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2点集中荷重の両端固定梁:曲げモーメント公式と計算手順

この記事の要点

両端固定梁に2点集中荷重が作用する場合、固定端に負の曲げモーメントが生じ、スパン内部に正の曲げモーメントが生じる

端部の固定モーメントが荷重位置によって変わるため、各荷重を単独の固定梁として扱い重ね合わせるのが計算の基本だ。

対称荷重(等スパン・等荷重)なら端部モーメントMa = -PL/6(1点分)×2点、スパン内最大M = PL/12となる。

試験問題では「固定端の符号を正しく取る」ことが正解への鍵だ。

不静定構造のため重ね合わせの原理を使い、固定端のたわみ角=0という条件から端部モーメントを求め、単純梁の値から差し引くことで中央部モーメントを算定する。

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2点集中荷重が作用する両端固定梁の公式は、PL/9(中央付近の曲げモーメント)と-2PL/9(端部の曲げモーメント)です。

今回は、2点集中荷重が作用する両端固定梁の公式、求め方(解き方)と計算について説明します。

2点集中荷重が作用する単純梁の解き方は、下記が参考になります。

2点集中荷重が作用する単純梁とは?1分でわかる意味、公式、たわみ、曲げモーメント


両端固定端の特徴は、下記をご覧ください。

両端固定梁とは?1分でわかる意味、曲げモーメント、たわみ、解き方

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2点集中荷重が作用する両端固定梁の公式は?求め方(解き方)

2点集中荷重が作用する両端固定梁の公式を下図に示します。


図 2点集中荷重が作用する両端固定梁の公式


曲げモーメント図を下図に示します。


図 2点集中荷重が作用する両端固定梁の曲げモーメント図


Pが作用する位置でPL/9、両端で2PL/9が作用します。両端部に作用する曲げモーメントの方が、中央に作用する曲げモーメントより2倍も大きいですね。


さて、両端固定梁は不静定構造のため、簡単に解けません。今回は、重ね合わせの原理を用いて前述した公式を求めます。重ね合わせの原理の意味、両端固定梁の曲げモーメントの解き方の流れは、下記が参考になります。

重ね合わせの原理とは?意味・不静定梁でのたわみ計算と適用条件(線形弾性の前提)

両端固定梁とは?1分でわかる意味、曲げモーメント、たわみ、解き方


2点集中荷重が作用する両端固定梁は、下図のように分解できます。


図 2点集中荷重が作用する両端固定梁と重ね合わせの原理


梁A、Bの端部には、たわみ角が生じます。しかし、実際は両端が固定なので、たわみ角は「0(ぜろ)」です。つまり、


梁Aのたわみ角-梁Bのたわみ角=0


です。梁A、Bのたわみ角の求め方は省略しますが、下記のように算定されます。


梁Aのたわみ角=-PL2/9EI

梁Bのたわみ角=ML/2EI


よって、AとBのたわみ角をイコールで結び、Mの値を求めます。


-PL2/9EI=ML/2EI

-PL/9=M/2

M(C)=-2PL/9(両端の曲げモーメント)


また、


中央の曲げモーメント=単純梁の曲げモーメント-固定端モーメント=PL/3-2PL/9=PL/9


です。2点集中荷重が作用する単純梁の曲げモーメントの求め方は、下記が参考になります。

2点集中荷重が作用する単純梁とは?1分でわかる意味、公式、たわみ、曲げモーメント

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2点集中荷重が作用する両端固定梁の計算

下図に示す2点集中荷重が作用する両端固定梁の曲げモーメントを、実際に計算しましょう。


図 2点集中荷重が作用する両端固定梁の計算


M=PL/9=10kN×6m/9=20/3 kNm

C=-2PL/9=-2×10kN×6m/9=-40/3 kNm


です。

ちなみに2点集中荷重が作用する単純梁は、曲げモーメント=PL/3です。

上図と同様の条件の場合、M=PL/3=10kN×6m/3=20 kNmです。

両端固定梁と比較すると1/3も曲げモーメントが小さいですね。

両端固定梁の特徴は下記をご覧ください。

両端固定梁とは?1分でわかる意味、曲げモーメント、たわみ、解き方

混同しやすい用語

両端固定梁の曲げモーメント(2点集中荷重)

荷重点(中央付近)の曲げモーメントがPL/9、両端固定端の曲げモーメントが-2PL/9となる。

端部の方が2倍大きい。

単純梁(2点集中荷重)の曲げモーメントPL/3に対して、両端固定梁は固定端モーメントが差し引かれるため中央のモーメントが1/3に低減される。

固定端モーメント

両端固定梁の端部に生じる反モーメント。

重ね合わせの原理で「たわみ角=0」の条件から算出される。

自由端(片持ち梁)に対して、固定端はたわみ角が0に拘束されるため、端部に曲げモーメントが生じる点が異なる。

2点集中荷重が作用する両端固定梁を整理した表を示します。

項目内容備考
荷重点の曲げモーメントPL/9Pは荷重、Lはスパン
両端部の曲げモーメント-2PL/9端部は荷重点の2倍
単純梁との比較中央モーメントが1/3に低減固定端モーメントが差し引かれるため

まとめ

今回は、2点集中荷重が作用する両端固定梁の公式について説明しました。

曲げモーメントの公式や求め方が理解頂けたと思います。

両端固定梁は不静定構造です。

曲げモーメントの求め方に工夫が必要です。

2点集中荷重が作用する単純梁など下記も勉強しましょう。

2点集中荷重が作用する単純梁とは?1分でわかる意味、公式、たわみ、曲げモーメント

両端固定梁とは?1分でわかる意味、曲げモーメント、たわみ、解き方

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理解度チェック

Q.

2点集中荷重が作用する両端固定梁の曲げモーメント公式を答えてください。

答えを見る

荷重点(中央付近)の曲げモーメントが PL/9、両端固定端の曲げモーメントが -2PL/9 です。端部の方が荷重点の2倍大きくなります。

Q.

両端固定梁の固定端モーメントはどのように求めますか。

答えを見る

不静定構造のため重ね合わせの原理を使います。固定端のたわみ角=0という条件(梁Aのたわみ角-梁Bのたわみ角=0)から、-PL2/9EI=ML/2EI を解いて M(C)=-2PL/9 を求めます。中央は 単純梁の曲げモーメント-固定端モーメント=PL/3-2PL/9=PL/9 です。

Q.

2点集中荷重で両端固定梁と単純梁の曲げモーメントを比較してください(P=10kN、L=6m)。

答えを見る

両端固定梁は荷重点 M=PL/9=10×6/9=20/3kN・m、端部 C=-2PL/9=-40/3kN・m です。単純梁は M=PL/3=10×6/3=20kN・m で、両端固定梁の中央モーメントは単純梁の1/3に低減されます(固定端モーメントが差し引かれるため)。

ハナダユキヒロ

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務。2010年より「建築学生が学ぶ構造力学」を運営(16年以上)。著書「わかる構造力学」「わかる構造力学(改訂版)」(工学社)。

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