公式(曲げモーメント、たわみの計算式)を下図に示します。
・集中荷重-単純梁
・等分布荷重-単純梁
単純梁の曲げモーメント、たわみの計算は下記も参考になります。
単純梁の曲げモーメントは?1分でわかる求め方(計算)、公式、等分布荷重と集中荷重との関係
今回は単純梁について説明しました。単純梁(たんじゅんばり)とは、片側ピン支点、もう一方をローラー支点とした梁です。
単純梁は構造力学で習う、最も簡単な梁です。計算方法はもちろんですが、支持条件や特徴を覚えましょう。下記も勉強しましょうね。
単純梁の曲げモーメントは?1分でわかる求め方(計算)、公式、等分布荷重と集中荷重との関係
単純梁の反力は?1分でわかる求め方、公式と計算、等分布荷重との関係
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