この記事の要点
両端固定梁とは両端が固定端の不静定梁であり、等分布荷重作用時の固定端モーメントはwL2/12・中央モーメントはwL2/24・たわみはwL⁴/384EIとなる。
重ね合わせの原理を用いて「固定端のたわみ角=0」の条件を立てることで、力のつり合い式だけでは解けない不静定梁の曲げモーメントを算定できる。
この記事では、両端固定梁とは何か、曲げモーメントはどう求めるのか、たわみはどう計算するのか、片端ピンとどう違うのかを整理します。
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両端固定梁とは、両端が固定端の梁です。両端固定とすることで、曲げモーメントやたわみを小さくすることが可能です。
両端固定梁、単純梁の違いは「たわみ」をみるとよく分かります。同じ外力が作用しても、両端固定梁の方がたわみは小さく、単純梁のたわみは大きくなります。
曲げモーメントは下図の赤線のようになり、中央部の曲げモーメントは両端固定梁の方が小さくなります。
今回は、両端固定梁の意味、その曲げモーメント、たわみの解き方について説明します。※固定端については下記が参考になります。
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両端固定梁とは、両端が固定端となる梁です。両端を固定端とすることで、曲げモーメントやたわみを小さくした不静定梁です。※不静定梁については下記の記事が参考になります。
不静定梁とは?1分でわかる意味、解き方、重ね合わせの原理、例題
両端固定梁の端部曲げモーメントを、「C(しー)」といいます。また両端ピン接合の曲げ応力はMo(えむぜろ)、せん断力をQo(きゅー)です。この3つをあわせて「CMQ(しーえむきゅー)」といいます。※CMQについては下記の記事が参考になります。
CMQとは?固定端モーメント・中間モーメント・せん断力の公式と算定例
両端固定梁のCは、不静定構造物の応力算定などに役立つこと、実務の構造計算で使いやすいため、他の支持条件の応力に比べて特別です。CMQの応力は暗記すべきでしょう。
また、実際の構造物の端部は、「固定」又は「ピン」のように両極端な支持条件はありません。ピン接合と仮定する端部でも、剛性はあります。同様に、固定端と仮定しても実際は、少し剛性が落ちます。
※ピン接合、剛性については、下記が参考になります。
剛性とは?変形しにくさの意味・強度との違い・計算式・単位を解説
両端固定梁は不静定構造です。たわみ角法や固定法で解けますが、今回は重ね合わせの原理から解きます。重ね合わせの原理を使えば、難しい不静定解法を使わなくても、不静定梁が解けるのです。
※重ね合わせの原理は、下記が参考になります。
重ね合わせの原理とは?意味・不静定梁でのたわみ計算と適用条件(線形弾性の前提)
下図の両端固定梁の反力、曲げモーメント、たわみを計算してください。
上図のように、両端が固定端の梁は未知数が6つ(水平の反力がないため4つ)あります。よって反力のつり合いだけでは解けません。
そこで考え方を変えて、両端ピンの梁に逆向きの曲げモーメントが外力として作用する梁とします。
さらに上図の梁は2つの外力が作用する別々の梁として解き、曲げモーメントおよびたわみを重ね合わせ(足し合わせ)れば、両端固定梁の結果が得られます(梁A、梁Bとしました)。
さて、単純梁に荷重が作用すると下図のようにたわみます。このとき、支点にたわみは生じませんが、「たわみ角」が起きています。※たわみ角については下記が参考になります。
一方、固定端では「たわみ」及び「たわみ角」は生じません。よって、下記の関係が成り立ちます。
梁A、Bのたわみ角の計算過程は省略しますが、反力のつり合いで解けるのでトライしてみましょう。梁A、Bのたわみ角の等式の関係より、
です。上記より算定したMを「固定端モーメント」又は「C(しー)」といいます。詳細は下記が参考になります。
固定端モーメントとは?1分でわかる意味、片持ち梁とC、両端固定梁
いかがでしょうか。重ね合わせの原理を使えば、案外簡単に不静定構造物の応力が計算できましたね。
また、中央の曲げモーメントは、下記の関係で計算します。
中央曲げモーメント=単純梁の曲げモーメント-固定端モーメント
よって、下記の値です。
たわみも前述した方法で計算します。梁Aは下向きのたわみが生じます。一方、梁Bは上向きのたわみなので、両端固定梁のたわみは両者を差し引いた値です。よって、下記が成り立ちます。
よって、両端固定梁のたわみは下記です。
下記も参考になります。
両端固定梁のたわみ公式|集中荷重・等分布荷重の求め方と計算例
混同しやすい用語
両端固定梁
両端が固定端(たわみ・たわみ角・回転すべて拘束)の不静定梁。
固定端モーメントCが生じ、中央のたわみ・曲げモーメントが単純梁より小さい。
単純梁(両端ピン支点)に対して、両端固定梁は端部にモーメント反力が生じ、同じ荷重でも中央の曲げモーメントが1/3に低減される点が異なる。
固定端モーメント(C・しー)
両端固定梁の端部に生じる反力モーメント。
等分布荷重wL2/12、集中荷重PL/8が代表的な値。
CMQの「C」に対応する。
単純梁の端部反力(モーメント=0)に対して、固定端梁では端部にモーメント反力Cが生じ、これが中央モーメントを低減させる役割を持つ。
両端固定梁の特性を整理した表を示します。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 固定端モーメント(等分布荷重) | C=wL2/12 | CMQの「C」に対応 |
| 中央曲げモーメント(等分布荷重) | wL2/24 | 単純梁wL2/8の1/3 |
| 最大たわみ(等分布荷重) | wL⁴/384EI | 単純梁の1/5に低減 |
今回は両端固定梁の解き方について説明しました。不静定梁でも、重ね合わせの原理を使えば簡単に解くことができますね。固定端モーメントの値や、両端固定梁のたわみは暗記しましょう。下記も参考になります。
固定端モーメントとは?1分でわかる意味、片持ち梁とC、両端固定梁
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両端固定梁とは何で、CMQとは何を指しますか。
両端が固定端の不静定梁で、固定端により曲げモーメント・たわみを小さくできます。CMQは、両端固定梁の端部曲げモーメントC(しー)、両端ピン梁の曲げ応力Mo(えむぜろ)、せん断力Qo(きゅー)の3つの総称で、実務で使いやすく暗記すべき値です。
両端固定梁を重ね合わせの原理で解く手順と固定端モーメントの式を答えてください。
両端ピン梁+逆向き外力モーメントの梁に分解し、固定端ではたわみ角0のため「梁Aのたわみ角=梁Bのたわみ角」とします。等分布荷重では wL3/24EI=ML/2EI から M=wL2/12(固定端モーメントC)が得られます。
両端固定梁の中央曲げモーメントとたわみ(等分布荷重)の求め方を答えてください。
中央曲げモーメント=単純梁の曲げモーメント-固定端モーメント=wL2/8-wL2/12=wL2/24 です。たわみは 梁Aのたわみ-梁Bのたわみ=5wL4/384EI-wL4/96EI=wL4/384EI(単純梁の1/5)です。
